ボロシリケイトガラス
ぼろしりけいとがらすBorosilicate Glass
ボロシリケイトガラスは、ホウ酸を加えて熱による膨張を小さくしたガラスです。ホウケイ酸ガラスとも呼ばれ、急な温度変化や薬品に強い素材です。理化学用のガラスにも、シーシャのベースにも使われます。ただし、割れないガラスではありません。
ボロシリケイトガラスは、熱による膨らみが小さく、温度の変化に強いガラスです。 膨らむ量は、一般的なソーダ石灰ガラスの約3分の1です。日本語ではホウケイ酸ガラスとも書きます。
シーシャでは、ベースやガラスボディに使われています(CyberChill)。
ホウケイ酸ガラスは、1887年にドイツのオットー・ショット(Otto Schott)が発明しました。ホウ酸を使って作った、熱にも急な温度変化にも強いガラスです(Schottの沿革)。
最初の用途は、1891年からの工業用の温度計でした。実験用のガラス器具には、1893年から使われています。
DURANという名前が付いたのは、ずっと後です。Schottが商標を登録したのは1938年で、1950年代から実験用ガラスの標準素材になりました。
米国のCorningは、1908年にパイレックスの元になるガラスを開発し、1915年に売り出しました(Wikipedia英語版)。
ドイツのDschinniは、自社のガラス製品について「1887年にデュランガラスとして開発」と書いています。ただ、DURANの名前の登録は1938年です。
理化学用の低膨張タイプは、約80%がシリカ、約13%が酸化ホウ素です。残りは、ナトリウムやカリウムの酸化物(約4%)と酸化アルミニウム(2〜3%)です(Wikipedia英語版)。
メーカーごとの商品名もあります。もとはSchottが登録した名前のDURAN(デュラン)と、Corningが売り出したPyrex(パイレックス)が有名です。ドイツのDschinniは、自社のガラス製品に使うガラスを高ホウケイ酸ガラス3.3と呼び、デュランガラスだと説明しています。
Schottの資料では、DURANの線膨張係数は3.3×10⁻⁶/K(20〜300℃)です。長さ1mのガラスが100℃温まっても、伸びは約0.33mmです。
割れずに耐えられる温度差は、ホウケイ酸ガラスでおよそ166〜170℃、ソーダ石灰ガラスで約40℃とされています(Wikipedia英語版)。
この数字は目安です。Schottは、DURANのガラス管の温度差を120℃以内にするよう勧めています。壁の厚み、形、表面の傷、残る歪みでも、割れにくさは変わります。
薬品にも強い素材です。DURANは、水、中性や酸性の液、強い酸、塩素に強いとSchottは説明しています。一方、フッ化水素酸、熱いリン酸、アルカリ性の液には、濃度と温度によって表面がおかされるそうです。
ベースは、水を入れる容器です。素材はガラスが一般的で、プラスチック製もあります(Hookah.com)。
Dschinniは、自社のガラス製品(ボウルやスモークカラムなど)に使うガラスを、クリスタルガラスとボロシリケイトで比べています。同社のクリスタルガラスは鉛を使わない種類で、輝きが強く、小さめから中くらいの温度変化には耐えるそうです。鉛を使うクリスタルを含めた説明は、クリスタルガラスの項にあります。
ボロシリケイトは、高い温度でも割れにくいそうです。ボウルの大きな汚れは、熱湯で落とせると言います。輝きは、クリスタルに少しおよばないとのことです。いずれも売り手の言い分です。
国内の専門店CyberChillの用語集は、シーシャではベースやガラスボディに使われる素材だと書いています。温水洗浄や衝撃に強くて長く使える素材としても紹介しています。
ひとつめは、「ボロシリケイトなら割れない」という思い込みです。国内の用語集には、転倒や落下では普通に割れると書かれています。
ふたつめは、「パイレックスと書いてあればホウケイ酸ガラス」という思い込みです。台所用品のPyrexには、地域によってホウケイ酸ではないものがあります。1940年代以降は、Pyrexの名で売られるガラスのかなりの部分が、ソーダ石灰ガラスです。
洗うときは、急な温度差を避けます。熱いボウルを外した直後に冷たい水を注ぐと、熱衝撃でひびが入ると、CyberChillの用語集は説明しています。お湯と水を混ぜて、温度差を小さくするのが対策です。
落として割る心配が大きい人には、底に付けるカバーがあります。ボトルプロテクターの項が詳しいです。ベースの役目はベース、水の量はダウンステムで読めます。
ボロシリケイトガラスとは何ですか?
ホウ酸を加えて、熱による膨らみを小さくしたガラスです。ホウケイ酸ガラスとも呼びます。急な温度変化や薬品に強く、実験用のガラス器具にも使われています。
ボロシリケイトガラスは、いつ発明されましたか?
1887年に、ドイツのオットー・ショットが発明しました。
クリスタルガラスとボロシリケイトは、何が違いますか?
Dschinniの説明では、クリスタルガラスは輝きが強く、ボロシリケイトは高い温度に強いとのことです。輝きでは、ボロシリケイトが少しおよばないそうです。ボウルなど同社のガラス製品の説明で、ベースだけの話ではありません。
デュランやパイレックスと同じですか?
同じ種類のガラスとは限りません。デュランはホウケイ酸ガラスの商品名です。パイレックスはCorningが売り出した名前で、ソーダ石灰ガラスの製品もあります。
ベースを熱湯で洗ってもいいですか?
急な温度差は避けます。熱湯を一気に注がず、お湯と水を混ぜて温度を変えていくのが無難です。
- SCHOTT「DURAN Tubing, Rods and Capillaries made of Borosilicate Glass 3.3」(製造元の資料:発明年・商標登録年・線膨張係数・耐薬品性・耐熱衝撃の注意)
- SCHOTT「Innovation history」(ホウケイ酸ガラスの発明と最初の用途)
- Wikipedia英語版「Borosilicate glass」(組成・膨張係数・耐熱衝撃の目安・Pyrexの注意)
- Dschinni Shisha(ドイツ)「Crystal glass vs. high borosilicate glass | Shisha lexicon」(同社のガラス製品に使うガラスの比較)
- Hookah.com「What's in a Hookah? Hookahs Explained」(ベースの素材)
- CyberChill「シーシャ(水タバコ)用語集」(国内の専門店による素材・取り扱いの解説)