
オリエント種
おりえんとしゅOriental Tobacco
オリエント種は、トルコやギリシャなど地中海・バルカン地域で作られる、小さな葉のたばこです。日に当てて乾かし、独特の芳香があります。ニコチンは低く、単独では味が軽いため、ほかの葉と混ぜて香りを整える役で使われます。
オリエント種は、トルコやギリシャなどで作られる、小さな葉のたばこです。日に当てて乾かし、独特の芳香をもちます。
単独で吸うと味は軽めです。強い香りを足すために、ほかの葉と混ぜて使われるのがふつうです。サイバーチルは、アメリカンブレンドの香味調整に欠かせない葉だと説明しています。
同じ種類の葉に、呼び名がいくつかあります。日本語では「オリエント種」「オリエント葉」と書く資料が多く、日本大百科全書には「トルコ葉」も出てきます。英語では、OrientalとTurkishです。
Wikipediaによると、「Turkish」は、産地を長く治めていたオスマン帝国に由来します。「Oriental」という呼び方も使われます。
産地の名前がついた品種もあります。サイバーチルは、イズミル、サムスン、カテリニ、バスマ、ゼニゼ、プリレップを挙げています。イズミール産タバコとサムスン産タバコは、それぞれ別の項で説明しています。
Wikipediaによると、もとの産地は、トラキアとマケドニアです。いまはブルガリア、ギリシャ、北マケドニア、トルコにまたがる地域にあたります。トルコの黒海沿岸、エジプト、南アフリカでも育てられています。
主な産地は、日ざしが強く、雨が極端に少ない地中海性気候の乾燥地帯です。この気候が、特有の香りと味を生むと、世界大百科事典は説明しています。日本のような湿度の高い土地では、栽培がむずかしいと、日本大百科全書は書いています。
葉は小さく、1株につく枚数は多めです。Mac Barenによると、バージニア種が約30枚なのに対し、オリエント種は100枚近くつきます。
収穫は、葉を1枚ずつ手で摘みます。それを紐に吊るして、天日で乾かします。乾くまでの日数は、Mac Barenでは約5日です。Cigar Worldは天日乾燥の葉全般で12〜30日と書いていて、オリエント種に限った話ではありません。乾かし方の違いは、サンキュアードリーフの項で見られます。
サイバーチルは、香木やスパイス、お香のような芳香と書いています。ニコチンは低めです。
Mac Barenも、ニコチンはバージニア種やバーレー種よりずっと低く、ニコチンより香味のために使う葉だと説明しています。糖分は天日乾燥で少し残りますが、バージニア種の半分ほどです。吸うと、ほのかな甘みを感じます。
天日乾燥した葉の香りについて、Cigar Worldは、茶、甘いスパイス、果実、ときに花のような要素を挙げています。
Mac Barenによると、イギリス式のブレンドでは、オリエント種、バージニア種、ラタキアを組み合わせるのが典型で、割合は作り手で変わります。ラタキアは、オリエント種を煙でいぶした葉です。
サイバーチルによると、イングリッシュブレンドやバルカンブレンドの香りを支えるのも、この葉です。オリエント寄りのブレンドは、ラタキアの燻香に頼らず、スパイシーでお香のような複雑な香りを出せます。
Wikipediaによると、紙巻きたばこでは、1913年にキャメルがトルコ産の葉をアメリカの紙巻きに取り入れました。バージニア種とバーレー種に混ぜたブレンドです。バージニア種はブロンドリーフ、バーレー種はバーレー種の項があります。
シーシャ用の葉として、CLOUDが挙げているのは、ブロンドリーフとダークリーフの2区分です。ダークリーフの中身は、バーレー、ブラウンバージニア、火で乾燥させた葉の3つです。オリエント種は、挙がっていません。
2024年の論文では、米国で売られていた40銘柄を調べ、もとになる葉をフルーキュアードとダークエアキュアードの2タイプに分けています。この論文にオリエント種は出てきません。
サイバーチルの辞典は、バルカン産のオリエント葉の一種デュベクが、水たばこ用のブレンドで濃密な甘い香りを付ける目的で使われると書いています。
オリエント種のニコチンは強いですか?
低めです。サイバーチルは「ニコチンは低い」と書き、Mac Barenはバージニア種やバーレー種よりずっと低いとしています。
オリエント種はシーシャのフレーバーに入っていますか?
サイバーチルは、オリエント葉の一種デュベクが水たばこ用のブレンドにも使われると書いています。ただ、CLOUDがシーシャ用の葉に挙げるのはブロンドリーフとダークリーフで、オリエント種は出てきません。
「サンキュアド」とは何ですか?
収穫した葉を屋外に吊るし、日光で乾かす方法です。Wikipediaによると、オリエント種は、ふつうこの方法で乾かします。
- Wikipedia英語版「Turkish tobacco」(別名 Oriental tobacco。産地・葉の特徴・紙巻きたばこでの歴史)
- サイバーチル「葉タバコ・シャグ・パイプ葉 大辞典」(オリエント種・ラタキア・ペリクの項)
- Mac Baren「Oriental tobacco」(産地・葉数・乾燥日数・糖分・ニコチン・イギリス式ブレンド)
- Cigar World「Sun-Cured Tobacco」(天日乾燥の日数・香りの特徴・産地)
- コトバンク「タバコ」(日本大百科全書〔ニッポニカ〕・改訂新版 世界大百科事典の記述)
- CLOUD SHISHA MEDIA「シーシャフレーバーに使われるタバコの葉の種類」
- Lauterbach「Waterpipe Tobaccos, Part I」(Contributions to Tobacco & Nicotine Research, 2024。米国市場の水たばこ40銘柄の分析)