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紙巻きたばこ用語辞典

紙巻きたばこ用語辞典

この研究室が観測してきた 150語 を五十音順にまとめました。引きたい言葉を選ぶか、上のインデックスから探してみてください。

紙巻きたばこ用語辞典

該当する用語: 150 / 150語

あ行20語

アセテートトウ

器具

あせてえととうCellulose Acetate Tow

セルロースアセテートのフレークをアセトンに溶かして紡糸塔から押し出し、無数の極細繊維を束ねて作る、フィルターの原料となる繊維束である。トリアセチンなどの可塑剤で繊維同士を結着させたのちクリンプ加工とプラグ巻きを経てフィルターロッドに成形されるとされ、世界のセルロースアセテート生産量の大半がこの用途に充てられているという。喫煙率の低下により需要縮小が指摘される一方、生分解性素材としての改良も進められているとされる。

アメリカンブレンド

フレーバー

あめりかんぶれんどAmerican Blend

バージニア種・バーレー種・オリエント種などを組み合わせて味や香りを調える、紙巻きたばこの代表的なブレンド方式です。マイルドで軽快な喫味に仕上がりやすいことから、日本国内で販売される紙巻きたばこの主流なブレンドとなっています。

アンモニア処理(たばこ加工技術)

吸い方・技術

あんもにあしょり(たばこかこうぎじゅつ)Ammonia Treatment (Freebasing)

たばこの加工過程でアンモニア化合物を添加し、たばこ中に結合した状態のニコチンを、より気化・吸収されやすい遊離型ニコチンに変換するとされる技術で、「フリーベース化」とも呼ばれます。理論上はニコチンの効果を高めるとされますが、実際の吸収量への影響については研究間で見解が分かれています。米国FDAは有害・潜在的有害成分(HPHCs)リストにアンモニアを呼吸器毒性物質として掲載しています。

ECLT財団(たばこ栽培における児童労働撲滅)

店・文化

いーしーえるてぃーざいだん(たばこさいばいにおけるじどうろうどうぼくめつ)ECLT Foundation (Eliminating Child Labour in Tobacco Growing)

葉たばこの生産地における児童労働の撲滅を目指す国際的な財団で、たばこ産業各社や労働組合、国際機関などが協力して運営しているとされます。マラウイやグアテマラ、モザンビーク、インドネシア、タンザニア、ウガンダなど葉たばこ産地の農村コミュニティを対象に、家計支援や就学支援、児童保護活動を実施しており、2011年以降で140万人超の子どもや農家、家族を支援したとしています。

EU共通データ提出システム(EU-CEG)

規制・制度

いいゆうきょうつうでえたていしゅつしすてえむ いいゆうしいいいじいEU Common Entry Gate (EU-CEG)

EUたばこ製品指令(TPD2)に基づき、加盟国当局へ製品の成分・排出物データなどを提出するための電子ポータル。メーカーや輸入業者はたばこ製品だけでなく電子たばこやリフィル容器についても本システム経由での報告が義務化されている。行政負担の軽減とデータ比較の容易化を掲げ、2025年にはアイスランド・リヒテンシュタイン・ノルウェーへも対象が拡大された。

EUたばこ最大収量規制(タール・ニコチン・CO上限値)

規制・制度

いいゆうたばこさいだいしゅうりょうきせい たある・にこちん・しいおうじょうげんちEU maximum tar/nicotine/CO emission limits

EUたばこ製品指令(2014/40/EU)第3条は、域内で流通する紙巻きたばこの主流煙収量について、タール10mg・ニコチン1mg・一酸化炭素10mgを上限と定める。第4条ではこの上限値をISO 4387(タール)・ISO 10315(ニコチン)・ISO 8454(一酸化炭素)の各規格に基づき測定するよう規定し、たばこ業界と資本関係のない認定機関による検証も義務づけている。数値自体は2001年の旧指令から引き継がれたものだが、国際規格を法律上の基準として明文化した点が特徴といえる。

EUたばこ製品指令フレーバー規制

規制・制度

いいゆうたばこせいひんしれいふれえばあきせいEU Tobacco Products Directive (TPD) Flavour Ban

EUが2014年に採択したたばこ製品指令(2014/40/EU)に基づき、紙巻きたばこと手巻きたばこに「特徴的な香味(characterising flavour)」を持たせることを禁じる規制である。フィルター・巻紙・カプセルなど香りや味を変える技術的機能も対象に含まれ、2016年にまず一般的なフレーバーが、市場シェア3%以上を占めていたメンソールは4年の経過措置を経て2020年5月に全面禁止となったとされる。若年層の喫煙導入を助長しているとの懸念が導入の背景にあるといわれる。

EUたばこトレーサビリティ制度

規制・制度

いいゆうたばことれえさびりてぃせいどEU Tobacco Track and Trace System

EUたばこ製品指令(2014/40/EU)第15・16条に基づき、2019年5月から紙巻きたばこと手巻きたばこを対象に稼働している、密輸・偽造対策のための追跡制度である。すべての最小包装単位に一意の識別子(ユニークID)を付与し、製造から小売までの流通経路を経済事業者が記録・報告する仕組みで、目に見える印刷要素と見えない要素を組み合わせた偽造防止用のセキュリティ機能も併せて義務づけられているとされる。2024年5月からは他のたばこ製品にも対象が拡大された。

ISO測定法

規制・制度

いそそくていほうISO Smoking Regime

喫煙機で紙巻きたばこのタール・ニコチン・一酸化炭素量を測定する国際標準の手法である。1回2秒の吸引を60秒間隔で行い、フィルターの通気孔をふさがずに測定するのが特徴とされる。実際の喫煙時には指や唇で通気孔がふさがれることが多いため、この方法で得られる値は実際に吸い込まれる量より低く出る傾向があると指摘されている。

一次加工・二次加工(葉たばこ加工の二段階構造)

吸い方・技術

いちじかこう・にじかこう(はたばこかこうのにだんかいこうぞう)Primary and Secondary Tobacco Processing

葉たばこが紙巻きたばこ製品になるまでの工程は大きく二段階に分かれます。「一次加工」では原料工場で葉に水分を与えて異物を除去し、スレッシャー機で葉肉と中骨を分離します。続く「二次加工」では製造工場で銘柄ごとの配合(ブレンド)を行い、加香や再加湿を経てサイロで均一化した後、巻き上げ工程に送られます。多くのたばこメーカーで採用されている一般的な生産体制です。

イングリッシュブレンド

フレーバー

いんぐりっしゅぶれんどEnglish blend

バージニア種を土台に、ラタキアやオリエント種などのオリエンタル系葉を配合したたばこの分類名。イギリスでは長らく加香が制限されていたとも言われ、素の葉の風味だけで仕上げる作り方がこの名の由来とも言われる。アメリカンブレンドが国産葉中心で調香を前提とするのに対し、対照的な系統として語られることが多い。

エアキュアド

フレーバー

えあきゅあーどAir-cured tobacco

通気性の良い小屋に葉を吊るし、4〜8週間ほどかけて自然乾燥させる製法。直火や煙に触れないため糖分が抜けやすく、乾燥後は褐色になるとされる。バーレー種やメリーランド種、一部の葉巻用葉がこの製法で仕上げられ、糖分が乏しい分、加香で味を整える工程が加わることが多いと説明される。

HCI測定法

規制・制度

えいちしーあいそくていほうHealth Canada Intense (HCI) Method

カナダ保健省が定めた、より実際の喫煙行動に近づけて有害成分量を測る喫煙機測定法である。ISO測定法より吸引間隔を短く(30秒)、1回の吸引量を多く(55ml)取り、フィルターの通気孔を粘着テープで完全にふさいだ状態で測定する点が異なるとされる。この方法ではISO測定法より高いタール・ニコチン・一酸化炭素値が示される傾向があるといわれる。

FCTC締約国会議(COP)

規制・制度

えふしいてぃいしいていやくこくかいぎConference of the Parties (COP) to the WHO FCTC

たばこ規制枠組み条約(FCTC)の最高意思決定機関で、全締約国の代表が参加し条約の実施状況を評価し、実施ガイドラインや議定書の採択などを行う会議である。第3回会合以降は原則2年に1度開催されており、たばこ製品の成分規制や不法取引対策など複数の実施ガイドラインをこれまでに採択してきたとされる。

FTC法(ケンブリッジフィルター法)

規制・制度

えふてぃしいほうFTC Method (Cambridge Filter Method)

米国連邦取引委員会(FTC)が1966年にガイダンスとして認めた、紙巻きたばこのタール・ニコチン量を喫煙機で測定する手法で、後のISO測定法の原型となったとされる。1分間に1回、35mlを2秒間吸引する条件が用いられたが、低タール表示のたばこほど喫煙者が通気孔をふさぐなどして実際の摂取量を補うため「消費者に誤解を与える」との批判が強まった。FTCは2008年、この測定値に基づく比較表示を認めるガイダンスを42年ぶりに全会一致で撤回している。

MPOWER(WHOたばこ対策パッケージ)

規制・制度

えむぱわあMPOWER

世界保健機関(WHO)が2008年に導入した、たばこ規制枠組み条約(FCTC)の実施を各国が具体的な政策に落とし込むための6分野の技術パッケージである。Monitor(監視)・Protect(受動喫煙からの保護)・Offer(禁煙支援)・Warn(警告表示)・Enforce(広告・販促規制の執行)・Raise(増税)の頭文字から成るとされる。条約そのものが理念や義務を定めるのに対し、MPOWERはその達成度を測る実務的な指標として各国の政策評価に用いられているという。

エンパワー・パッケージ

規制・制度

えんぱわーぱっけーじMPOWER

WHOが2008年に導入した、たばこ規制枠組み条約(FCTC)の主要施策を実行に移すための6分野の政策パッケージである。Monitor(実態監視)、Protect(受動喫煙防止)、Offer(禁煙支援)、Warn(警告表示)、Enforce(広告・販促規制の徹底)、Raise(増税)の頭文字から名付けられ、各国の対策進捗を標準化した指標で比較できるようにしたことが特徴とされる。価格政策を含め包括的に実施した国では喫煙率がほぼ半減したとの分析もあるといわれる。

沖縄のたばこ専売編入

店・文化

おきなわのたばこせんばいへんにゅうIncorporation of Okinawa's tobacco industry into the state monopoly (1972)

