3行要約

  • 米国ではミズーリ州が独自のヘンプTHC規制を11月12日に施行する構えを見せる一方、業界団体は違憲性を主張して連邦地裁に差し止め訴訟を起こしており、連邦の禁止延期とは別に州レベルの攻防が続いています。国勢調査局の統計では、大麻合法化州の税収がこの5年で158億ドルを超えたことも分かりました。
  • 欧州の葉巻業界では、ドイツでキューバ産シガーを扱う総代理店5th Avenueが親会社株主への制裁の余波で破産手続きに入り、独・墺・ポーランドへの新規供給が止まっています。
  • 本館シーシャでは、ロシアのDARKSIDEがミックスコンテストの受賞レシピを配合比率つきで公開したほか、UNION HOOKAHが宝飾意匠を取り入れた新ラインを発表しました。

今週の動き

米国の大麻・ヘンプ規制をめぐっては、州と連邦のスケジュールのずれが際立つ1週間でした。ミズーリ州は、容器あたり総THC0.4mgを超えるヘンプ由来製品を「大麻」として再分類する州法(House Bill 2641)を11月12日に施行する予定で、これは連邦のヘンプTHC禁止が12月11日まで延期されたこととは無関係に進みます。業界団体Missouri Hemp Trade Associationを中心とするヘンプ事業者は、州法の「合法なヘンプ」と「違法な大麻」の定義が重なり合い「違憲なほど曖昧」だとして連邦地裁に差し止めを求めており、州側は定義に矛盾はないとして却下を求めています。データ面では、米国国勢調査局の統計により、大麻を合法化した州の税収が2021年第3四半期から2026年第2四半期までの5年間で累計158億ドルを超え、直近1年だけでも35億5,000万ドルに達したことが分かりました。州別ではカリフォルニアが5年累計33億ドル超で全体の約2割を占め、ワシントン州が23億ドルで続いています。また、運動と大麻由来成分の関係を扱った新しいレビュー研究では、CBDが運動パフォーマンス自体は高めない一方、運動後48〜72時間の筋肉痛や筋損傷マーカーの軽減には裏付けがあるとまとめられました。

葉巻業界では、ドイツでキューバ産シガーの流通を担う5th Avenue Products Trading GmbHが9月9日、地元裁判所へ破産手続きを申請しました。原因は、親会社Altabana S.L.の株式80%を握るプリンスホールディングスとその創業者チェン・ジー氏が米英EUの制裁対象に指定され、銀行取引が制限されたことです。プリンスホールディングスはハバノス社の株式も50%保有しており、ドイツ・オーストリア・ポーランドへの新規供給は止まっているものの、小売店の既存在庫販売は認められています。管財人は3カ月以内に債権者集会を開く見通しです。

本館シーシャでは、ロシアのDARKSIDEがミックスコンテスト「DARKSIDE LEGENDARY MIX」の受賞作品4点を発表しました。カザン・タガンログ・ヤロスラヴリ・ヴォロネジ各都市のフーカーマスター1名ずつが受賞し、それぞれ1,500 DARK COINを獲得したほか、受賞レシピは既存フレーバーの配合比率まで具体的に公開されています。水タバコ本体メーカーのUNION HOOKAHは、主力シリーズ「Fibonacci」の新ライン「Fibonacci Diamante」を発表しました。イタリアのジュエリー文化に着想を得て、ラインストーンを1粒ずつ手作業で施す装飾が特徴で、素材はステンレスベースの従来シリーズを踏襲しています。

編集部の所感

今週は、米国のヘンプ規制が「連邦」と「州」で別々のタイムラインで動いている実態が改めて浮き彫りになりました。連邦の延期が決まっても、ミズーリ州のように独自基準で先に踏み込む州があり、同じ製品でも州境をまたぐと扱いが変わるという状況は、しばらく続きそうです。ドイツのハバノス代理店破産は、嗜好品の輸入流通が特定の親会社に集中しているほど、直接関係のない制裁のあおりを末端の小売店まで受けやすいという構図を示す事例でした。本館シーシャでは、コンテストの受賞レシピを配合比率まで公開するDARKSIDEの姿勢や、本体メーカーが宝飾分野の意匠を取り入れるUNION HOOKAHの動きなど、フレーバーだけでなく体験・デザイン面での作り込みが目立った週でした。