3行要約

  • 英国の医療大麻レジストリを用いた観察研究で、子宮内膜症の女性101人が医療大麻を使用したところ、24カ月間にわたり疼痛やQOL、睡眠、不安の改善が持続したことが分かりました。
  • 疼痛スコアはBrief Pain Inventory重症度で5.8から3.9へ、オピオイド使用量は1日経口モルヒネ換算19.9mgから14.8mgへとそれぞれ低下しました。
  • 有害事象は101人中18人(17.8%)にとどまり、82.2%は有害事象ゼロでしたが、対照群のない観察研究のため因果関係の証明には至っていません。

どんな研究なのか

Imperial College LondonやCuraleaf Clinicなど英国の複数機関が、UK Medical Cannabis Registry(英国医療大麻レジストリ)のデータを分析し、子宮内膜症を主診断とする成人女性101人について、大麻由来医薬品(CBMP)使用後のベースラインから1・3・6・12・18・24カ月時点までの経過を追跡しました。結果はAustralian and New Zealand Journal of Obstetrics and Gynaecology誌に掲載されています。

疼痛やQOLはどう変化したのか

24カ月時点でBrief Pain Inventoryの重症度スコアはベースラインの5.8から3.9へ、疼痛干渉スコアは6.6から4.5へ、VAS(視覚アナログスケール)は6.9から5.4へとそれぞれ低下し、McGill簡易質問票のスコアも全ての追跡時点でベースラインより有意に低い水準を維持しました。あわせて健康関連QOL、睡眠、不安を測る指標も有意な改善を示しています。Marijuana Momentも、CBMPの使用が「24カ月時点で疼痛、健康関連QOL、睡眠、不安の持続的な改善と関連していた」と伝えています。

オピオイド使用と安全性はどうだったのか

1日あたりのオピオイド使用量は経口モルヒネ換算で19.9mgから14.8mgへ減少し、オピオイドを処方されていた46人のうち26.1%が臨床的に意味のある減少を達成しました。安全性については101人中18人(17.8%)が計165件の有害事象を報告しましたが、その過半数は軽度で、多くは倦怠感・無気力・頭痛にとどまり、83人(82.2%)は有害事象ゼロでした。ただしこの研究は対照群を置かない観察研究であり、製剤や用量のばらつき、選択バイアスや追跡途中の脱落も指摘されているため、医療大麻が症状改善の直接の原因であると断定することはできません。

シーシャデックスとして注目したいのは、慢性疾患領域における医療大麻の長期追跡データが英国の公的レジストリから継続的に積み上がっている点です。オピオイドからの置き換えという文脈は各国の医療用大麻の規制論議にも影響し得るテーマであり、今後の追加研究の動向を引き続き注視していきます。