1972年の本土復帰まで、米国施政権下にあった沖縄はたばこ専売制度の対象外で、複数の民間会社が製造を担っていたとされる。復帰にあわせて専売制度が適用され、これら民間各社の事業は日本専売公社に譲受されて那覇工場(後のJT那覇工場)に再編されたという。同工場はその後閉鎖されたとされる。当時の人気銘柄「うるま」は例外的に沖縄限定として存続し、専売編入の名残を今も伝える存在といわれる。

オリエント種

フレーバー

おりえんとしゅOriental tobacco (Turkish tobacco)

草丈が低く葉も小さい葉たばこ種で、地中海性気候のトルコ・ギリシャ・北マケドニア周辺が主産地とされる。天日で乾かすサンキュアド(sun-cured)により独特の芳香が生まれ、ニコチンは比較的少なめとされる。1913年発売のキャメルがバージニア・バーレーにオリエントを配合して以来、アメリカンブレンドの香り付け役として定着したと語られることが多い。

恩賜のたばこ

店・文化

おんしのたばこOnshi Tabako (Imperially Bestowed Cigarettes)

天皇から下賜される特製の紙巻きたばこで、正式には宮内省用特製たばこの一種「特製たばこ1号」に分類された。記録上確認できる最初の例は1877年の西南戦争で皇后らから傷病兵に贈られたものとされ、1933年に制度として本格開始したといわれる。市販はされず、叙勲者や園遊会出席者などへの謝礼として配られたが、2006年度限りで廃止され、以後は金平糖などに代替されている。一本ごとに十六八重表菊の紋章が入れられていたとされる。

か行19語

拡大生産者責任(EPR)とたばこフィルター回収

規制・制度

かくだいせいさんしゃせきにん(いーぴーあーる)とたばこふぃるたーかいしゅうExtended Producer Responsibility (EPR) for Cigarette Filters

たばこの吸い殻(フィルター)が公共空間に大量に投棄される問題に対応するため、EUの使い捨てプラスチック指令はたばこ製品を規制対象10品目の一つに位置付け、製造・輸入事業者に清掃費用の負担や回収データの報告を義務付ける拡大生産者責任(EPR)制度の導入を求めています。これを受けフランスでは、たばこ業界の拠出で運営されるエコ団体「Alcome」が設立され、自治体への吸い殻回収設備の設置支援などを行っています。

カットフィラー

吸い方・技術

かっとふぃらあCut Filler

調湿・ケーシングを経たたばこ葉を1ミリ前後の幅に細く裁断し、香料や茎などの副原料を加えてサイロで均一に混ぜ合わせた、紙巻きたばこや加熱式スティックの中身にあたる刻み葉のことである。銘柄ごとの喫味を決める最終ブレンドとしての役割を持ち、希少品種の葉を少量だけ均等に配合する手法など、味の均質化を狙った工夫も報告されている。

加熱式たばこ

炭・熱管理

かねつしきたばこHeated Tobacco Product

葉たばこを燃焼させず、専用の機器で加熱して発生する蒸気を吸うたばこ製品です。IQOSやglo、Ploom Xなどの銘柄が代表的で、日本のたばこ税制では紙巻きたばことは別区分として扱われ、スティック1本の重量が0.35g以下であれば紙巻きたばこ1本に、それを超える製品は重量1gを紙巻きたばこ20本に換算するなどの方法で税額が計算されます。

紙製フィルター(プラスチックフリーフィルター)

器具

かみせいふぃるたー(ぷらすちっくふりーふぃるたー)Paper-Based / Plastic-Free Cigarette Filter

従来のセルロースアセテートに代わり、紙や木材パルプなどを主原料とするプラスチックを含まないたばこフィルターです。EUの使い捨てプラスチック指令がたばこ製品(吸い殻)を規制対象10品目の一つに位置付けたことを契機に開発が加速し、Filtrona社の「ECOチューブ」やRepublic Technologies社の「Just Paper」など、従来品に近い喫味を保ちつつ生分解性を高めた製品が実用化されています。

紙巻きたばこから加熱式たばこへの数量シフト

店・文化

かみまきたばこからかねつしきたばこへのすうりょうしふとVolume Shift from Cigarettes to Heated Tobacco Products

日本たばこ協会の統計によれば、紙巻きたばこの年間販売数量は2017年の1,455億本から2025年には782億本へと8年間で46%以上減少しました。一方、加熱式たばこは2022年の522億本から2025年には734億本へと拡大し、直近数年は前年比110%を超える成長を続けています。紙巻きたばこ市場が縮小する一方で加熱式たばこへ需要が移行する傾向が、統計上明確に表れています。

紙巻きたばこの燃焼温度

炭・熱管理

かみまきたばこのねんしょうおんどCigarette Combustion Temperature

紙巻きたばこの先端は燃焼時に約900〜1000℃に達し、この高温燃焼によって一酸化炭素をはじめとする有害物質が発生します。加熱式たばこは葉たばこを燃焼させず200〜350℃程度で加熱するにとどめることで煙の発生を抑えていますが、含まれる発がん性物質の種類自体が減るわけではないとされています。

黄色種

フレーバー

きいろしゅYellow-Type (Flue-Cured) Tobacco

日本の葉たばこ分類でバーレー種・在来種と並ぶ代表品種で、世界的にも最も栽培量が多いとされる。肉厚な葉は鮮やかな黄色を呈し、還元糖の含有量が高いことから甘みのある豊かな香りが特徴とされる。日本では主に南九州で栽培され、紙巻きたばこの主原料として用いられているといわれる。

喫煙開始年齢規制(Tobacco 21)

規制・制度

きつえんかいしねんれいきせい(たばこ・とぅえんてぃーわん)Tobacco 21 (Minimum Legal Sales Age of 21)

米国で2019年12月20日に成立した連邦法で、たばこ製品の販売対象年齢をそれまでの18歳から21歳に引き上げました。紙巻きたばこや電子たばこ、葉巻、パイプたばこなど幅広い製品が対象で、軍人・退役軍人も例外なく適用されます。2024年8月には最終規則が連邦官報に掲載され、同年9月30日発効で30歳未満の購入者への身分証確認義務などが明確化されました。

喫煙専用室

規制・制度

きつえんせんようしつSmoking-Only Room

改正健康増進法に基づき、屋内を原則禁煙とする施設内でたばこを吸える例外として設置が認められる区画です。室内での飲食は認められておらず、たばこの煙が屋外や非喫煙区画に流れ出さないよう出入口の風速などの技術的基準を満たしたうえで、入口に標識を掲示することが義務づけられています。

喫煙補償行動

規制・制度

きつえんほしょうこうどうCompensatory Smoking

低タール・低ニコチン表示のたばこを吸う際に、喫煙者が指や唇でフィルターの通気孔をふさいだり、より深く速く吸ったり、本数を増やしたりして、実際のニコチン摂取量を無意識に維持しようとする現象である。米国立がん研究所のモノグラフ13などは、この行動によって機械測定値ほど実際の曝露量は下がらないと指摘しているとされる。ISO測定法がフィルター通気孔をふさがずに測定する点も、この論争と関わっているといわれる。

喫煙目的施設

規制・制度

きつえんもくてきしせつSmoking-Purpose Establishment

改正健康増進法上、喫煙を主目的とするバーやスナック、店内で喫煙可能なたばこ販売店、公衆喫煙所などが対象になる区分です。出入口の気流が毎秒0.2m以上であることなど3つの技術的基準を満たした喫煙目的室の設置と、20歳未満の立入り禁止を明示する標識の掲示が義務づけられています。

旧3級品

規制・制度

きゅうさんきゅうひんFormer Class-3 (lowest-grade) cigarettes

専売制度下では葉たばこの等級に応じて税率に差が設けられ、下級葉を使った廉価銘柄は「3級品」として軽減課税の対象だったとされる。ゴールデンバット・わかば・エコーなどが代表格で、長年にわたり低価格帯の定番として親しまれてきたという。2016年以降の段階的な軽減措置縮小を経て2019年10月に生産終了となり、専売時代の等級区分は実質的に姿を消したとされる。

グラフィック警告表示

規制・制度

ぐらふぃっくけいこくひょうじGraphic Health Warning (GHW)

WHOたばこ規制枠組み条約(FCTC)第11条の指針を受け、写真や図像で喫煙の健康被害を直接的に訴えるパッケージ警告。文字だけの注意文言より視認性・記憶定着率が高いとされ、少なくとも126の国・地域が何らかの形で導入済みとされる。日本は現行では文言中心の警告にとどまっており、導入国では前面の50%以上・両面平均65%程度を求める例が目立つ。

クレテック(丁字入りたばこ)

フレーバー

くれてっくKretek (Clove Cigarette)

タバコ葉にクローブ(丁字)などの香料を加えたインドネシア発祥のたばこです。1880年代にジャワ島クドゥスのハジ・ジャマーリが胸の痛みを和らげる目的でクローブ入りの手巻きたばこを作ったのが起源とされ、名称は燃焼時に鳴るクローブの「パチパチ」という音を表すオノマトペに由来するとされています。20世紀初頭にニティセミトが商業化し、現在もインドネシアが世界最大の生産・輸出国とされています。

高温加熱方式

炭・熱管理

こうおんかねつほうしきHigh-Temperature (Blade) Heating

金属製の加熱ブレードをたばこスティックの内部に直接挿入し、内側からムラなく加熱する方式です。IQOSなどで採用されており、紙巻きたばこの燃焼温度(約900〜1000℃)よりはるかに低い300℃以下の温度に精密制御することで、煙ではなく蒸気を発生させています。

ゴールデンバット

店・文化

ごーるでんばっとGolden Bat

1906年に大蔵省専売局が発売した両切りたばこで、発売当初から長らく最低価格帯の一角に位置づけられてきた大衆銘柄とされる。戦時中は英語銘柄が忌避され「金鵄(きんし)」へ改称された時期もあったが、戦後に名称を戻して販売を続けた。紙巻きたばことしての生産は2019年に終了したが、小型のリトルシガー版は2022年まで存続したとされる。専売時代からJT民営化後まで生き延びた息の長いブランドとして語られることが多い。

