3行要約

  • 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究グループが、電子シーシャ(電子フッカー)1回30分の使用が心血管系に与える急性の影響を調べたランダム化比較試験を発表しました。
  • ニコチン入りのリキッドを使ったときだけ、血漿ニコチン濃度・心拍数・平均血圧の明確な上昇が確認され、ニコチンなしや吸っていない対照条件ではこうした変化はみられませんでした。
  • ニコチンの有無にかかわらず、血栓や炎症に関わるフィブリノーゲン値の上昇がみられ、ニコチン以外の煙・蒸気成分自体にも心血管系への影響がある可能性が示されています。

電子シーシャのニコチンは体にどう作用したのか

ニコチン入りリキッドを使った回のみ、血漿ニコチン濃度が使用前より約5.74ng/mL上昇し、心拍数は約8bpm、平均血圧は約6mmHg、それぞれ統計的に有意に上昇した。ニコチンなしリキッドの回や、吸っていない対照条件ではこれらの変化は確認されなかった。研究チームは、日常的に水たばこを吸う習慣のある健康な若年成人16人(平均年齢26歳、女性19%)を対象に、ニコチン入り・ニコチンなし・対照の3条件を1週間以上の間隔を空けて全員に試すランダム化クロスオーバー試験を実施している。

ニコチンを抜けば安全といえるのか

そうとは言い切れない。ニコチンの有無にかかわらず、血液の凝固・炎症に関わるフィブリノーゲン値の上昇がみられたためだ。研究チームは、心拍数や血圧の急性変化はニコチンに由来する一方、フィブリノーゲンの変化はニコチン以外の煙・蒸気成分(フレーバー添加物や加熱by生成物など)に起因する可能性があると位置づけている。

この結果をどう読むべきか

対象は16人と小規模な試験であり、1回30分の使用直後という急性影響に限った結果である点には留保が必要だ。とはいえ、電子シーシャを「ニコチンなしなら無害」と単純に捉えることに疑問を投げかけるデータであり、シーシャデックスとして注目したいのは、ノンニコチン製品の安全性をめぐる議論が今後、成分表示や規制のあり方にも波及しうる点だ。