3行要約
- 2026年7月31日、米テキサス州でデルタ8・デルタ10・THCP・THCAフラワーなど合成由来のヘンプTHC類を規制物質に分類する州保健当局の規則が発効しました
- きっかけは2026年5月の州最高裁判決で、2021年から仮差止で止まっていた規則の執行が可能になりました。所持は州刑務所級重罪で最大2年の拘禁対象です
- 乾燥重量比0.3%未満のデルタ9 THC製品は合法のまま残る一方、州内約1万4,000店の消費用ヘンプ小売店は品揃えの大幅な見直しを迫られています
5年越しの仮差止が解け、規則が動き出す
米テキサス州で2026年7月31日(金曜日)から、ヘンプ由来THC製品をめぐる新たな規制が発効しました。Marijuana Momentおよびザ・テキサス・トリビューンの報道によると、法的な根拠となったのは州保健当局(DSHS)が2021年に定めていた規則です。同規則は合成的に作られたヘンプTHC類をスケジュールI規制物質に分類する内容でしたが、発効直後から仮差止が続き、5年近く執行されないままになっていました。この仮差止は2026年5月の州最高裁判決で解除され、規則が実際に動き出すことになりました。
規則によって違法となるのは、デルタ8 THC、デルタ10 THC、THCP、THCAフラワーなど、合成的に作られたTHC類です。所持は州刑務所級の重罪(state jail felony)に問われ、180日から2年の拘禁、最大1万ドルの罰金という厳しい量刑が定められています。一方で、乾燥重量比0.3%未満のデルタ9 THCを含む食用・飲料・チンキなどの製品は、引き続き合法として扱われます。またデルタ9のヘンプフラワーやジョイントといった喫煙用製品については、別の訴訟による裁判所の判断が停止中であるため、当面は合法な状態が続く見通しです。
小売店は品揃えの大幅見直しへ
事業者への影響も小さくありません。違反した消費用ヘンプ小売店は販売ライセンスを失う可能性があり、違反1件あたり最大1万ドルの罰金に加え、スケジュールI物質の製造・流通に対する刑事訴追もあり得ます。ザ・テキサス・トリビューンによれば、州内の消費用ヘンプ小売ライセンス店舗は約1万4,000店にのぼり、影響の裾野は広範囲に及びます。販売店ATX OrganicsのJoao Mitchell氏は、天然由来THCを中心に扱っていない店舗では、商品の75〜90%が棚から撤去される対象になるとの見方を示しています。
業界団体からは強い反発も出ています。Texas Cannabis Policy CenterのSarah Todd氏は、何年も完全に合法だった多くの大麻製品を再び犯罪化するものであり、かなり大きな打撃だという趣旨のコメントを寄せました。Texas Hemp Business CouncilのMark Bordas氏も、回復不能な損害をもたらすと訴えています。米国では2018年農業法によるヘンプ合法化を機にデルタ8などの「ヘンプ由来THC」市場が全米に広がりましたが、その規制のあり方をめぐる議論は連邦・州レベルでなお続いており、テキサス州の今回の動きはその一断面といえます。