コチニン検査

吸い方・技術

こちにんけんさCotinine test

ニコチンが体内で代謝されてできる物質コチニンの血液・唾液・尿中濃度を測って、喫煙や受動喫煙への曝露を客観的に評価する検査法。ニコチン自体の血中半減期が数時間なのに対し、コチニンは半減期約16時間と長く残るため、自己申告に頼らない喫煙状況の把握手段としてNHANESなど大規模調査でも長く使われてきた。禁煙外来や研究の場での曝露評価にも応用される。

コレスタ(CORESTA、国際たばこ科学研究協力センター)

規制・制度

これすたCORESTA (Cooperation Centre for Scientific Research Relative to Tobacco)

1956年にフランス法人として設立された、たばこ産業界主導の国際的な科学研究協力組織である。喫煙機によるタール・ニコチン・一酸化炭素の測定法など、後にISO規格として採用される試験方法(CORESTA Recommended Method)の策定に関わってきたとされる。産業界の資金で運営されている点から、独立性について指摘する向きもある。

コンディショニング(葉たばこの調湿工程)

吸い方・技術

こんでぃしょにんぐ(はたばこのちょうしつこうてい)Tobacco Conditioning (Moisture Conditioning)

乾燥させた葉たばこに蒸気と水分を与え、裁断や巻き上げに適した柔軟な状態に戻す工程です。乾燥しすぎた葉は砕けやすく、逆に水分が多すぎると保管中に傷むため、原料工場と製造工場のそれぞれで温度と湿度を管理しながら加湿する「調和」作業が行われます。この工程を経てはじめて、葉たばこは裁刻・巻き上げ工程に送られます。

さ行24語

在来種(葉たばこ)

フレーバー

ざいらいしゅNative Japanese tobacco varieties

江戸期以降、各地の気候風土に馴化して成立した日本古来の葉たばこ品種群の総称。1898年の葉タバコ専売移行時には全国で70種以上を数えたとされ、国分葉・水府葉・秦野葉は「三大銘葉」と称されるほど品質が高く評価されたと伝わる。紙巻きたばこ向けに糖分の多い黄色種が1897年に米国から試作導入されて以降、在来種は徐々にその座を譲っていったと語られている。

サンキュアド

フレーバー

さんきゅあーどSun-cured tobacco

収穫した葉を棚に広げ、12〜30日ほど直射日光にさらして水分を飛ばす乾燥法。葉緑素が抜けて黄色〜橙色になり、葉自体も小ぶりになる傾向があるとされる。オリエント種(トルコ葉)の多くがこの製法で仕上げられ、香りの強さと酸味が紙巻きたばこ・パイプたばこの香り付けに好まれてきたと紹介される。

三公社五現業

規制・制度

さんこうごげんぎょうThree Public Corporations and Five Public Enterprises

1980年代まで日本に存在した政府系事業体の総称で、日本国有鉄道・日本電信電話公社と並び日本専売公社が「三公社」の一角を占めていたという行政史上の枠組みを指す。専売公社は1985年に日本たばこ産業(JT)へ事業を承継して解散し、三公社はいずれも民営化・法人化されていったとされる。たばこの専売制度が国鉄や電電と同格の「特殊な公共企業体」として運営されていた背景を理解するうえで欠かせない用語である。

シートたばこ

吸い方・技術

しーとたばこReconstituted Tobacco Sheet

たばこの茎や葉の粉砕物などの副産物を原料に、糊材と混ぜて薄いシート状に成形し乾燥させた再構成たばこである。天然葉に比べて製造コストを抑えつつニコチン量の調整もしやすいとされ、紙巻きたばこのフィラーや機械巻き葉巻のバインダー・ラッパーとして用いられる。添加物規制の強化やニコチン低減の動きの中で活用が広がっているとされる。

JTインターナショナル(JTI)

店・文化

じぇいてぃいいんたあなしょなるJT International (JTI)

1985年の専売公社民営化を経た日本たばこ産業(JT)は、国内事業だけでなく海外展開にも舵を切ったとされる。1999年にR.J.レイノルズの米国外事業を買収して設立されたのがJTインターナショナル(JTI)で、キャメルやウィンストンなど国際ブランドを世界各地で扱う中核会社になったという。2007年の英ギャラハー買収も合わせ、JTを世界有数のたばこメーカーへ押し上げた転機の一つとされる。

シガレットメーカー(巻き上げ機)

器具

しがれっとめーかー(まきあげき)Cigarette Making Machine

裁刻した葉たばことフィルター、巻紙を連続的に成形して紙巻きたばこを自動生産する機械です。1880年代にジェームズ・ボンサックが発明した機械により、手巻きで1日約4万本だった生産量が約400万本にまで飛躍的に増加したとされます。現在の高速巻き上げ機は、印刷済みの巻紙の上に刻んだ葉たばこを連続的に落として長いロッドを成形し、規定の長さに切断してフィルターと接合します。

敷島(専売局発足時の四銘柄)

店・文化

しきしまたばこShikishima and the first monopoly cigarette brands

1904年、日露戦争の戦費調達を目的とするたばこ専売法の施行にあわせ、大蔵省専売局が発売した最高級の口付きたばこ銘柄。「敷島」「大和」「朝日」「山桜」の4銘柄は、本居宣長の和歌に由来するとも言われる古典的な日本の異称にちなんで名付けられたと伝えられ、専売制度発足を印象づける象徴的なラインナップとして紹介されることが多い。

実質的同等性審査(SE)

規制・制度

じっしつてきどうとうせいしんさSubstantial Equivalence (SE) Pathway

米国FDAのたばこ製品規制における審査経路の一つで、2007年2月15日時点で市販されていた既存製品(プレディケート)と特性が同一か、異なっていても新たな公衆衛生上の懸念を生じさせないことを示せば、PMTAより簡易な手続きで市場投入を認める仕組みとされる。伝統的な紙巻きたばこの多くはこの経路で扱われてきたと説明される一方、審査基準の緩さを批判する声もある。

指定喫煙所(路上喫煙禁止条例)

規制・制度

していきつえんじょ・ろじょうきつえんきんしじょうれいDesignated Outdoor Smoking Area (Street Smoking Ban Ordinance)

自治体が制定する条例により路上での喫煙を禁止する代わりに設置される、屋外の喫煙可能な区画です。2002年に千代田区がポイ捨て防止も兼ねた路上喫煙禁止条例を全国で初めて制定したことをきっかけに、同様の条例と指定喫煙所の設置が全国の自治体に広がりました。

従量税と従価税(たばこ税の課税方式)

規制・制度

じゅうりょうぜいとじゅうかぜい(たばこぜいのかぜいほうしき)Specific vs. Ad Valorem Tobacco Tax

たばこ税の課税方式には、本数など数量を基準に一定額を課す「従量税」と、小売価格を基準に一定割合を課す「従価税」があります。日本のたばこ税は紙巻きたばこ1,000本当たりの本数を基準とする従量税方式で、国・地方・特別税を合わせ1,000本当たり15,244円が課されています。一方EUでは、加重平均小売価格の60%以上(従価税)かつ1,000本当たり90ユーロ以上(従量税の最低額)を満たす混合方式が指令で義務付けられています。

熟成・発酵(たばこ葉のエイジング)

吸い方・技術

じゅくせい・はっこう(たばこはのえいじんぐ)Tobacco Leaf Aging / Fermentation

乾燥(キュアリング)を終えた葉たばこを、数か月から場合によっては1年以上寝かせて品質を安定させる工程です。この間にカロテノイド色素がゆっくり酸化・分解し、甘い香りやまろやかな喫味を生む成分が形成されるとされます。ペリークのように圧力をかけて発酵させる特殊な製法もあり、葉に含まれる糖質や酵素活性の変化が香喫味成分の生成に関与することが研究で示されています。

受動喫煙防止(改正健康増進法)

規制・制度

じゅどうきつえんぼうしSecondhand Smoke Prevention (Amended Health Promotion Act)

望まない受動喫煙をなくすことを目的に、健康増進法の改正により2020年4月に全面施行された制度です。多くの飲食店や職場を原則屋内禁煙とし、屋内で喫煙する場合は喫煙専用室などの設置と、施設の入口に喫煙可否を示す標識を掲示することが義務づけられています。

主流煙と副流煙

規制・制度

しゅりゅうえんとふくりゅうえんMainstream Smoke and Sidestream Smoke

喫煙者が直接吸い込む「主流煙」と、たばこの先端から立ち上る「副流煙」の総称で、受動喫煙の原因となります。副流煙は主流煙に比べて燃焼温度が低いため発がん性物質など有害物質の濃度が数倍以上高いとされ、たばこ会社自身の実験でもこの傾向が確認されているといいます。WHOは受動喫煙に安全な曝露量は存在しないとし、年間160万人以上が早期死亡していると推計しています。

しんせい(たばこ銘柄)

歴史・銘柄史

しんせい(たばこめいがら)Shinsei (Cigarette Brand)

1949年6月に日本専売公社が発売した紙巻きたばこの銘柄です。戦後復興を象徴する名称として「新生」と名付けられ、当時人気だったゴールデンバットに代わる大衆銘柄として爆発的に売れ、供給不足が参議院大蔵委員会で取り上げられるほどだったといいます。「旧3級品」に分類される廉価銘柄で、販売数量では11年間にわたり首位を占めたとされます。

ストレートバージニア

フレーバー

すとれーとばーじにあStraight Virginia

フルーキュアドされたバージニア種の葉だけ、あるいはそれをほぼ主体として仕立てたたばこを指す呼び名。バーレーやオリエント、ラタキアなどを混ぜないぶん、天然の甘みと明るい風味が前面に出るとされる。英国系の手巻きたばこや紙巻きたばこでは伝統的にこの系統が好まれてきたと紹介されることが多い。

スモークフリー世代法(ニュージーランド)

規制・制度

すもーくふりーせだいほう(にゅーじーらんど)Smokefree Generation Law / Smoked Tobacco Amendment Act 2022 (NZ)

ニュージーランドが2022年に成立させた喫煙対策法で、たばこ中のニコチン含有量に上限を設ける「デニコチン化」、たばこ小売店数の大幅削減、2009年1月1日以降生まれの人への紙巻きたばこ販売を生涯にわたり禁じる「世代規制」を柱としていた。世界で最も厳格な喫煙対策法の一つとして各国から注目されたが、税収減への懸念や連立政権の方針転換を理由に2024年3月に撤回された。パッケージや警告表示ではなく販売資格そのものを世代単位で断つという発想は、包装・表示規制の先にある「その他規制」の到達点として語られることが多い。

