3行要約

  • 財務省「製造たばこの小売定価の認可」情報(2023年4月〜2026年7月の全253回次)を研究所が全数解析し、日本で正規に認可されている水たばこフレーバーを39ブランド・1,046銘柄として記録した。
  • 銘柄数はロシア系ブランド(394)とトルコ系ブランド(381)が拮抗して全体の7割超を占め、小売定価の中央値は1,790円だった。
  • 認可データは製品ごとの正式な銘柄名・定価・内容量・初回認可日を含み、各ブランドのデータベースページで公開している。

「いま何が認可されているか」を初めて横断で見る

日本国内で水たばこ用のフレーバータバコを流通させるには、財務省による小売定価の認可が要る。財務省はこの情報を月次でウェブサイトに公表しているが、水たばこ専用の区分は設けられておらず、税法上の分類である「パイプたばこ」の中に紙巻き用の刻みタバコや加熱式タバコと混在した形で載っている。このため、日本で銘柄横断に「いま何が認可されているのか」を把握できる一覧は、これまで公的にも民間にも存在しなかった。

研究所は財務省が公表する認可回次のPDF全253件(2023年4月10日〜2026年7月14日)を取得し、「パイプたばこ」区分の全記載を抽出したうえで、銘柄名から水たばこ製品にあたるものを分類した。手巻き用シャグ、パイプ用刻みタバコ、加熱式タバコは除外している。結果は39ブランド・1,046銘柄(フレーバー単位)だった。

ロシア・トルコが拮抗、定価の中央値は1,790円

ブランドの拠点国別に見ると、ロシアが394、トルコが381で、この2か国系ブランドが全体の74%を占める。以下、UAE76、アメリカ68、ヨルダン59、日本49、インド19と続く。銘柄数最多はSamurai(150)で、Dozaj(119)、JiBiAR(86)、Sebero(78)、Darkside(72)が続いた。

小売定価は最小80円から最大33,000円まで幅があり、中央値は1,790円。価格帯別では1,500〜1,999円が610銘柄と最も多く、全体の約6割を占める。一方で4,000円以上の高価格帯も259銘柄あり、内容量の大きいパウチ製品やダークリーフ系の製品が含まれる。

初回認可日で見ると2023年409銘柄、2024年416銘柄、2025年200銘柄、2026年(7月まで)21銘柄。製造国(財務省表記)ベースではトルコ製374、ロシア製244、ヨルダン製161、UAE製123、アメリカ製118となっており、ブランドの拠点国と製造国が一致しない銘柄も一定数ある。

文字化けPDFとの格闘

今回の調査では、財務省が公表するPDFの約6割で通常のテキスト抽出ができないという技術的な壁に直面した。文字の見た目は正しく表示される一方、内部の文字コード情報が欠落しており、コピーや機械的な読み取りをすると別の文字に化ける状態だったのだ。研究所は正常に読み取れるPDFから文字の字形(グリフ)と正しい文字の対応関係を学習し、破損したPDFの字形を画像として照合することで、全253回次を機械的に復元した。この復元分については、綴りに軽微な誤りが残る場合がある点を各ページに明示している。

業界への意味と、まだ残る留保

正規認可された銘柄を横断的に確認できる一覧が整備されたことで、輸入・流通・店舗運営の各段階で、取り扱う製品が国内で認可済みかどうかを照合しやすくなる。とりわけロシア系・トルコ系の新興ブランドが2025年以降も継続的に新規認可を取得している実態は、日本市場における供給元の多様化を示している。ただし本データは「認可されている」ことを示すものであり、実際に国内で流通・入手可能かどうか、また各製品の品質や嗜好性を保証するものではない。

なお財務省サイトには2023年4月より前の認可回次が掲載されておらず、それ以前に認可され現在も有効な銘柄は本調査に含まれていない。「パイプたばこ」区分からの水たばこ判別は銘柄名に基づく分類のため、判別が難しい少数の銘柄では分類の誤りが残る可能性もある。水たばこ製品にも健康リスクがあり、本レポートは製品の使用を推奨するものではない。20歳未満の使用は法律で禁止されている。