3行要約

  • Al Fakher親会社のAIR Global(旧Advanced Inhalation Rituals)が、気化ハードウェア企業Greentank Innovationsに2,000万ドルを優先株で出資すると発表。
  • Greentankのプレマネー評価額は約1億7,000万ドル。AIRは24カ月以内に評価額2億5,000万ドルで持分を20%積み増せるワラントも取得しました。
  • Greentankの「Quantum Chip™」技術はAIRのポッド型ベイプ「Crown Switch」にすでに採用されており、両社は2023年から戦略提携を続けています。

Nasdaq上場後に打ち出した大型出資

AIR Globalが2026年7月29日、気化ハードウェア技術企業Greentank Innovations Corp.への戦略的出資を発表しました。出資額は2,000万ドルで、優先株を取得する形をとります。Greentankのプレマネー評価額は約1億7,000万ドルとされ、AIRはこれに加えて、24カ月以内であればGreentankの評価額を2億5,000万ドルとして持分をさらに20%積み増せるワラント(新株予約権)も取得。あわせて取締役指名権や商業条件の強化も得ています。当サイトが既報した2026年5月のNasdaq上場に続き、上場後にAIRが打ち出した大型の成長投資案件となります。

Greentankは半自動化されたチップ製造・R&D施設を持ち、2014年以来の特許ポートフォリオを蓄積してきた霧化技術企業です。看板技術である「Quantum Chip™」プラットフォームは、AIRのポッド型ベイプ「Crown Switch」にすでに搭載されており、両社は2023年からこの技術をめぐる戦略的提携関係にあります。今回の資本参加は、既存の技術パートナーをより深く自社グループに引き込む動きと言えます。

Crown Switchの有害物質低減データも公開

AIRのCEOであるStuart Brazier氏は、今回の出資について「カテゴリーリーダーシップと製品イノベーションへの当社のコミットメントを裏付けるもの」という趣旨のコメントを寄せています。あわせて、McKinney Specialty Labsによるパイロット試験の結果も公表されました。それによるとCrown Switchは、FDAが認可済みのベイプ製品と比べて有害化学物質の水準が低く、一酸化炭素は検出されず、ホルムアルデヒドは約94%低減したといいます。AIRは現在、米国でのPMTA(市販前たばこ製品認可)取得を目指しており、こうした試験データは規制当局への説明材料としても位置づけられているとみられます。

AIRはシーシャ糖蜜のAl Fakherを筆頭に、Crown Switch、Crown Gems、ニコチンパウチなど複数ブランドを90超の市場で展開しています。シーシャデックスとして注目したいのは、シーシャ用モラセスで築いた収益基盤を、ポッド型ベイプや周辺デバイスの技術投資に振り向ける動きが上場後さらに加速している点です。