3行要約
- 米上院は8月7日から8日にかけての本会議採決で、歳出法案からヘンプ由来THC製品禁止の「12月11日までの延期」条項を削除し、11月12日の予定通り禁止を実施させようとするテッド・バッド上院議員(共和党・ノースカロライナ州)の修正案を、エイミー・クロブシャー上院議員(民主党・ミネソタ州)の棚上げ動議(61対32)によって退けたと8月8日に報じられました。
- この後、延期条項を含む継続歳出法案そのものは90対6の大差で上院を通過し、8月2日に上院歳出委員会が公表した「12月11日までの延期」という枠組みが、本会議でも維持された形です。
- トランプ大統領がバッド議員に直接電話をかけて翻意を促したとされるほか、保健福祉省メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)のメーメット・オズ長官も反対の書簡を送るなど、ホワイトハウスが延期の維持を後押ししたことが伝えられています。
バッド修正案、61対32で「棚上げ」に
前報でお伝えした通り、上院歳出委員会は8月2日、政府機関の資金を12月11日まで延長する継続歳出法案を公表し、その中に、11月12日に予定されていたヘンプ由来THC製品の連邦禁止(容器あたり総THC0.4mg上限などの新規制)を12月11日まで先送りする条項を盛り込みました。これに対しバッド議員は、延期条項を取り消して禁止を予定通り11月12日から実施させる修正案を提出し、8月7日から8日にかけての本会議で採決にかけられました。
採決の結果、クロブシャー議員が提出した「修正案を棚上げする」動議が61対32で可決され、バッド修正案は事実上否決されました。棚上げ動議の可決によって修正案の審議自体が打ち切られる形となり、延期条項は歳出法案に残ったまま本会議に進んだことになります。この後、延期条項を含む継続歳出法案の本体は90対6という大差で上院を通過し、8月2日に歳出委員会が示した枠組みが本会議の投票でも支持された格好です。
トランプ氏が直接電話、ホワイトハウスも反対書簡
今回の攻防で注目されたのが、ホワイトハウスの動きです。バッド議員が禁止の予定通り実施を主張する修正案を推し進めていた中、トランプ大統領本人がバッド議員に電話をかけ、修正案の取り下げを働きかけたと複数の関係者が伝えています。さらにCMS(メディケア・メディケイドサービスセンター)のメーメット・オズ長官も、修正案の可決は「臨床的に適切なフルスペクトラムのヘンプ由来CBDへのアクセスを広げてきた成果を台無しにする」として上院議員らに「重大な懸念」を伝える書簡を送りました。ホワイトハウスがヘンプ業界寄りの姿勢を鮮明にしたことが、今回の否決の背景にあるとみられます。
一方、バッド議員は修正案を推す演説の中で「中毒性のあるヘンプ産業は手軽に金儲けをしようとしている」「よく油の差された、巧みなロビイング機構には呆れる」と業界側の政治力を強く批判しており、上院内でも規制強化派と業界擁護派の対立構図が改めて浮き彫りになりました。
下院との調整はこれから
今回の採決はあくまで上院段階のものです。下院が6月に可決した継続決議にはヘンプ延期条項が含まれておらず、上院案との内容のすり合わせが今後の焦点になります。前報でも触れた通り、上院ではティム・シーヒー議員(共和党・モンタナ州)とクロブシャー議員による対応法案の提出が見込まれており、下院で審議中の「Lawful Hemp Protection Act」とあわせて、12月11日という新たな期限までに恒久的な規制の枠組みを固められるかが問われる展開です。シーシャデックスとしては、今回の否決で延期そのものが確定したわけではなく、下院との調整と大統領の署名という手続きが残っている点を踏まえ、引き続き動向を追っていきます。