スリムシガレット

器具

すりむしがれっとSlim Cigarette

直径を通常品より細くした紙巻きたばこの規格です。日本ではブリティッシュ・アメリカン・タバコの「ヴォーグ」などが代表的で、スリム・スーパースリムといった太さ違いの規格や、長さは通常のまま太さだけ細くした「デミ・スリム」のような派生型も存在しました。

世界たばこ調査(GATS)

規制・制度

せかいたばこちょうさ じいえいてぃいえすGlobal Adult Tobacco Survey (GATS)

WHOとCDCが共同で推進する、成人(15歳以上)を対象にした国別代表標本による家庭訪問調査。喫煙率や受動喫煙曝露、禁煙意向などたばこ使用に関する指標を国際比較できる形で収集し、FCTCやMPOWER政策の実施状況を測る基礎データとなる。青少年向けのGYTSと合わせ「世界たばこ監視システム(GTSS)」を構成する柱の一つとされる。

全国たばこ販売協同組合連合会

規制・制度

ぜんこくたばこはんばいきょうどうくみあいれんごうかいNational Federation of Tobacco Retailers' Cooperatives

全国のたばこ小売店で構成される協同組合の連合組織です。2023年4月からは、成人識別ICカード「taspo」の運営主体を一般社団法人日本たばこ協会から引き継ぎ、自動販売機での成人識別システムの運用を担ってきました。

専売益金

規制・制度

せんばいえききんTobacco monopoly profit (pre-1949 accounting term)

1904年の煙草専売法施行以降、国が専売事業から得た利益を指した会計上の呼び方で、日露戦争の戦費調達を機に導入され、以後は国家財源の重要な柱となったとされる。1949年に日本専売公社が発足して以降は「専売納付金」という枠組みに置き換わっていったとみられ、両者は同じ系譜にありながら時代によって呼び名や制度の建て付けが異なる点に注意したい用語である。

専売局

店・文化

せんばいきょくTobacco Monopoly Bureau

1898年に大蔵省の外局として設置され、1907年に組織を統合し「大蔵省専売局」となった官庁である。日露戦争の戦費調達を背景に1904年から始まったたばこの完全専売制のもと、塩・樟脳(のちアルコールなど)とあわせて製造・販売を一手に担っていた。1949年、事業の企業性を高める目的で大蔵省から分離独立し、特殊法人・日本専売公社へと改組された。

専売納付金

規制・制度

せんばいのうふきんmonopoly remittance (senbai nōfukin)

日本専売公社の時代、たばこや塩の専売事業で得た利益のうち国庫に納めることが義務づけられていた金額を指す言葉。1982年度にはたばこ売上高2兆4704億円に対し7651億円が納付されるなど、直接税に頼らず財政を支える大きな柱だった。1985年のJT発足で「国たばこ消費税」に、1989年にはさらに現行の「たばこ税」へと姿を変え、専売納付金という呼び名自体は歴史のなかに消えた。

全米たばこ・健康評価調査(PATHスタディ)

規制・制度

ぜんべいたばこ・けんこうひょうかちょうさ ぱすたでぃPopulation Assessment of Tobacco and Health (PATH) Study

2009年にFDAへたばこ製品の規制権限が付与されたことを受け、FDA(たばこ製品センター)とNIH傘下の国立薬物乱用研究所(NIDA)が共同で始めた大規模縦断調査。9歳以上の住民約5万人規模のコホートを継続的に追跡し、製品の乗り換えやニコチン依存、健康影響、規制施策の効果などを測定する。同一対象者を繰り返し調べる設計のため、規制変更が喫煙行動に与える影響を単発の断面調査より捉えやすいとされる。

ソフトパック/ボックス

店・文化

そふとぱっく・ぼっくすSoft Pack vs. Box (Cigarette Packaging)

紙巻きたばこの外装の形状を表す言葉です。ソフトパックは薄い紙とアルミ箔を使った柔らかい包装、ボックスは厚紙で作られた箱型の包装を指し、同じ銘柄であれば中身のたばこ葉やフィルターの規格は基本的に共通しています。携帯性を重視するならソフトパック、型崩れのしにくさを重視するならボックスが選ばれる傾向にあります。

た行42語

タール・ニコチン値表示

規制・制度

たあるにこちんちひょうじTar and Nicotine Content Labeling

紙巻きたばこの煙に含まれるタール・ニコチンの量を、財務大臣が定めるISO準拠の測定方法で計測し、パッケージに数値を表示することを義務づける制度です。数値は銘柄どうしを比較するための共通条件下の値であり、喫煙者が実際に吸い込む量をそのまま示すものではないとされています。

台湾総督府専売局

店・文化

たいわんそうとくふせんばいきょくMonopoly Bureau of the Taiwan Governor-General's Office

1901年に設置された、日本統治下の台湾で阿片・食塩・樟脳などを扱った専売機関。1905年にたばこが専売品目へ加えられ、内地の専売制度が植民地統治の財源確保策として海を渡った一例とされる。戦後は台湾側の機関へ引き継がれ、形を変えながら2002年の民営化まで存続した。

タスポ(taspo)

店・文化

たすぽTaspo (Adult Identification Card System)

20歳未満によるたばこ自動販売機での購入を防ぐため、2008年7月に全国で稼働を始めたICカード方式の成人識別システムです。運営主体は日本たばこ協会から2023年4月に全国たばこ販売協同組合連合会へ引き継がれましたが、使用していた通信回線サービスの終了に伴い、2026年3月末をもってサービスを終了しました。

たばこ規制枠組み条約

規制・制度

たばこきせいわくぐみじょうやくWHO Framework Convention on Tobacco Control (FCTC)

世界保健機関(WHO)が主導して策定した、史上初の公衆衛生分野の国際条約である。広告・販促・スポンサーシップの禁止や制限、パッケージへの大きな警告表示の義務化、禁煙区域の設定、価格・税制による需要抑制など包括的なたばこ対策を締約国に求める。従来の薬物規制条約が供給側の取り締まりに重点を置いていたのに対し、需要削減の視点を明確に打ち出した点が特徴とされる。

たばこ警告表示の50%ルール(国際的な目安)

規制・制度

たばこけいこくひょうじのごじゅっぱーせんとるーる(こくさいてきなめやす)50% health warning size guideline

パッケージ主要面の50%以上を警告表示に充てることを「望ましい水準」とする国際的な目安。WHOは、こうした大きな警告表示や写真警告を採用済みの国が世界人口の6割超をカバーする110カ国に達したと報告しており、各国の警告表示面積を比べる際の物差しとして参照されることが多い。米国でも2009年法によって表示面積がパッケージ表裏の50%まで拡大された経緯があり、数値目標としての「50%」は国や時代を超えて繰り返し登場する。

たばこ広告自主規準

規制・制度

たばここうこくじしゅきじゅんVoluntary Advertising Code for Tobacco Products

日本たばこ協会が加盟各社に順守を求める、広告・販売促進活動・包装に関する自主的なルール。テレビ・ラジオなど電波媒体での製品広告を禁止し、屋外広告は面積2平方メートル以下かつ設置場所をたばこ販売所・喫煙所に限定するなどの規定を設けている。法的拘束力を持たない業界自主規制であるため、国内外の一部からは実効性に疑問の声も上がる。

たばこ耕作組合

規制・制度

たばここうさくくみあいTobacco Growers' Cooperative

1958年公布の「たばこ耕作組合法」に基づき、葉たばこ農家が地域ごとに組織する団体です。全国16の地区たばこ耕作組合を束ねる全国たばこ耕作組合中央会が、たばこ事業法でJTに義務づけられている国産葉たばこの全量買取に関する交渉や、耕作資材の共同購入、たばこ税制に関する要望活動などを担っています。

たばこ小売距離基準

規制・制度

たばここうりきょりきじゅんDistance Requirement for Tobacco Retail Licensing

たばこ事業法に基づき新規にたばこ小売販売業の許可を得る際、既存の最寄り店舗との間に一定の距離を求める制度。繁華街・市街地・住宅地といった地域区分ごとに数百メートル規模の基準が財務省告示で定められており、過度な販売競争や乱立を防ぐ趣旨とされる。近年は基準の緩和・簡素化を求める議論も出ている。

たばこ小売販売業の距離基準

規制・制度

たばここうりはんばいぎょうのきょりきじゅんminimum-distance rule for tobacco retail licensing

財務大臣が定める小売販売業許可制度の一部で、既存店との間に一定の距離を確保しなければ新規出店を認めないという仕組み。指定都市の繁華街なら25メートル、住宅地なら300メートルというように地域区分ごとに細かく数値が決められており、過度な販売競争の防止を目的に運用されてきた。コンビニやスーパーの新規たばこ取り扱いの可否を左右する、あまり知られていない規定でもある。

たばこ消費税

規制・制度

たばこしょうひぜいTobacco Consumption Tax (former statutory name)

専売制度が廃止された1985年、たばこに由来する国庫収入は「専売納付金」から租税へ切り替わり、そのとき定められた税の名称が「たばこ消費税」だったとされる。1989年の消費税導入にあわせて法律・税の名称ともに現行の「たばこ税」へ改められたという。専売から税制へ移る過渡期にのみ用いられた、短命な呼び名といえる。

たばこスティック

炭・熱管理

たばこすてぃっくTobacco Stick (Heated Tobacco Consumable)

加熱式たばこ専用の消耗品で、紙巻きたばこに似た形状の棒状のたばこ葉製品です。IQOS用のHEETS、glo用のネオスティックなど機器ごとに専用規格があり、デバイスに差し込んで加熱することで蒸気を発生させます。

たばこ税証紙(タックススタンプ)

規制・制度

たばこぜいしょうし(たっくすすたんぷ)Tobacco tax stamp / duty stamp

納税済みであることを示すために紙巻きたばこの包装へ貼付・印刷されるスタンプ。開封すると破れる位置に配置する設計が一般的で、19世紀の郵便切手の仕組みを応用する形で各国の物品税制度に広まったとされる。密輸・偽造たばこ対策の現場では、正規の税証紙や識別マークの有無が真贋判定の手がかりの一つとして扱われている。

