3行要約
- 米ジョージア州でブライアン・ケンプ知事(共和党)が5月に署名した医療用大麻プログラム拡充法が2026年7月1日に施行され、対象疾患にループス(全身性エリテマトーデス)を新たに追加したほか、既存の対象疾患の多くから「重篤または末期」という要件を撤廃した。
- 施行から間もなく登録患者数が急増し、6月初旬に約34,000人だった登録者数は施行後わずか数週間で41,400人を超え、直近では13%の伸びを記録している。
- ベイプ(気化)製品の使用が21歳以上に認められたことも患者の関心を集めた要因とされ(喫煙は引き続き全患者に禁止)、医療用大麻事業者は「7月1日は圧倒的に最も忙しい日だった」とコメントしている。
対象疾患を拡大、「重篤・末期」要件も撤廃
ジョージア州の医療用大麻プログラムは、がんやパーキンソン病、多発性硬化症、アルツハイマー病、ALS、自閉症スペクトラム障害、難治性疼痛など特定の疾患を持つ患者に利用が限定されてきた。2026年5月にケンプ知事が署名した拡充法は、対象疾患に新たにループスを加えたほか、既存の対象疾患の多くについて「重篤または末期」という従来の要件を撤廃し、より早い病期の患者でもプログラムに登録できるようにした。あわせて、THC保有上限が5%から12,000mgへと大幅に緩和され、ベイプ(気化)による摂取が21歳以上の患者に認められた。ただし喫煙は改正後も全患者に禁止されたままです。この改正法は2026年7月1日に正式に施行された。
施行直後から登録者が急増
施行の効果は数字にすぐ表れた。6月初旬時点で約34,000人だった登録患者数は、施行直後の7月初旬には36,703人に達し、そこからさらに数週間で41,400人を超えるまでに増加した。7月初旬から直近までの伸び率は13%、6月初旬からの累計では22%の増加となる。州内の医療用大麻事業者の経営者は「7月1日はこれまでで圧倒的に最も忙しい日だった」と述べており、ベイプによって即効性のある症状緩和が得られるようになったことが、患者の関心を強く引きつけたとみている。
対象要件の緩和が需要を掘り起こす好例
ジョージア州の事例は、医療用大麻プログラムの対象要件をどう設計するかが、実際の利用率に直結することを示す好例といえる。「重篤または末期」という要件は一見厳格な運用に見えるが、実際には多くの潜在的な利用者を制度から締め出していた可能性がある。要件緩和と対象疾患の拡大、製品形態の解禁という複数の施策が同時に効いたことで、施行1カ月足らずで登録者数が2割以上増えるという結果につながった。大麻由来成分の規制のあり方を巡る議論が続く日本においても、対象者の範囲や要件をどう定めるかが制度の実効性を左右するという点は、参考になる論点だろう。

