一次喫煙
いちじきつえんPrimary Smoking (Active Smoking)
一次喫煙は、喫煙者本人が、たばこの煙を吸い口から直接吸い込むことです。厚生労働省の用語では能動喫煙といいます。周りの人が煙を吸う二次喫煙(受動喫煙)や、火が消えたあとも残る成分に触れる三次喫煙と、対にして説明されます。
一次喫煙は、喫煙者本人が、たばこの煙を吸い口から直接吸い込むことです。能動喫煙と同じ意味で使われます。e-ヘルスネットでは、能動喫煙は「喫煙者本人がたばこの煙を吸い口から吸うこと」です(e-ヘルスネット)。
「一次喫煙」という言葉は、e-ヘルスネットの喫煙の用語一覧に項目がありません(用語一覧)。国立保健医療科学院の論文には出てきます。喫煙者本人の主流煙による一次喫煙、副流煙や呼出煙による受動喫煙、残留たばこ煙による三次喫煙が、並べて書かれています(保健医療科学)。
健康増進法(第28条)では、「人が吸入するため、たばこを燃焼させ、又は加熱することにより煙(蒸気を含む)を発生させること」を喫煙と呼びます(e-Gov法令検索)。燃焼か加熱で煙を出すたばこ全般が、この範囲です。
たばこの煙は、出どころで3つに分かれます。主流煙は、喫煙者が口から直接吸い込む煙です。副流煙は、点火した先端から立ち上る煙です。呼出煙は、喫煙者が吐き出した煙です(e-ヘルスネット)。
一次喫煙で吸うのは、主流煙です。粒子成分には、おもにニコチンやタールが含まれます。気体の成分には、一酸化炭素やホルムアルデヒドなどの刺激性物質が含まれます。ベンゼンなどの発がん性物質も、多数含まれます(e-ヘルスネット)。
副流煙の化学物質は、主流煙とほぼ同じです。量は主流煙より多いものの、発生直後から空気で薄まるため、主流煙をすべて吸う喫煙者より、受動喫煙者のほうが有害性は低いと考えられます。ただし、狭い車内などでは曝露量が多く、環境で影響は大きく変わります(e-ヘルスネット)。
吸い込んだ煙は、口からのど、気管、気管支を通って、肺の奥の肺胞に着きます。肺胞では、多くの成分が毛細血管から血液に溶け込みます。血液に乗って、全身を巡ります(e-ヘルスネット)。
ニコチンは、吸い込んでから数秒で脳に届きます。母乳に分泌されたり、妊娠中の胎児の脳の発育に悪影響を与えたりもします(e-ヘルスネット)。ニコチンには強い依存性があり、血管を収縮させて血圧を上げます(e-ヘルスネット)。
燃焼が不完全なため、一酸化炭素も出ます。一酸化炭素は肺胞から血液に入ります。ヘモグロビンと強く結びつき、酸素の運搬能に影響する点が問題です。一酸化炭素の項に、くわしい説明があります。
たばこの煙に含まれる発がん性物質などの有害物質は、分かっているだけで200種類以上になるとされています(e-ヘルスネット)。
日本では、2016年の「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(通称、たばこ白書)が、たばこと病気の因果関係を4段階で判定しました。e-ヘルスネットが、その結果をまとめています(e-ヘルスネット)。
報告書で、原因だと考えてよいと判断された病気(レベル1)は、成人では次のとおりです。
- がんは、肺、口やのど(口腔・咽頭、喉頭)、鼻(鼻腔・副鼻腔)、食道、胃、肝臓、膵臓、膀胱、子宮頸部にできるものです。
- 循環器の病気は、虚血性心疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤、末梢動脈硬化症です。
- 呼吸器の病気は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼吸機能の低下です。結核による死亡も入っています。
- 2型糖尿病の発症も、レベル1です。
- 妊婦が喫煙した場合は、乳幼児突然死症候群(SIDS)、早産、低出生体重・胎児発育遅延です。
喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクが高まり、総死亡率も高くなることが分かっています。WHOは、たばこによる死者が毎年700万人以上で、その中に受動喫煙の160万人以上が含まれると説明しています。あらゆる形のたばこは有害で、安全な曝露レベルはない、というのもWHOの説明です(WHO)。
水たばこ(シーシャ)の煙を吸うのも、一次喫煙です。CDCは、シーシャは紙巻きたばこの安全な代わりにはならないと説明しています(CDC)。
CDCによると、水たばこの煙には、ニコチン、タール、重金属など、紙巻きたばこの煙と同じ有害成分が多く含まれます。水は煙を濾過しません。水を通したあとも、有害な物質は高い濃度で残ります。
吸う量もちがいます。典型的な1時間の使用で、水たばこは約90,000mlの煙を吸い込みます。紙巻きたばこ1本は、約500〜600mlです。CDCは、100〜200倍と書いています。
1回の使用では、紙巻きたばこ1本と比べて、一酸化炭素に約9倍、ニコチンに1.7倍さらされることがあると、CDCは説明しています。炭を使うため、炭からも一酸化炭素、金属、発がん性の化学物質が出ます。これは米国の数字で、日本の店で測ったものではありません。
二次喫煙は、他人のたばこの煙を、周りの人が吸い込むことです。法律や厚生労働省では、受動喫煙と呼びます。三次喫煙は、火が消えたあとも、周囲に残る化学物質に触れて吸い込むことです(習志野市)。
三次喫煙の有害性について、国立保健医療科学院の2020年の論文は、現時点で人への有害性は立証されていないと書いています。くわしくは、二次喫煙と三次喫煙の項にまとめています。
一次喫煙とは何ですか?
喫煙者本人が、たばこの煙を吸い口から直接吸い込むことです。厚生労働省の用語では、能動喫煙といいます。
一次喫煙と能動喫煙は同じですか?
同じ意味で使われます。e-ヘルスネットの用語一覧にあるのは、能動喫煙です。一次喫煙は、二次喫煙や三次喫煙と並べて説明するときに使われます。
加熱式たばこを吸うのも一次喫煙ですか?
喫煙者本人が煙(蒸気を含む)を吸い込むので、一次喫煙にあたります。健康増進法も、加熱して煙を出す場合を喫煙に含めています。
シーシャを吸うのも一次喫煙ですか?
はい。本人が煙を吸い込むので、一次喫煙です。CDCは、シーシャは紙巻きたばこの安全な代わりにならないと説明しています。
二次喫煙と三次喫煙は、何がちがいますか?
二次喫煙は、周りの人が他人の煙を吸うことです。三次喫煙は、火が消えたあとも残る成分に触れることです。
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