たばこ税の内訳

規制・制度

たばこぜいのうちわけComposition of Tobacco Tax

紙巻きたばこの小売価格には、国たばこ税・地方たばこ税(道府県たばこ税・市町村たばこ税)・たばこ特別税・消費税という4種類の税が含まれています。これらを合計した税負担は小売価格の6割を超えるとされ、たばこ税収は国と地方を合わせて年間約2兆円規模にのぼり、財政の重要な財源となっています。

たばこ税の段階的引き上げ(令和9〜11年度)

規制・制度

たばこぜいのだんかいてきひきあげ(れいわきゅう〜じゅういちねんど)Stepwise Tobacco Tax Increase (FY2027-2029)

国のたばこ税の税率を、令和9年(2027年)4月、令和10年(2028年)4月、令和11年(2029年)4月の3段階に分けて、それぞれ1本当たり0.5円ずつ引き上げる措置です。地方たばこ税やたばこ特別税は据え置かれ、国税分のみが対象となります。段階的に引き上げることで、急激な小売価格上昇や需要変動を緩和する狙いがあるとされます。

たばこ製品科学諮問委員会(TPSAC)

規制・制度

たばこせいひんかがくしもんいいんかい てぃいぴいえすえいしいTobacco Products Scientific Advisory Committee (TPSAC)

2009年のFSPTCA成立に伴い設置された、FDA長官へ助言する諮問機関。医師や研究者ら9名の投票権を持つ委員とたばこ業界代表3名(非投票)で構成され、メンソールの公衆衛生への影響やニコチン収量の変更、モディファイドリスクたばこ製品(MRTP)申請などを審議する。2011年にはメンソール規制の是非を検討した報告書を公表したが、委員の利益相反問題を理由に2014年の連邦裁判所判断で規制根拠としての利用が退けられた経緯もある。

たばこ税法

規制・制度

たばこぜいほうTobacco Tax Act (1984)

1984年(昭和59年)8月10日公布の法律で、当初は「たばこ消費税法」という名称だった。専売制度下では国庫収入が税ではなく専売納付金として扱われていたが、1985年の専売制度廃止・JT発足に伴いたばこにも正式な租税の枠組みが導入され、1989年の消費税法施行時に現在の「たばこ税法」という名称に改められたとされる。

たばこ専売法(明治)

店・文化

たばこせんばいほうTobacco Monopoly Act of 1904

1904年(明治37年)に施行された法律で、原料葉たばこの買い上げから製造・販売までを国が一元管理する専売制度を確立した。1898年施行の葉煙草専売法では密耕作や横流しが横行し目標税収を得られなかったこと、さらに日露戦争の戦費調達の必要性が背景にあったとされる。この制度は大蔵省専売局から日本専売公社へ引き継がれ、1985年のJT発足まで約81年間続いた。

たばこ定価販売制度

規制・制度

たばこていかはんばいせいどFixed Retail Price System for Tobacco

紙巻きたばこは銘柄ごとに製造たばこ小売定価が財務大臣の認可を受けて決められており、認可された定価以外での販売が禁止されているため、全国どの店で買っても同じ価格になる仕組みです。たばこ事業法に定められた制度で、コンビニや自動販売機だけでなく、フリマアプリなどでの転売も小売販売許可のない者による販売として認められません。

たばこ特別税

規制・制度

たばことくべつぜいSpecial Tobacco Tax

1998年12月に導入された、通常のたばこ税とは別建ての税。国鉄分割民営化後に清算事業団が抱えていた長期債務や国有林野事業の累積債務を一般会計へ引き継ぐ財源として新設された、いわば紙巻きたばこに背負わされた債務返済税である。税率は1000本につき820円で、集めた税収は国債整理基金特別会計に組み入れられる。

たばこと塩の博物館

店・文化

たばことしおのはくぶつかんTobacco and Salt Museum

1978年、日本専売公社がたばこ製造販売70周年を記念して東京・渋谷に開設した企業博物館で、たばこと塩(いずれもかつて専売品だった品目)に関する資料の収集・調査研究を担ってきたとされる。渋谷での閉館を経て、2015年にJTの敷地内(墨田区)で改装再開館し、江戸期から現代までの喫煙文化や専売の歴史を伝える常設展示を続けている。

たばこの長さ規格(レギュラー/キングサイズ/ロングサイズ)

器具

たばこのながさきかくCigarette Length Specifications

紙巻きたばこの全長を示す規格で、短いものはレギュラーサイズ、長いものはキングサイズ・ロングサイズ・スーパーロングサイズなどに分類されます。銘柄による差はありますが、全体としては65mm程度の短いものから100mm前後の長いものまで幅があり、1960年発売のハイライトは日本初のロングサイズ(80mm)銘柄として知られています。

たばこパッケージへの販促物同梱禁止(インサート規制)

規制・制度

たばこぱっけーじへのはんそくぶつどうこんきんし(いんさーときせい)Ban on promotional inserts/onserts in tobacco packaging

パッケージの内外にクーポンや割引案内、魅力を高めるデザイン要素などの販促物を同梱・添付することを禁じる規制。EUのたばこ製品指令は誤解を招く表示や販促的要素そのものをパッケージから排除する方向を明確にしており、プレーンパッケージ政策と組み合わせて「箱自体が広告媒体にならない」ようにする狙いがあるとされる。

たばこ不法取引排除議定書

規制・制度

たばこふほうとりひきはいじょぎていしょProtocol to Eliminate Illicit Trade in Tobacco Products

たばこ規制枠組み条約(FCTC)に基づく初の法的拘束力を持つ議定書で、2012年に採択、2018年9月に発効した。密輸や偽造たばこの流通を防ぐため、製造設備・原料の供給網管理や、紙巻きたばこは発効後5年以内に追跡・トレース制度を整備することなどを締約国に求めているとされる。安価な不法たばこの流通は税収減だけでなく喫煙率の押し下げ効果を損なうとの懸念が背景にあるといわれる。

たばこ包装の最少収容数規制(スモールパック禁止)

規制・制度

たばこほうそうのさいしょうしゅうようすうきせい(すもーるぱっくきんし)Minimum cigarette pack size requirement

1箱あたりの紙巻きたばこ本数に下限を設け、安価で手を出しやすい小容量パックの流通を制限する規制。EUのたばこ製品指令は小型パッケージの流通そのものを禁じており、英国も2017年の規則改正で10本入りなど20本未満のパックを市場から排除している。若年層が喫煙を始めるハードルを上げる狙いがあるとされ、同様の規制を持つ国は他にも見られる。

WTOたばこプレーンパッケージ紛争裁定

規制・制度

だぶりゅうてぃいおうたばこぷれえんぱっけえじふんそうさいていWTO Australia – Tobacco Plain Packaging dispute ruling

オーストラリアが2011年に導入したプレーンパッケージ法をめぐり、ホンジュラスやドミニカ共和国などがWTOへ提訴した紛争。2018年のパネル裁定に続き、2020年6月にはWTO上級委員会もTRIPS協定・TBT協定違反を認めず、原告側の訴えを退けた。公衆衛生を理由とするパッケージ規制が国際貿易ルール上も許容されることを示した判断として、各国の追随立法を後押ししたと評価されている。

WHOたばこ製品試験研究所ネットワーク

規制・制度

だぶりゅえいちおうたばこせいひんしけんけんきゅうしょねっとわあくWHO Tobacco Laboratory Network (TobLabNet)

WHOがたばこ規制枠組み条約(FCTC)第9条・第10条の実施を支援するために設けた、たばこ業界から独立した政府・学術・研究機関の国際的な検査機関ネットワークである。ニコチン・アンモニア・保湿剤や、タール・一酸化炭素・多環芳香族炭化水素などの成分・排出物を測る標準作業手順(SOP)を策定し、加盟国の検査能力強化を支援しているとされる。近年は無煙たばこや電子ニコチン配送製品(ENDS)の規制に向けた検討にも活動範囲を広げているといわれる。

チップペーパー

器具

ちっぷぺえぱあTipping Paper

フィルター部分を覆う、巻紙とは区別される専用の紙です。表面に小さな穴を開けて吸い込む際に混ざる外気の量を調節する銘柄が多く、公的な測定条件下でのタール・ニコチンの表示数値を軽減する役割も担っています。

チャコールフィルター

器具

ちゃこおるふぃるたあCharcoal Filter

アセテートの層に活性炭(チャコール)の粒を練り込んだ二層構造のたばこフィルターです。活性炭が煙に含まれる成分の一部を吸着することでたばこ特有の雑味やクセを抑え、香料由来のマイルドな香りが引き立つ吸い心地になるとされています。メンソール系銘柄などで多く採用されています。

注意文言(たばこ健康警告表示)

規制・制度

ちゅういぶんげんHealth Warning Label (Tobacco Package)

たばこパッケージへの表示が義務づけられている、喫煙のリスクを伝える文言表示制度です。日本では2020年4月の制度改正で表示面積が従来の30%から50%以上に拡大され、パッケージ表面には受動喫煙に関する文言、裏面には未成年喫煙禁止や喫煙者本人への健康影響に関する文言が記載されます。世界的に主流になりつつある写真・イラスト付き警告は日本では未導入で、文言表示のみにとどまっている点が課題として指摘されています。

陳列規制(ディスプレイバン)

規制・制度

ちんれつきせいPoint-of-Sale Display Ban / Tobacco Display Ban

小売店の棚や自動販売機でたばこ製品を客の目に触れる形で置くことを禁じ、購入希望者に対してのみカウンター下や専用キャビネットから取り出させる規制。2001年のアイスランドを皮切りに、カナダ・英国・ノルウェー・ニュージーランド・シンガポールなど多くの国・地域で採用された。衝動買いや若年層への訴求力低下が狙いとされる一方、小規模小売店の負担増や密輸拡大との関連を疑問視する反論も存在する。

低延焼性たばこ(低延焼性紙)

規制・制度

ていえんしょうせいたばこFire-Safe (Reduced Ignition Propensity) Cigarette

巻紙に酸素の供給を抑える帯を数か所組み込み、火がついたまま放置されても自然に消えるよう改良したたばこです。アメリカ・カナダ・オーストラリア・EUなどではすでに義務化されていますが、日本では2024年3月時点でまだ義務化されておらず、消防機関とたばこ業界が連携して効果検証や注意喚起を続ける方針が示されています。

