エアキュアードリーフ
えあきゅあーどりーふAir-Cured Tobacco
エアキュアードは、火を使わず、風通しのよい納屋に葉を吊るして4〜8週間ほど空気で乾かす製法です。乾かすあいだに糖が使われて減り、香ばしい葉になります。バーレー種が代表的な葉です。
長く乾かすあいだに、葉の糖が使われて減ります。できあがりは、糖が少なく香ばしい葉です。
代表はバーレー種で、メリーランドも空気乾燥の葉として挙げられます(バーレー種)。熱で早く乾かして糖を残す製法は、フルーキュアードリーフです。
米国農務省は、エアキュアを「自然な大気の条件で、火を使わずに乾かすこと」と決めています。ただし、湿った日に葉が傷む現象(ハウス・バーン)を防ぐときだけは、火を使ってもよいことになっています。
ハウス・バーンは、湿度が高く、気温が中くらいから高い日に起きます。ケンタッキー大学の資料によると、葉が黒ずみ、重さが大きく減ります。重さが減るのは、主に葉をやわらかく腐らせる微生物(軟腐)の働きによるそうです。
バーレー種では、刈った茎をたいてい畑で3〜4日しおらせてから納屋に吊るす、とWikipediaは書いています。刈った直後は水分が約85%、乾くと約15%まで減ります(ケンタッキー大学の資料)。
バーレー種の場合、ケンタッキー大学の資料が挙げる目安は、1日平均で気温18〜32℃、湿度65〜70%です。外れると、緑が残ったり、傷んだりします。
ケンタッキー大学の資料は、変化を二つの段階に分けています。最初の4〜5日ほどは、酵素の働きです。多糖や二糖が単純な糖に変わり、葉緑素が消えて、葉は黄色くなります。
二つ目の段階は、空気乾燥だけで起きます。5〜10週間ほど続き、酸化の反応が中心です。単純な糖は、酸と二酸化炭素と水に変わります。ポリフェノールは酸化して、茶色になります。糖が減るのは、この段階です。
熱で乾かすフルーキュアドでは、約105°F(約41℃)を超える温度で酵素が働かなくなり、二つ目の段階は起きません。反応の速さを左右する最大の要因は、温度です。10°C上がると約2倍になる、という目安があります。
乾燥の長さは、出典で幅があります。PMIとWikipediaの「Tobacco」の項は4〜8週間です。Mac Baren社は約6週間で、Wikipediaの「Burley tobacco」の項は8週間以上です。
米国農務省の分類(2010年版)では、バーレー種(タイプ31)とメリーランド(タイプ32)は、空気乾燥の「ライト」の区分に入ります。「ダーク」の区分には、タイプ35〜37が入ります。
PMIは、バーレー種の空気乾燥と、オリエント種の天日乾燥を、別の方法として挙げています。オリエント種は屋外に吊るして約2週間、日光で乾かします(サンキュアードリーフ)。ただし米国農務省は、日光で乾かすバージニア種(タイプ37)も、空気乾燥の類に入れています。煙にさらして乾かす製法は、ファイヤーキュアードタバコにあたります。
CLOUDは、バージニア種の葉を特別な方法で空気乾燥させたブラウンバージニアを紹介しています。主な産地は、フィリピンとインドネシアです。色は中程度から濃い茶色で、独特な香りが特徴だと書いています。
CyberChillは、空気乾燥で糖が消費されて低糖・低酸になり、香ばしい風味が生まれると説明しています。CLOUDは、バーレー種を風乾した葉として、ほとんどの糖が除かれると書いています。
米国で2020〜2022年に売られたシーシャ製品40サンプルを分析した論文は、シーシャを二つに分けています。フルーキュアード葉がベースのものと、ダークエアキュアード葉がベースのものです。ダークエアキュアード葉には、検出できる糖がありませんでした。製品の粒は、フルーキュアード葉がベースのものよりずっと細かいそうです。置いておくと液体が下に分かれるのは、ダークエアキュアード葉がベースの多くの製品で見られる性質だと、論文は述べています。
バーレー種の葉は、乾くと何色になりますか?
茶色です。葉は緑から黄色になり、そのあと茶色に変わります。茶色は、ポリフェノールが酸化してできると、ケンタッキー大学の資料は説明しています。
エアキュアードと天日干しは同じですか?
PMIは別々の方法として挙げています。エアキュアードは納屋の中で空気に任せて乾かし、天日乾燥は屋外で日光に当てる方法です。ただし米国農務省は、日光で乾かすバージニア種(タイプ37)も空気乾燥の類に入れています。
バーレー種はいつもエアキュアードですか?
米国農務省の規則では、バーレー種は空気乾燥の葉たばこと定義されています。空気乾燥はバーレー種だけの製法ではなく、メリーランドやブラウンバージニアなどにも使われます。
空気乾燥で糖が少なくなるのはなぜですか?
ケンタッキー大学の資料によると、乾燥の後半に酸化の反応が進み、単純な糖が酸と二酸化炭素と水に変わるためです。熱で乾かす製法は、この後半の段階が起きません。
- PMI Glossary「Tobacco curing」
- 米国農務省 7 CFR 30.13(air-cure の定義)
- ケンタッキー大学「Burley Curing Technology(AEU-93)」
- Mac Baren「Burley Tobacco」
- 米国農務省 7 CFR 30.31・30.38(2010年版)
- Wikipedia「Burley tobacco」
- Wikipedia「Tobacco」(Curing)
- CyberChill「葉タバコ・シャグ・パイプ葉 大辞典」
- CLOUD「シーシャフレーバーに使われるタバコの葉の種類」
- Lauterbach「Waterpipe Tobaccos, Part I」(Contributions to Tobacco & Nicotine Research, 2024)