3行要約
- テキサス州のヘンプ由来THC禁止を争う訴訟で、連邦判事ジェフリー・ブラウン氏が8月9日、禁止の即時停止を求める緊急申立(TRO)を却下しました。
- 却下理由は、原告のヘンプ小売2社・流通1社が禁止による「回復不可能な損害」を十分に立証できなかったと判事が判断したためです。
- デルタ8・デルタ10・THCP・THCAフラワーなどの禁止は当面維持され、より本格的な予備的差止命令の審理が引き続き裁判所に係属しています。
判事はなぜ緊急の差し止めを退けたのか
却下の理由は、原告側が禁止によって州際商取引に生じる「回復不可能な損害」を十分に立証できなかったと判事が判断したためです。テキサス州南部地区連邦地裁ガルベストンのジェフリー・ブラウン判事は日曜(8月9日)、ヘンプ小売2社・流通1社が求めていた緊急の差し止め命令(TRO)の申立を却下しました。The Texas Tribuneは、TROが「連邦法で最も厳しい基準の一つが適用される緊急救済」である点を指摘しており、迅速な差し止めを得るハードル自体が高かったことがうかがえます。原告側の弁護士アンドレア・スティール氏は、テキサス州内でどのヘンプ製品が合法に流通でき、どの製品が重罪に問われうるかについて公的な説明が食い違っていることが、事業者・消費者双方に「現実の不確実性」をもたらしていると述べました。
禁止は今後どうなるのか
禁止は当面続きます。今回却下されたのはあくまで緊急のTRO申立であり、より詳しい主張立証と証拠審尋を経る予備的差止命令(preliminary injunction)の請求は、引き続き裁判所に係属中です。今回の訴訟は、既報(8月5日記事)で伝えた通り、テキサス州保健当局(DSHS)や州司法長官ケン・パクストン氏らを相手取り、ヘンプ小売2社・流通1社が8月1日に起こしたもので、今回はその最初の司法判断にあたります。既報(8月1日記事)の通り、デルタ8 THC、デルタ10 THC、THCP、THCAフラワーなどを規制物質に分類する州の規則は7月31日に発効しており、今回のTRO却下によってこの規制状態がそのまま維持される形になりました。
業界側はどう受け止めているのか
原告側は、規制の線引きが曖昧なまま罰則だけが重いことを最大の問題視しています。アンドレア・スティール氏は、州側が「事業者が具体的で切迫した執行の脅威に直面しているわけではない」と主張したこと自体、規制の運用が不透明であることの表れだと指摘しました。禁止の対象にはデルタ8・デルタ10 THC、THCP、THCAフラワーに加え、喫煙用ヘンプ(フラワーやジョイント)やTHC含有ベイプも含まれるとされており、予備的差止命令をめぐる審理の行方が、テキサス州のヘンプ業界にとって当面の焦点となります。

