3行要約
- 前報でお伝えした超党派の「Lawful Hemp Protection Act」について、Barr議員側は「ホワイトハウスが支持」と説明していますが、Marijuana Momentの取材では政権側が吸引可能な製品を合法定義に含める条項に難色を示しているとされています。
- ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)は明確な支持表明を避け、「政権の立場はトランプ大統領の12月の大統領令と4月のTruth Social投稿のみ」と回答しています。
- 一方、酒類卸の業界団体WSWAは法案を支持すると表明。三層流通制度でヘンプ由来飲料を規制できる点を評価しつつ、税率については酒類との公平性をめぐる協議継続を求めています。
「ホワイトハウス支持」に立つ疑問符
前報でお伝えした通り、Andy Barr議員(共和党・ケンタッキー州)とAngie Craig議員(民主党・ミネソタ州)は、2026年11月12日に発効予定のヘンプ由来THC製品の事実上の全面禁止に代わる規制・課税法案を下院に提出しています。Barr議員の事務所はこの間、ホワイトハウスも法案を支持していると説明してきましたが、Marijuana MomentのTom Angell記者が7月23日に報じたところによると、複数の関係筋は政権側が法案の内容そのものに全面的に賛同しているわけではないと指摘しています。特に問題視されているのは、吸引可能な形態のヘンプ製品を合法な製品定義に含める条項だといいます。取材に対しOMBは明確な支持を表明せず、「政権としての明確な立場は、トランプ大統領が12月に出した大統領令と、4月のTruth Social投稿に示されている内容に尽きる」と回答したとのことです。上院では、Tim Sheehy議員(共和党・モンタナ州)とAmy Klobuchar議員(民主党・ミネソタ州)が対応法案の提出者になると見込まれており、審議の舞台は今後さらに広がりそうです。
なお、ホワイトハウスとヘンプ規制をめぐるやり取りはこれが初めてではありません。Cannabis Business Timesの6月25日付報道によれば、OMB局長のRussell Vought氏は6月、議会に対しヘンプの定義見直しか11月禁止の実施延期のいずれかを求める書簡を送っていました。今回の法案はその後に具体化した枠組みであり、当時の要請と今回の「支持」報道を単純に同一視しない方がよさそうです。
酒類業界は支持、ただし税率に留保
同じく7月23日付のMarijuana Moment記事によれば、酒類卸の業界団体Wine & Spirits Wholesalers of America(WSWA)は法案への支持を表明しました。連邦渉外担当上級副社長のDawson Hobbs氏は、「この法案は、90年以上にわたり酒類を安全に管理してきた三層流通制度の原則で、ヘンプ由来飲料を規制できると認めた重要な一歩」とコメントしています。法案には21歳以上への年齢制限、製造・卸・小売を分離する三層流通制度、連邦免許制、表示基準、年齢確認義務、第三者検査義務などが盛り込まれており、酒類業界にとってはなじみのある規制の型に落とし込まれた点が評価されているようです。ただしHobbs氏は、飲料に対する課税(THC1mgあたり5セントなど)について「酒類との公平性を促す税率をめぐる協議を引き続き望む」とも述べており、全面的な歓迎ではなく条件付きの支持であることをうかがわせます。
研究所として注目したいのは、支持・反対の線引きが「規制の枠組み」と「税率・成分区分」で分かれつつある点です。特に吸引系製品の扱いは、政権・議会・業界いずれの立場からも最大の争点として残り続けており、11月の期限までにこの一点がどう決着するかが今後の焦点になりそうです。