低温加熱方式

炭・熱管理

ていおんかねつほうしきLow-Temperature (Convection) Heating

たばこスティックを外側から包み込むように加熱し、ブレードを直接挿入しない方式です。gloなどで採用されており、ブレードを差し込む高温加熱方式より低い200℃台の温度で加熱する点が特徴です。

敵性語によるたばこ銘柄改称

店・文化

てきせいごによるたばこめいがらかいしょうWartime renaming of cigarette brands (anti-English sentiment)

1940年前後、英語を敵性語とする風潮の中で、大蔵省専売局が「ゴールデンバット」を「金鵄」に、「チェリー」を「桜」に改称するなど、たばこ銘柄の言い換えを進めたとされる出来事を指す。意匠や色使いは概ね踏襲しつつ英字表記を漢字に置き換えるという、戦時色を反映した専売政策の一断面として紹介されることが多い。

デュアルカプセルフィルター(2連カプセル)

器具

でゅあるかぷせるふぃるたあ・にれんかぷせるDual Capsule Filter (Twin Capsule)

フィルター内に香味成分入りのカプセルを2つ仕込んだ構造で、単一カプセルのメンソールカプセルをさらに発展させた設計とされる。一方だけを割る、両方を割る、あるいはどちらも割らないといった選び方ができ、消費者ごとに香りの強さを変えられる点が特徴とされる。2000年代後半以降、メンソール系銘柄を中心に世界各地で採用が広がったといわれ、日本も主要市場のひとつに数えられている。

デュアルフィルター

器具

でゅあるふぃるたあDual Filter

圧力損失や多孔度など設計の異なる2つのセグメントを組み合わせたたばこフィルターの構造で、一方に活性炭を含む場合もあるとされる。単一素材のモノフィルターに比べ喫味や吸い応えを細かく調整できるとされ、香料カプセルと活性炭セグメントを両立させる設計にも応用されているという。世界的にはモノフィルターが主流とされる中、差別化を狙う銘柄で採用が広がっているとされる。

天狗煙草

店・文化

てんぐたばこTengu Tobacco

実業家・岩谷松平が1884年ごろに売り出した口付き紙巻きたばこで、店舗や馬車を朱に染め上げる派手な広告戦略と「天狗」のシンボルを用いたことで知られる。ライバルの村井兄弟商会との過熱した広告合戦は、1904年のたばこ専売法施行によって両社が姿を消すまで続いたと伝えられ、専売制度誕生前夜の民間たばこ産業を象徴する逸話として語り継がれている。

電子タバコと加熱式たばこの違い

炭・熱管理

でんしたばことかねつしきたばこのちがいE-Cigarette vs. Heated Tobacco

どちらも燃焼を伴わず蒸気を吸う点は共通していますが、加熱式たばこは乾燥させた葉たばこ自体を加熱してニコチンを含む蒸気を発生させる製品で、たばこ事業法上のたばこ製品として扱われます。一方、電子タバコ(VAPE)はリキッドを加熱して蒸気を作る製品で、国内で流通する製品の多くはニコチンを含まない仕様となっています。

特徴的風味規制条項(2009年米国たばこ規制法)

規制・制度

とくちょうてきふうみきせいじょうこう にせんきゅうねんべいこくたばこきせいほうCharacterizing Flavor Ban (Family Smoking Prevention and Tobacco Control Act, 2009)

2009年成立の米国・家族喫煙防止およびたばこ規制法(FSPTCA)が設けた条項で、クローブ・シナモン・キャンディー・フルーツなど「特徴的な風味」を持つ紙巻きたばこの製造・販売を原則禁止した。ただしメンソールとたばこ本来の風味は適用除外とされ、この線引きは後年まで続く規制論争の発端になったとも言われる。FDAに製品規制権限を初めて与えた同法の中でも、フレーバー規制の起点として位置づけられる。

特定販売業(たばこ輸入卸売の登録制度)

規制・制度

とくていはんばいぎょう(たばこゆにゅうおろしうりのとうろくせいど)Specified Wholesale Business (Tobacco Import Wholesale Registration)

たばこ事業法に基づき、自ら輸入した製造たばこを販売する事業者に義務付けられる財務大臣への登録制度です。小売販売業が「許可制」であるのに対し、特定販売業(輸入卸売に相当)は「登録制」を採用しており、同法違反による罰金刑や登録取消しから一定期間内の者などは登録を拒否されます。輸入たばこの流通ルートを国が把握するための仕組みとして機能しています。

ドラブダークブラウン(プレーンパッケージ指定色)

規制・制度

どらぶだーくぶらうん(ぷれーんぱっけーじしていしょく)Drab Dark Brown (Pantone 448C)

プレーンパッケージ導入国の多くが指定する、くすんだ茶色そのものを指す言葉。豪州政府の調査で「若年層に最も魅力的に見えない色」として選ばれたのはPantone 448Cのオリーブ系グリーンだったが、命名にオリーブ生産者団体が反発し「ドラブダークブラウン」と呼び名を変えて採用されたという経緯が伝えられている。英国・カナダ・ニュージーランドなども類似の茶系色を指定しており、色そのものが規制の道具として扱われた珍しい例とされる。

トリアセチン(フィルター用可塑剤)

器具

とりあせちん・ふぃるたあようかそざいTriacetin (Filter Plasticizer)

セルロースアセテートトウをフィルターロッドへと固める際に加えられる可塑剤で、繊維表面をわずかに溶かして接点同士を融着させる働きをするとされる。加熱工程を経ずに繊維束を硬化できる点が利点とされ、フェノールなど煙成分の一部を吸着する副次的な効果も報告されている。一般に重量比で数%程度がトウに付与されるとされるが、時間とともに繊維内部へ拡散し表面での作用が弱まる面もあるという。

トリプルフィルター

器具

とりぷるふぃるたあTriple Filter

活性炭の層を前後からプレーンフィルターで挟み込んだ3層構造のフィルターで、かつて「キャビン」や「ラーク」など一部銘柄で採用されていたとされる。両端のプレーン部分が唇に触れる仕上がりを担い、内部の活性炭がさらなる吸着効果を加える設計と説明される。同種の3セグメント構造は海外の特許文献でも報告されており、活性炭を挟み込む配置自体は各社で応用されてきたとみられる。

な行4語

ニコチン依存度スコア(ファーガストロームテスト、FTND)

規制・制度

にこちんいぞんどすこあ(ふぁーがすとろーむてすと、えふてぃーえぬでぃー)Fagerström Test for Nicotine Dependence (FTND)

喫煙者のニコチン依存の重症度を評価するために広く使われる質問票です。1991年にヘザートンらが、開発者カール・ファーガストロームの旧版質問票を改訂して発表しました。起床後最初の一本を吸うまでの時間や1日の喫煙本数など少数の設問から構成され、コチニンなどの生化学的指標との相関を高めた点が特徴で、禁煙外来などで依存度の把握に用いられます。

日本専売公社

店・文化

にほんせんばいこうしゃJapan Tobacco and Salt Public Corporation

1949年6月、大蔵省専売局が独立する形で発足した特殊法人で、たばこ・塩・樟脳の専売業務を独占的に担っていた。約81年続いた専売制度の後半を担う組織として、配給制の廃止や新銘柄の発売などを通じ戦後のたばこ需要を支えたとされる。1985年4月、専売改革関連法の成立を受けて解散し、民間企業である日本たばこ産業株式会社(JT)に移行した。

日本たばこ産業(JT)

店・文化

にほんたばこさんぎょうJapan Tobacco Inc. (JT)

1985年に日本専売公社の事業を引き継いで発足した特殊会社で、たばこ事業では国内シェア約6割を占めます。日本たばこ産業株式会社法により財務省が発行済株式の一部を保有する仕組みが定められており、たばこのほか医薬品や加工食品の事業も手がけています。

日本たばこ産業株式会社法

規制・制度

にほんたばこさんぎょうかぶしきがいしゃほうJapan Tobacco Inc. Act

1985年のJT発足にあわせて制定された特別法で、政府が発行済株式の一定割合を保有し続けることを義務づけている。設立当初は3分の2以上、2002年に2分の1以上、2011年以降は現行の3分の1超へと段階的に引き下げられてきた。3分の1超という水準は株主総会の特別決議に対する拒否権を意味し、上場企業でありながら国の関与が制度的に残る点が、JTの民営化を「完全」とは呼びにくくしている一因ともいわれる。

は行25語

バージニア種(葉たばこ)

フレーバー

ばあじにあしゅVirginia Leaf (Flue-Cured Tobacco)

熱風で乾燥させる「フルーキュアド」製法で仕上げる葉たばこの代表品種です。糖分を多く含み、華やかな香りとしっとりとした甘さを持つとされ、JTのピースブランドは1946年の発売以来バージニア葉にこだわった銘柄として知られています。

バーレー種

フレーバー

ばーれーしゅBurley tobacco

葉肉が薄く乾燥後は褐色になる、air-cured(通気乾燥)の葉たばこ種。1864年に米国オハイオ州で白い変種として発見されたのが起源とされ、糖分がほとんど残らないため甘味料やフレーバーで調香されることが多い。アメリカンブレンドではバージニア種と並ぶ主要原料で、コクや香ばしさを担う存在とされる。

秦野の葉たばこ

店・文化

はだののはたばこHadano leaf tobacco

神奈川県秦野盆地は江戸後期から葉たばこの一大産地として知られ、1899年には「秦野葉たばこ専売所」(後の日本専売公社秦野支局)が置かれるなど、専売制度下でも重要な産地に位置づけられたとされる。輸送のため1906年に開業した湘南軌道も葉たばこ輸送を主目的にしたと伝えられ、戦後は落花生栽培への転換が進むまで地域経済を支えたとみられている。

葉たばこ審議会

店・文化

はたばこしんぎかいLeaf Tobacco Council

JT代表者の諮問を受け、国内産葉たばこの生産や買入れに関する重要事項を調査審議する会議体。委員は耕作者代表と学識経験者のなかから財務大臣の認可を経て委嘱され、毎年の耕作面積目標と葉たばこの買入価格を答申する。専売公社時代に国が決めていた収納価格の仕組みを、民営化後も形を変えて引き継いだ、耕作組合とJTの利害調整の場である。

