サムスン産タバコ
さむすんさんたばこSamsun Tobacco
サムスン産タバコは、トルコ北部の黒海沿岸、サムスン県の周辺で作られるオリエント種の産地銘柄です。2024年の研究ではイズミール型より葉の長い系統が多く、国内の用語集は甘く少しスパイシーな香りと説明しています。
サムスン産タバコは、トルコ北部の黒海沿岸にあるサムスン県の周辺で作られる、オリエント種の呼び名です。日本語の資料では「サムソン」とも書かれます。
県庁所在地のサムスン市は、黒海に面した港町です。西にクズルウルマク川、東にイェシルウルマク川の三角州が広がります。産地として名前が出るバフラ郡は、市の北西約52kmにあります。
2024年の研究は、トルコのオリエント種の系統を、イズミール型、バスマ型、サムスン型の3群に分けて形質を比べています。エーゲ海側のイズミール型に対して、サムスン型は黒海側の系統です。サムスン型の試験は、バフラ郡の畑で行われました。
英語版Wikipediaによると、オスマン帝国の時代、サムスンの周りでは主にタバコが作られていました。地元の「サムスン・バフラ」という種類は、イギリス人から「小さいが香りの高い葉」と評され、高い値がついたそうです。19世紀の後半に鉄道が通ったころ、タバコの取引は活気づきました。
バフラ郡は、土が肥えてタバコづくりに向く平野で、地元のタバコはニコチンが少なく香りが高いとされます。かつては栽培と輸出が地域の経済を支えました。
その後は輸出が落ち込み、テケル(TEKEL)の閉鎖で状況は厳しくなったようです。いまは政府がタバコ栽培を制限していて、バフラの生産もごくわずかと、サムスンとバフラの項にあります。ただ、バフラの項には情報が古いかもしれないという印がついています。2020年の試験は、このバフラの畑で行われました。
2024年の研究では、サムスン型は71本の系統を調べました。草丈は高めで、花のついた先までの主茎の長さは、101〜150cmの系統が68%を占めます。イズミール型は、46〜75cmと76〜100cmにほぼ半々に分かれました。
葉の長さは、26〜50cmの系統が63%、16〜25cmの系統が37%です。イズミール型の葉は、ほぼすべてが25cm以下でした。サムスン型のほうが、長い葉の系統が多くなります。葉先は、中くらいに尖る系統が77%でした。
昔のイギリス人は「小さいが香りの高い葉」と評しましたが、これは地元の種類の話です。2024年の数字は、形の違いで選んだ系統を試験畑で育てて比べたものです。
国内の用語集CyberChillによると、サムスン産は日に当てて乾かすと、甘くて少しスパイシーな、複雑な香りになります。イズミルより重く深い印象で、トルコ系のブレンドや、香りを重視する配合で珍重されるそうです。黒海沿岸の湿った気候で香りの成分が豊かになる、とも書かれています。乾かし方はサンキュアードリーフの項で読めます。
香りの説明は、いまのところこの用語集1点が頼りです。
オリエント種の主な使い道は、パイプたばこと、とくに紙巻きたばこのブレンドです。サムスン産も、香りを足す葉としてトルコ系のブレンドで使われるそうです。
サムスン産タバコとは何ですか?
トルコ北部の黒海沿岸、サムスン県の周辺で作られるオリエント種の産地銘柄です。国内の用語集では、日に当てて乾かすと甘く少しスパイシーな香りになるとされています。
「サムソン」と「サムスン」は同じものですか?
同じ産地を指す表記のゆれです。国内の用語集には、見出しがサムスン、本文がサムソンの例があります。英語の綴りはSamsunで、トルコの県と市の名前です。
イズミール産とはどう違いますか?
産地が、サムスン産は黒海側、イズミール産はエーゲ海側です。2024年の研究では、サムスン型のほうがイズミール型より長い葉の系統が多くなりました。
- Kınay ほか「Characterization of Türkiye Oriental Tobacco Germplasm Using UPOV Test Guidelines」(Turkish Journal of Agriculture - Food Science and Technology, 2024)
- Wikipedia英語版「Samsun」
- Wikipedia英語版「Bafra」
- Wikipedia英語版「Oriental tobacco」
- Philip Morris International「Tobacco curing」(乾燥方法の用語集)
- CyberChill「葉タバコ・シャグ・パイプ葉 大辞典」