3行要約

  • パキスタンのイスラマバード高等裁判所は10月14日、首都の全シーシャ店の閉鎖と発行済みNOC(無異議証明書)の撤回を命じ、新しい規則が決まるまで営業を認めない判断を示しました。
  • 命令を受けて、地区行政は首都のE-11地区で4店を封鎖し、全ての助理長官に直ちに取り締まるよう指示したと報じられています。
  • 前報でお伝えした「合法店への強制措置を禁じる」9月の指示について、首席裁判官は「誤って受け取られていた」と指摘し、全店閉鎖を命じました。

要点カード: 10月14日、イスラマバード高裁が全シーシャ店の閉鎖を命令。E-11地区で4店を封鎖。日本の店への直接の影響はなし

イスラマバード高裁は10月14日に何を命じたのか

イスラマバード高等裁判所(IHC)は10月14日(水)、首都にある全てのシーシャ店を閉鎖し、各店に出されていたNOCを撤回するよう当局に命じました。NOCは、地区行政が店の営業に異議を唱えないことを示す証明書で、閉鎖は新しい規則が整うまで続くとされています。命令を出したのはSardar Muhammad Sarfraz Dogar首席裁判官で、詳しい書面命令は後日出される予定です。以下の内容は、法廷での指示を伝える現地報道に基づいています。

政府側の弁護人は法廷で、シーシャ店を規制する規則案は作成済みで、政府に承認を求めて回しており、承認は間もなくだと述べたと伝えられています。同じ日、首都の地区行政は命令に従って動き出しました。Shalimarの助理長官がE-11地区のシーシャ店4店を封鎖し、副長官は全ての助理長官に直ちに取り締まるよう指示しました。地区行政は、NOCは命令に従って取り消したと説明しています。

なぜ全店閉鎖まで進んだのか

全店閉鎖に至った背景は、規則のないまま営業を認めてきた状態を、高裁が10月13日の審理で許さないと明言したことです。10月13日(火)の審理で、首席裁判官は首都の長官と副長官に、違法なシーシャ店を営業させないという宣誓供述書を出すよう求めました。「期限の延長を続ければ、若者は使い続ける」と述べ、規則ができるまで店を一時的に閉めてよいとの考えも示しています。以前の「合法に営業している店は続けてよい」という指示も、現場で誤って受け取られたと指摘しました。

首都の警察総監が法廷に出した報告によると、2026年1月1日から9月7日までにシーシャ店関連で89件の事件が登録され、容疑者は282人でした。報道によれば、検察のトップは最高裁がスー・モトゥ(職権による審理)の事件でシーシャ店の禁止を命じていると述べ、申立人側は15〜20日の閉鎖で規則をまとめる時間は足りると提案しました。

経緯を日付順に並べると次のとおりです。

日付 出来事 主な出典
9月9日(水) 高裁が地区行政に1か月以内の規則づくりを指示。同日、副長官がNOC保有店を含む全面禁止を発表 Geo News、APP
9月12日 高裁が合法営業の店への強制措置を禁じる書面命令(前報) 前報の出典
10月13日(火) 首都の長官らに宣誓供述書を要求。警察総監が89件・容疑者282人の報告 Express Tribune
10月14日(水) 全シーシャ店の閉鎖とNOC撤回を命令。命令を受けて、E-11地区で4店を封鎖 Express Tribune、ARY News

経緯の図解: 9月9日の規則づくり指示、9月12日の合法店への強制措置の禁止、10月13日の宣誓供述書の要求(警察報告は事件89件・容疑者282人)、10月14日の全店閉鎖命令(出典は図内に記載)

9月9日の時点で、地区行政は高裁への書面回答で、連邦政府が法令を承認するまでの暫定措置としてNOCを無料で発行してきたと説明していました。つまり、NOCは法的な裏づけが固まる前の仮の制度だったことになります。

日本のシーシャ店や読者に影響はあるのか

日本のシーシャ店や、国内で買えるフレーバーにこの命令が直接及ぼす影響はありません。命令はイスラマバードの店を対象にした地域の話で、日本の制度とは仕組みが違うからです。

国内では、水たばこ用のフレーバータバコも「製造たばこ」の枠組みに入り、店が客にたばこを売るには、たばこ事業法第22条にもとづく国の「製造たばこ小売販売業の許可」(用語辞典)が必要です。財務省の案内では、許可を受けた場合は登録免許税15,000円の納付が必要で、審査の標準処理期間は申請書を受理した月の末日から2か月以内です。20歳未満の喫煙は、明治33年の法律の第1条で禁じられています。こうした国内のルールの全体像はシーシャは違法?何歳から? 日本の法制度を完全ガイドで整理しています。

イスラマバードで問題になったのは、地区行政が暫定的にNOCを出し、その根拠となる規則を連邦政府がまだ承認していない状態が続いていた点です。なお、シーシャの健康面の論点についてはシーシャの健康リスクを科学的に整理するで解説しています。

次に何が起きるのか

次の焦点は、政府による規則の承認と、高裁の詳細な書面命令の2つです。報じられた範囲では、閉鎖の終わりは日付ではなく「規則が整った時」で区切られており、承認や書面命令がいつ出るかは確認できていません。規則の中身は、報じられた範囲では明らかになっていません。

前報(イスラマバードのシーシャ店禁止、高裁が待った)では、行政の全面禁止と高裁の「合法店には手を出すな」という命令が食い違っていました。今回、高裁が全店閉鎖を命じたことで、行政の方針と高裁の命令の向きはそろいました。