3行要約
- 米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、マウントサイナイ病院の研究チームがJournal of Palliative Medicine誌に発表した調査によれば、9種類のがんの経験者1,258人のうち226人(18%、約5人に1人)が、診断後にCBDを使用した経験があると回答した。
- 使用目的は疼痛管理が55%、不眠対策が47%、ストレス・不安・抑うつが35%、神経障害が18%と続き、約9割が症状緩和目的での使用だった。症状別の改善実感は、低エネルギー・倦怠感で85%、神経障害で60%が「改善あり」と回答している。
- 一方でCBD使用者の約半数は最終的に使用を中止しており、その主な理由は効果が感じられなかったことだったという。
5人に1人が使用、目的は疼痛・不眠・不安
米国の主要がんセンター3施設(メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、マウントサイナイ病院)の研究チームが実施し、Journal of Palliative Medicine誌に発表された調査は、9種類のがんを経験した1,258人を対象にCBD(カンナビジオール)の使用実態を調べたものだ。このうち226人、全体の18%にあたる人が診断後にCBDを使用した経験があると回答しており、約5人に1人という高い割合になっている。使用目的としては疼痛管理が55%と最も多く、次いで不眠対策が47%、ストレス・不安・抑うつへの対処が35%、化学療法などに伴う神経障害への対処が18%と続いた。回答者の約9割は、あくまで症状緩和を目的にCBDを使用していたという。
症状別の改善実感にはばらつき
使用者に症状の改善を尋ねた結果では、低エネルギー・倦怠感を訴えていた人の85%が「改善があった」と回答し、神経障害を訴えていた人でも60%が改善を実感したと答えている。研究チームは、いずれの症状カテゴリーでも半数以上の使用者が何らかの改善を報告したとしている。ただし、これらはあくまで使用者本人の主観的な報告であり、臨床試験のような対照群を伴う厳密な効果検証ではない点には留意が必要だ。実際、使用者の約半数は最終的にCBDの使用を中止しており、その主な理由は「効果を感じられなかった」ことだったという。
科学的知見の蓄積が進む一方、評価は道半ば
がん経験者によるCBD使用は米国で一定程度定着している実態が今回のデータから浮かび上がるが、研究チーム自身が示すように、効果を感じて使い続ける人がいる一方で、効果を感じられず使用をやめる人も同程度存在する。CBDをめぐっては世界的に科学的知見の蓄積が進んでいる段階であり、こうした患者からの報告ベースの調査は、今後より厳密な臨床研究の設計にもつながる基礎データとして位置づけられる。研究所としても、CBDの医療的な有用性に関する研究の進展は規制・市場双方に影響し得るテーマとして、引き続き追っていきたい。
