3行要約
- 米下院にAndy Barr議員(共和党)とAngie Craig議員(民主党)が超党派で「Lawful Hemp Protection Act(適法ヘンプ保護法)」を提出しました。2026年11月12日に予定されているヘンプ由来THC製品の事実上の全面禁止に代わり、規制・課税の枠組みで合法市場を存続させる内容です。
- 法案は、経口製品は1食分あたりTHC5mg、吸引・塗布製品は50mgを基本の上限とし、21歳以上の年齢制限や合成カンナビノイドの禁止、国産ヘンプの使用義務などを盛り込んでいます。財源として、飲料はTHC1mgあたり5セント、その他の可食製品は売上の5%を課税する仕組みも含まれています。
- Barr議員の事務所によればホワイトハウスもこの法案を支持しているとされ、業界団体のU.S. Hemp Roundtableも「禁止ではなく科学的根拠に基づく規制」として支持を表明しています。
2026年11月の「全面禁止」に代わる規制案
現行法では、2025年11月に成立した政府予算関連法にマコネル上院議員(共和党)が主導して盛り込んだ条項により、2026年11月12日からヘンプ由来THC製品は容器あたり総THC0.4mgという極めて厳格な基準が適用され、事実上の全面禁止となる見通しでした。この条項は、2018年農業法(ファームビル)でヘンプの合法栽培が認められた際に生じた抜け穴――高濃度THCを抽出・合成したグミやベイプ、飲料が、年齢確認や表示ルールが不統一なまま販売されてきた実態――を塞ぐ狙いで導入されたものです。今回Barr議員とCraig議員が提出した「Lawful Hemp Protection Act」は、この全面禁止に代えて、保健福祉長官(HHS長官)と農務省が所管する新たな規制の枠組みを設けることで、ヘンプ由来THC製品を合法的な市場として存続させることを目指しています。
THC上限・年齢制限・課税をセットで導入
法案の内容によれば、乾燥重量ベースで総THC濃度1%以下という枠を設けたうえで、保健福祉長官が施行後12ヶ月以内に製品ごとの1食分あたりのTHC上限を定めることになっており、基本値として経口製品は5mg、吸引・塗布製品は50mgが示されています。あわせて購入者を21歳以上に制限するほか、合成カンナビノイドの使用を禁止し、原料には国産ヘンプの使用を義務付ける内容も盛り込まれました。財源面では、ヘンプ飲料にTHC1mgあたり5セントの物品税、その他の可食製品にはメーカー年間売上の5%を課す仕組みが提案されています。業界団体のU.S. Hemp Roundtableはこの法案を、全面禁止ではなく規制によって消費者保護と事業継続を両立させる「科学的根拠に基づく解決策」として支持を表明しました。
研究所として注目したいのは、これが単なる延期法案ではなく、課税・上限値・年齢制限をセットにした恒久的な規制枠組みを目指している点です。Barr議員の事務所はホワイトハウスもこの法案を支持していると説明していますが、マリファナ業界やアルコール業界、禁止推進派からの反対もあるとされ、11月の期限が迫るなかで上院を含めた今後の審議の行方が焦点になります。CBD等の合法市場を扱う事業者にとっては、成分ごとの規制動向を引き続き注視する必要がありそうです。