葉たばこ全量買取制度

規制・制度

はたばこぜんりょうかいとりせいどAll-quantity purchase system for domestic leaf tobacco

国内の葉たばこ農家はJTと契約栽培を結び、原料として使用できないものを除いて収穫した葉たばこの全量をJTが買い取る義務を負うとされる。専売公社時代から続く仕組みで、栽培そのものは自由化されている一方、製造たばこの原料としての流通はJTが一手に担う体制が今も維持されているという。国内葉たばこ農家の経営安定と、専売由来の生産統制の名残を伝える制度といえる。

ピースとレイモンド・ローウィ

店・文化

ぴーすとれいもんどろーうぃPeace cigarette package by Raymond Loewy

1946年に大蔵省専売局が発売した「ピース」は、資料により1951年とも1952年とも伝えられる時期に、米国の工業デザイナー、レイモンド・ローウィが手掛けたパッケージへと刷新されたことで知られる。当時としては破格とされたデザイン料が話題を呼ぶとともに販売数が大きく伸びたと伝えられ、専売公社時代のたばこがデザインの力で存在感を高めた象徴的な逸話として語られることが多い。

100ミリ規格(スーパーキングサイズ)

品種・分類

ひゃくミリきかく(すーぱーきんぐさいず)100mm Cigarette Length (Super King Size / 100's)

紙巻きたばこの長さ規格の一つで、100ミリメートル前後のものを指します。分類上はキングサイズ(85mm前後)よりさらに長い区分で、日本語では「スーパーキングサイズ」、欧米では「100's」と表記されるのが一般的です。フィルター部分を長く取ることで喫味を調整する狙いがあり、レギュラーやキングサイズと並ぶ代表的な長さのバリエーションの一つとされます。

標準参照たばこ(3R4F/1R6F)

器具

ひょうじゅんさんしょうたばこReference Cigarette (3R4F / 1R6F)

ケンタッキー大学が製造・管理する、成分や製法を一定に保った研究用の標準たばこである。市販銘柄ではなく、世界各国の研究機関がISO測定法やHCI(Health Canada Intense)測定法などで喫煙機の校正や測定結果の相互比較を行うための基準物質として用いられているとされる。長らく使われた3R4Fの原料調達が難しくなったことから、後継として1R6Fへの移行が進められているといわれる。

ファイアキュアド

フレーバー

ふぁいあきゅあどFire-cured tobacco

収穫した葉を大きな納屋に吊るし、下で焚いた広葉樹の薪の煙と熱に数日から十週間ほどさらして仕上げる乾燥法、およびその葉を指す。フルーキュアドやエアキュアドと違って直接煙にさらすため糖分は少なく、燻香とニコチン感が強い濃色の葉になるとされる。主に嗅ぎたばこや噛みたばこ、パイプ用の香り付け葉として使われてきた乾燥法で、紙巻きたばこの主原料になることはまれだが、ごく一部のブレンドに少量の香り付け葉として使われるとする資料がある一方、紙巻きたばこ用途からは外れるとする記述もあり、位置づけは資料により幅がある。

フィリップモリス対ウルグアイ仲裁事件

規制・制度

ふぃりっぷもりすたいうるぐあいちゅうさいじけんPhilip Morris v. Uruguay (ICSID Case No. ARB/10/7)

パッケージ表面の80%を警告表示に充てる義務や、同一銘柄内で複数の見た目違いの製品を売ることを禁じる規制を導入したウルグアイに対し、フィリップモリスがスイス・ウルグアイ間の投資協定を根拠に投資仲裁(ICSID)を申し立てた事件。2016年7月8日の裁定でウルグアイ側が全面勝訴し、同社には訴訟費用約700万ドルの支払いが命じられた。審理にはWHOやFCTC事務局も第三者意見を提出しており、警告表示・包装規制の正当性を巡る代表的な国際判例として引用される。

フィリップモリス対オーストラリア投資協定仲裁

規制・制度

ふぃりっぷもりすたいおーすとらりあとうししきょうていちゅうさいPhilip Morris Asia Limited v. The Commonwealth of Australia (PCA Case No. 2012-12)

オーストラリアが2011年に成立させたプレーンパッケージ法(Tobacco Plain Packaging Act 2011)を巡り、フィリップモリス・アジアが香港・オーストラリア間の投資協定を根拠に常設仲裁裁判所(PCA)へ申し立てた事件。2015年12月17日の裁定で、法改正を見越した香港法人への事業再編は「権利濫用」に当たるとして仲裁廷は請求そのものを退け、本案審理には至らなかった。プレーンパッケージのような包装規制に対し、たばこ会社が投資家対国家紛争解決(ISDS)を用いて対抗した代表事例とされる。

フィルター通気孔(ベンチレーション)

器具

ふぃるたあつうきこう・べんちれえしょんFilter Ventilation Holes

フィルター周辺のチップペーパーに開けられた微細な穴の総称です。喫煙時にここから外気が煙に混ざることで、財務大臣が定める測定方法によるタール・ニコチンの表示数値が低くなるよう調整されています。

フィルター付きたばこの歴史

店・文化

ふぃるたあつきたばこのれきしHistory of the Filter Cigarette

工業的なフィルターは1920年頃にクレープ紙を棒状に束ねる形でスイスで商品化され、1929年発売のデュ・モリエが世界初の量産フィルター付きたばことされています。日本では1957年発売のホープがフィルター付き第一号となり、1960年発売のハイライトの人気により本格的なフィルター時代が始まりました。

複合健康警告表示(EU、65%ルール)

規制・制度

ふくごうけんこうけいこくひょうじ いいゆう ろくじゅうごぱあせんとるうるCombined (picture + text) health warning, EU TPD Article 10

EUたばこ製品指令第10条が定める、写真と文言を組み合わせた「複合警告表示」の規格。紙巻きたばこパッケージの表裏それぞれ65%を占め、禁煙相談の連絡先情報も併記することが義務づけられている。警告の組み合わせは年ごとにローテーションされ、特定の警告だけが偏って使われないよう配分されるほか、円筒形パッケージなど特殊形状への適用細則まで定めている点は、単なる面積比率の規定以上に踏み込んだ設計といえる。

プラグラップ(フィルター巻紙)

器具

ぷらぐらっぷ・ふぃるたあまきがみPlug Wrap

フィルターロッドの外周を包み、円柱形を保ったままチップペーパーで巻紙側に接続するための専用紙である。通気性の高いプラグラップは通気孔付きフィルターの製造に用いられるとされ、繊維配合(シサル麻やユーカリパルプなど)によって強度と多孔性が調整される。コーティングを施すことで香料成分がフィルターを通り抜けて外へ漏れるのを抑えたり、余分な空気の流入による煙の希釈を防いだりする役割も担うという。

フルーキュアド

フレーバー

ふるーきゅあーどFlue-cured tobacco

密閉した乾燥小屋(バーン)の壁に沿わせた金属パイプ(フルー)を通じ、間接的な熱風で葉を乾かす製法。煙に直接触れないため糖分が保持され、明るい黄色〜オレンジ色の「ブライトリーフ」になるとされる。バージニア種はこの製法で仕上げられることが多く、両者はしばしば同一視されるが、フルーキュアドはあくまで乾燥方法を指す語である点には注意したい。

プレーンパッケージ(標準化パッケージ)

規制・制度

ぷれえんぱっけえじ・ひょうじゅんかぱっけえじPlain (Standardized) Packaging

ブランドロゴや装飾的なデザインを排し、警告表示を大きく掲載した統一デザインのたばこパッケージ規制です。オーストラリアが2012年に世界で初めて義務化し、その後カナダやフランスなど複数の国・地域に広がっていますが、たばこ規制枠組条約(FCTC)を批准する日本ではまだ導入されていません。

分煙

店・文化

ぶんえんSeparation of Smoking and Non-Smoking Areas

受動喫煙を防ぐため、喫煙できる空間や時間を非喫煙者から分ける取り組みの総称です。壁や換気設備で区画する「空間分煙」と時間帯で喫煙可否を分ける「時間分煙」があり、日本では1980年代の嫌煙権運動を経て広まり、2003年施行の健康増進法で法的な位置づけを得ました。

米国たばこグラフィック警告訴訟(2011年差止と2020年規則)

規制・制度

べいこくたばこぐらふぃっくけいこくそしょう(にせんじゅういちねんさしとめとにせんにじゅうねんきそく)US cigarette graphic warning litigation

米国でグラフィック警告表示をめぐり続いてきた法廷闘争を指す言い方。2009年法に基づきFDAが2011年に発表した写真入り警告9種は、たばこ会社側から「憲法修正第1条(表現の自由)侵害」と提訴され、一度は連邦地裁が差し止めた末に最高裁が上告を退けている。その後FDAは2020年、がんや勃起不全などを描く写実的画像を伴う新警告11種を義務づける規則を発表したが、こちらも訴訟によりたびたび効力が停止されており、決着はついていないとされる。

米国たばこ製品事前販売許可申請(PMTA)

規制・制度

べいこくたばこせいひんじぜんはんばいきょかしんせいPremarket Tobacco Product Application (PMTA)

米国で2009年の家族喫煙防止・たばこ規制法に基づき整備された、新しいたばこ製品を市場に出す前にFDAの認可を得るための審査経路の一つである。申請者は当該製品が「公衆衛生の保護に資する」ことを科学的データで示す必要があり、既存喫煙者の禁煙行動や非喫煙者の使用開始への影響も評価対象になるとされる。紙巻きたばこを含む新製品の販売経路には、このPMTAのほか既存製品との実質的同等性を示す簡易な手続きも用意されている。

米国メンソール紙巻きたばこ製品基準案

規制・制度

べいこくめんそおるかみまきたばこせいひんきじゅんあんFDA Menthol Cigarette Product Standard

米国食品医薬品局(FDA)が2022年に提案した、紙巻きたばこにメンソールを香料として使用することを禁じる製品基準である。2009年の家族喫煙予防・たばこ規制法によってメンソール以外の香料入り紙巻きたばこはすでに禁止されていたが、この案はメンソール自体にも対象を広げるものだとされる。青少年の喫煙開始防止と禁煙促進が主な狙いとされ、個人消費者の所持・使用は取り締まりの対象としないとFDAは説明している。

米国連邦シガレット表示広告法(1965年)

規制・制度

べいこくれんぽうしがれっとひょうじこうこくほう(せんきゅうひゃくろくじゅうごねん)Federal Cigarette Labeling and Advertising Act (1965)

