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標本カード
ビドリ(ビドリウェア)を象った簡易イラスト
ライセンス: 自作(シーシャデックスオリジナル)出典: シーシャデックス

ビドリ

びどりBidriware

器具シーシャ本館標本番号: bidori-ware
定義

ビドリは、インドのデカン地方で作られる金属工芸です。亜鉛を主にした合金を鋳造し、銀や真鍮を埋め込んで模様を出します。最後に塩分を含む泥の薬で地を黒くします。水パイプのベースは、初期の代表的な品のひとつです。

黒い地に銀が光る、インドの金属細工

ビドリ(Bidri、Bidriware)は、インドのデカン地方に伝わる金属工芸です。亜鉛を主にした合金で器を作り、表面に銀や真鍮を埋め込んで模様を出します。地は黒く、模様の銀が白く浮かびます。

水パイプのベース(水を入れる部分)も、この技法で作られました。シーシャの道具としては、フーカーのベースにあたります(ベース)。

どうやって作るの?

ヴィクトリア&アルバート博物館の解説では、素材は亜鉛が主の合金です。鉛、銅、錫がわずかに入ることもあります。Sahapediaは、亜鉛がおよそ9割と書いています。

模様は、鋳造した表面に彫り込みます。溝に銀、ときに真鍮を埋めて、表面を平らにそろえます。シート状のものを使う方法と、線を使う方法があります。銀の線を、格子状に傷をつけた面へ打ちつけて重ねる方法もあります。

最後に、塩分を含む泥のようなペーストを全体に塗ります。すると、合金の鈍い灰色が、つや消しの黒に変わります。象嵌した銀や真鍮の部分は、変わりません。V&Aは、この黒くなる化学反応の正確なところは、まだ突き止められていないと書いています。ペーストを落としたあとに、油でこすって仕上げます。

黒くするペーストには、塩化アンモニウムの仲間(Sahapediaではsal ammoniac)が入ります。Wikipediaは、ビダールの古い砦の土を塩化アンモニウムと水に混ぜて使うのが昔からのやり方だと書いています。この土の話は、Wikipediaだけの記述です。

名前の由来と、いつからあるのか

名前は、カルナータカ州のビダール(Bidar)という町から来ています。この技法が生まれた場所と考えられています。V&Aは、インド亜大陸にだけある技法だと説明しています。2006年には、地理的表示(産地を守る制度)に登録された、とWikipediaは書いています。

始まりの時期は、出典で食い違います。Wikipediaは14世紀、バフマニー朝の時代だとします。Sahapediaは、15世紀にペルシャからアジュメールを通ってデカンへ伝わったとする説を紹介しています。一方でV&Aは、残っている品は16世紀の終わりか17世紀のはじめのものだとします。Sahapediaも、17世紀の第2四半期より古い年代を付けられる品はほとんどない、と書いています。

ですから、古くからあるとは言えても、はっきりした年は決められません。

水パイプのベースとの関係

Sahapediaによると、初期のビドリには、水差し、盆、洗面器、キンマの箱、香炉などがあります。なかでも水パイプ(フッカ)のベースが、代表的な形だそうです。デカンのスルタンが後ろ盾になり、17世紀にデカンを征服したムガル帝国も、あとで後ろ盾になりました。注文で作る高級品が中心でした。

ニューヨークのメトロポリタン美術館には、水パイプのベースが収蔵されています。1つは17世紀後半の作で、亜鉛合金を鋳造して彫り、真鍮を埋め込んだものです。高さは17.5cm、直径は16.5cmです。もう1つは18世紀初めの作で、銀と真鍮を埋め込んであります。高さは21.9cm、直径は18.4cmです。どちらもデカンの作とされています。

今のビドリには、置物、盆、アクセサリーなど、水パイプ以外の品もあります。Wikipediaは、かつてはおもに水パイプやキンマ入れ、花瓶に使われたと書いています。Sahapediaは、ペンダントやバングルが大量に作られていると書いています。

よくある質問

ビドリの黒い色は、塗装ですか?

塗装ではありません。塩分を含む泥のペーストを塗ると、合金の表面が黒く変わります。V&Aは、その化学反応の正確なところはまだ突き止められていないと書いています。

ビドリは何でできていますか?

亜鉛が主の合金です。模様は銀や真鍮の象嵌です。

ビドリは、いつから作られていますか?

出典で食い違います。14世紀とする説明、15世紀に伝わったとする説、残る品は16世紀の終わり以降とする説明があります。

関連語は登録されていません。

採集記録(出典)

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