3行要約
- 厚生労働省の受動喫煙対策専門委員会は、加熱式たばこについて紙巻きたばこと同水準まで規制を強化することを見送る方針を固めました。健康影響に関する研究は今後も継続するとしています。
- 一方で、バーやスナックなど喫煙を主目的とする「喫煙目的施設」については、これまで届出義務も客観的な基準もなかった点が課題視されており、届出制を導入する方向で検討が進んでいます。
- 7月9日の専門委員会での議論を経て、7月16日前後に対応の大枠が固まったと複数の媒体が報じています。今回は規制強化そのものより、制度の「抜け穴」を塞ぐ方向の見直しが先行した形です。
加熱式たばこは「同水準規制」を見送り、研究は継続
厚生労働省の厚生科学審議会に設けられた受動喫煙対策専門委員会は、2026年7月9日に第7回会合を開き「受動喫煙対策について」を議題に議論しました。この会合に先立つ7月8日の報道では、加熱式たばこを紙巻きたばこと同水準まで規制強化する案が見送られる方向にあることが伝えられており、7月16日前後の報道では、喫煙場所の規制強化についても見送られる見通しであることが確認されています。加熱式たばこをめぐっては、紙巻きたばこに比べて有害化学物質の発生量は少ないとされる一方、受動喫煙のリスクが否定できないとの指摘が専門家から続けてきました。今回の方針では、規制を紙巻き並みに引き上げるのではなく、有害物質が人体に与える影響についての研究を続ける形に落ち着いています。
「喫煙目的施設」には届出制を検討
今回の見直しでもう一つの焦点となっているのが、バーやスナック、シガーバーなど喫煙を主たる目的とする施設に認められている「喫煙目的施設」の扱いです。改正健康増進法の下でこの区分に該当すれば店内での喫煙が認められますが、委員会の資料ではこれまで、届出の義務がなく客観的な判断基準も存在しないため自治体が実態を把握しづらいこと、実際には喫煙を主目的としない飲食店がたばこ販売許可の手続きを利用して喫煙目的施設を名乗る例が生じていることが課題として指摘されてきました。こうした経緯を踏まえ、委員会は喫煙目的施設に届出制を導入する方向で検討を進めており、7月16日前後の報道では受動喫煙対策の取りまとめの一部としてこの内容が伝えられています。
研究所として注目したいのは、加熱式たばこそのものへの規制強化よりも、既存制度の抜け穴を塞ぐ運用面の見直しが先行した点です。シーシャ店の多くも「喫煙目的施設」の枠組みを利用して営業しているケースがあるとみられ、届出制が具体化した場合は業態を問わず対応が求められる可能性があります。今後の制度化の詳細については、続報が出次第あらためて取り上げます。