1965年に米国で成立した、紙巻きたばこパッケージへの健康警告表示を世界で初めて義務づけた法律とされる。当初の文言は「注意:喫煙は健康に有害である可能性があります」という穏やかな一文にとどまったが、1969年法・1984年法・2009年法と改正が重ねられるたびに警告の強制力と表示面積は段階的に拡大していった。各国の警告表示制度の起点として引き合いに出されることが多い法律である。

ペリーク

フレーバー

ぺりいくPerique

米ルイジアナ州セントジェームズ郡だけで作られてきた葉たばこで、収穫後にトルケットと呼ばれる束にまとめ、樽の中で重石をかけて一年ほど発酵させる特殊な製法を持つ。仕上がりは黒に近い褐色で、ワインや果実を思わせる強い香りと刺激が特徴とされ、単体で吸うには濃すぎるため少量をブレンド用アクセントとして使うのが一般的。米国の一部の紙巻きたばこ(ナチュラル・アメリカン・スピリット系など)にもごく少量配合された例が知られるが、担い手は近年ごくわずかしか残っていないとも報じられている。

膨化ステム(膨化したたばこ茎)

吸い方・技術

ぼうかすてむ・ぼうかしたたばこくきExpanded Tobacco Stem

本来は充填力の低い副産物であるたばこの茎を、圧延・調湿したのち液化炭酸ガスに浸して氷結させ、熱風で一気に気化させることで組織を膨張させる加工技術である。バーレー種の茎で特に効果が高いとされ、充填力が5割以上増すとの報告もある。蒸気を使う手法など類似の膨張処理は葉たばこにも用いられてきたとされ、廃棄されがちな茎を製品原料として活用しコストを抑える狙いがあるという。

膨化たばこ

吸い方・技術

ぼうかたばこExpanded Tobacco (DIET)

液化炭酸ガスなどをたばこ葉の細胞組織に浸透させ、圧力差によって葉を膨張させる加工技術である。代表的なDIET(Dry Ice Expanded Tobacco)法では体積が2倍以上に膨らみ、同じ重量でより多くの本数を製造できるためコスト削減につながるとされる。タール量の抑制や味わいの均一化にも寄与するとされ、現在では紙巻きたばこの2〜3割程度に配合されることもあるといわれる。

ま行9語

巻紙(シガレットペーパー)

器具

まきがみ・しがれっとぺえぱあCigarette Paper

刻んだたばこ葉を筒状に包む、紙巻きたばこ本体の外側の紙です。主原料は麻やパルプで、紙自体が燃える際の臭いを抑えつつ燃焼速度を一定に保つ目的で、炭酸カルシウムなどが添加されています。

巻紙の炭酸カルシウム充填剤

器具

まきがみのたんさんかるしうむじゅうてんざいCalcium Carbonate Filler (Cigarette Paper)

巻紙(シガレットペーパー)に混ぜ込まれる白色の無機フィラーで、灰の白さや粒同士のまとまりやすさを調整する目的で使われるとされる。粒子径がおおむね0.2〜0.4マイクロメートル程度、紙の重量比でおよそ2〜4割ほど配合されると燃焼後の灰がより白くまとまりやすくなるとの報告があり、焼成粘土など他のフィラーと組み合わせて燃焼特性や透明感も同時に調整する場合もあるという。

巻紙の通気度(ポロシティ)

器具

まきがみのつうきど・ぽろしてぃCigarette Paper Porosity (Permeability)

巻紙そのものが持つ空気の通しやすさを示す指標で、フィルターの通気孔とは別に、紙の繊維構造そのものが酸素の出入りを左右するとされる。通気度が高いほど酸素供給が増え燃焼速度やドロー(吸い込み抵抗)に影響するとされ、帯状に通気度を変える設計が低延焼性たばこの自己消火性能にも応用されているという。素材配合やフィラーの粒径調整によって、銘柄ごとに細かく作り分けられているとされる。

無添加たばこ

フレーバー

むてんかたばこAdditive-Free Cigarette

香料や保湿剤などの添加物を加えず、たばこ葉のみで製造された紙巻きたばこです。「ナチュラル・アメリカン・スピリット」が代表的な銘柄として知られますが、無添加であってもニコチンやタールは通常の紙巻きたばこと同様に含まれており、添加物がないことが健康リスクの低さを意味するわけではないと指摘されています。

村井兄弟商会

店・文化

むらいきょうだいしょうかいMurai Brothers Company

「たばこ王」と称された村井吉兵衛が興した製造会社で、日本初とされる両切り紙巻きたばこ「サンライス」(1890年前後、資料により1891年とも)や、ボンサック式巻き上げ機を用いて量産した「ヒーロー」(1894年)を世に送り出し、岩谷松平の天狗煙草と激しいシェア争いを演じたと伝えられる。1904年のたばこ専売法施行で会社は解散したが、村井は得た補償金を元手に村井銀行などを興し財閥を形成していったとされる。

免税たばこ携帯品枠

規制・制度

めんぜいたばこけいたいひんわくDuty-Free Tobacco Personal Allowance

海外旅行から帰国する際に関税が免除される携帯品たばこの数量枠。2021年10月の制度改定で、紙巻きたばこは200本から400本、加熱式たばこは個装等10個から20個、葉巻は50本から100本へとそれぞれ倍増された。複数種類のたばこを組み合わせて持ち込む場合は換算・按分計算が必要で、単純合算すると免税枠を超えてしまう点に注意が要る。

メンソールカプセル(クラッシュボールフィルター)

器具

めんそおるかぷせる・くらっしゅぼおるふぃるたあMenthol Capsule (Crush Ball Filter)

フィルター内部にメンソール成分などを含む液体を封じ込めた小さな球状カプセルを仕込んだ構造です。喫煙前に指先でフィルターをつぶしてカプセルを割ることで、吸い口から強いメンソールの清涼感を追加できます。

メンソールたばこ

フレーバー

めんそおるたばこMenthol Cigarette

たばこ葉にメンソール成分を加え、吸ったときにスースーとした清涼感を持たせた紙巻きたばこです。フィルター内に薄荷成分入りのカプセルを仕込み、指でつぶすことで香りの強さを変えられる「カプセルタバコ」も広く流通しています。

モディファイドリスクたばこ製品(MRTP)認可

規制・制度

もでぃふぁいどりすくたばこせいひんにんかModified Risk Tobacco Product (MRTP) Order

米国FDAが連邦食品・医薬品・化粧品法第911条に基づき、健康リスクや有害物質への曝露が低減されると主張する広告表示を製品ごとに許可する制度である。製品自体が安全だと主張する「リスク低減」と、有害物質への曝露が減ると主張する「曝露低減」の2種類の枠組みがあるとされ、2021年には低ニコチン紙巻きたばこが曝露低減MRTPとして初めて認可された例が知られている。ただし認可はあくまで表示上の主張に対するもので、製品自体の安全性を保証するものではないとされる。

や行1語

有害・潜在的有害成分リスト(HPHCs)

規制・制度

ゆうがい・せんざいてきゆうがいせいぶんりすと えいちぴいえいちしいえすHarmful and Potentially Harmful Constituents (HPHCs)

米国FDAが連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C Act)第904条に基づき指定する、たばこ製品や煙に含まれる健康被害物質の公式リスト。2012年に93物質で始まり、その後の追加でがん・心血管疾患・呼吸器影響・生殖毒性・依存性の5分野にわたり100を超える化合物が並ぶ。メーカーは自社製品ごとの含有量報告が義務づけられており、タール・ニコチン値の単純表示とは別軸の情報開示制度として理解しておきたい。

ら行6語

ライト・マイルド表示規制

規制・制度

らいとまいるどひょうじきせいLight/Mild/Low Descriptor Ban

「ライト」「マイルド」「低タール」など、健康リスクが低いかのような誤解を与えかねない呼称の使用を禁じる規制。米国では2010年施行のFamily Smoking Prevention and Tobacco Control ActによりFDAが承認するModified Risk Tobacco Product指定なしでの表示を禁止した。ライト系銘柄に切り替えても発がんリスクなどが実際には下がらないことが根拠とされ、規制後もパッケージ色や意匠で同様の印象を与える手法が続いているとの指摘もある。

リキッド加熱方式(ハイブリッド式)

炭・熱管理

りきっどかねつほうしき・はいぶりっどしきLiquid-Heating (Hybrid) Method

たばこ葉ではなく専用リキッドを250〜290℃程度に加熱して蒸気を発生させ、その蒸気がたばこ葉を詰めたカプセルを通過する際に香味やニコチンを受け取る仕組みです。Ploom TECHなどで採用されており、たばこ葉そのものはほとんど加熱されない点が高温加熱方式・低温加熱方式との大きな違いです。

リセスドフィルター

器具

りせすどふぃるたあRecessed Filter

吸い口に近い部分の内部を中空構造にしたたばこフィルターです。空洞部分を通ることで煙の温度がやや下がるとされ、チャコールフィルターなど他の構造と組み合わせて使われることもあります。

リトルシガー

規制・制度

りとるしがあLittle Cigar

紙巻きたばこに似た細い形状をした葉巻たばこです。日本のたばこ税法上は紙巻きたばこではなく葉巻たばことして分類されており、以前は紙巻きたばこより税負担が軽く価格を抑えられる商品として広まりましたが、その後のたばこ税制改正で両者の税負担差は縮小しています。

両切りたばこ

店・文化

りょうぎりたばこUnfiltered ("Both-Ends-Cut") Cigarette

巻紙の両端を切りそろえただけで作られる、フィルターの付いていない紙巻きたばこです。「ゴールデンバット」「しんせい」などの銘柄が知られてきましたが、原料事情や需要の変化を背景に、近年はこうした伝統的な銘柄でもフィルター付きへの切り替えが進んでいます。

ロールユアオウン(手巻きたばこ、RYO)

品種・分類

ろーるゆああうん(てまきたばこ)Roll-Your-Own (RYO) Tobacco

刻んだ巻きたばこ用の葉たばこと巻紙を使い、喫煙者自身が一本ずつ巻いて作る紙巻きたばこの総称です。米国の連邦規則(27 CFR)では、外観や包装、表示から見て消費者がたばこを巻くために購入・使用すると考えられるものと定義され、工場生産のたばことは異なる税率が適用されます。英国では喫煙者の28%以上がRYOを利用するとされるなど、国によって普及率に大きな差があります。