一般小売販売業
いっぱんこうりはんばいぎょうGeneral Tobacco Retailer
一般小売販売業は、たばこ小売販売業許可の区分のひとつで、特定小売販売業以外のすべてを指します。劇場・旅館・飲食店などの施設の中の売場は特定で、それ以外が一般です。営業所ごとに財務大臣の許可を受け、距離基準と取扱高の審査があります。
一般小売販売業は、たばこ小売販売業許可の2つの区分のうち、「特定小売販売業ではないほう」です。特定に当たらない小売販売業は、すべて一般になります。
区分によって、許可の審査が変わります。一般では、既存のたばこ店との距離と、月間の取扱高を審査します。特定は、距離の基準を満たしているものとみなされ、取扱高の基準もゆるいのが特徴です。
- 特定小売販売業は、劇場・旅館・飲食店・駅・事務所などの、閉鎖性があって人が長くとどまる施設の中の売場です。
- ただし、施設の中でも、一般の人が通る通路に面した売場は、特定から外れて一般になります。
- 飲食店でシーシャのフレーバーを売る場合、どちらに当たるかは、施設の種類と、売場の位置で決まります。申請の前に、財務局かJTに確かめましょう。
たばこ事業法では、消費者に対する製造たばこの販売を「小売販売」と呼びます。これを仕事として行うには、営業所ごとに財務大臣の許可が要ります(たばこ事業法第22条)。許可を受けずに行うと、30万円以下の罰金の対象です(第49条)。
一般と特定の区分は、法律の条文ではなく、施行規則と財務省の取扱要領が決めています。特定小売販売業を定義するのは、施行規則第20条第2号です。一般は、取扱要領が「特定小売販売業以外の小売販売業をいう」と定めています(取扱要領第1章第一の9)。つまり一般は、特定の「残り全部」です。
営業所は、取扱要領では「製造たばこの小売販売を反復継続して行う施設又は設備」のことです。出張販売の場所や、営業所に隣接する自動販売機は、独立した営業所として数えません。
許可全体の手続き(申請先、費用、期間)は、たばこ小売販売業許可の項にあります。特定のほうは特定小売販売業の項です。ここでは、一般の側の審査を中心に見ていきます。
取扱要領の定めを、項目ごとに並べて比べます。
- 距離基準は、一般では審査されます。特定では、満たしているものとみなされます。
- 取扱高の基準は、一般が原則として月間4万本、特定が月間3万本です。大規模な小売店舗(売場面積400㎡以上)の特定では、満たしているものとみなされます。
- 取扱予定高の出し方も、ちがいます。一般は、近くの世帯数をもとにします。特定は、その施設の利用者数をもとにします。
- 許可に付く条件も、ちがいます。一般の条件は、自動販売機を置く場合に関するものです。特定には、売場を施設の内側に向けること、看板を施設の外に出さないこと、施設内に喫煙設備を置くことが付きます。
一般の許可では、予定営業所と、いちばん近い既存の営業所との距離が、基準に達していないと許可されません(取扱要領)。基準は、地域区分と環境区分の組み合わせで、25メートルから300メートルの範囲で決まります。表の全体は、たばこ小売販売業許可に載せています。
測り方は、取扱要領が定めています。予定営業所のお客さん用の出入口の中央から、既存の営業所の出入口の中央まで、人や車が通る道路に沿って測ります。いちばん短い道のりが、基準と比べる距離です。従業員専用や荷物用の出入口は数えません。
道路を隔てている場合は、近くに横断歩道があれば、それを通って測ります。なければ、道路を直角に横切って測ります。横断が禁止された道路では、最寄りの横断歩道を通る決まりです。
そのため、改築で出入口や売場の窓口の位置が変わると、近隣店との距離も変わりえます。近畿財務局のFAQは、この場合に移転の申請が必要と案内しています。
取扱要領には、距離を測らない場合や、基準をゆるめる場合がいくつもあります。一般の許可に関わる主なものを挙げます。
- 最寄りの営業所が「休業店」の場合は、その店との距離を測りません。休業店は、病気療養や改築などの正当な理由がなく、1か月を超えて営業を休んでいる営業所のことです。
- 最寄りの営業所が「低調店」の場合も、測りません。低調店は、直近6か月の1か月平均の販売数が、基準を下回る営業所です。基準は、繁華街が月2万4千本、市街地が1万5千本、住宅地(A)が1万2千本、住宅地(B)が9千本です。
- 予定営業所と既存の営業所の間に、往復4車線以上の道路がある場合も、測りません。ただし、両者の間か、両者の約20メートル以内に横断歩道があり、人の流れがそこを通る場合は別です。
- 地上と地下、または2階以上の、異なる道路に面している場合も、測りません。
- 沖縄県は、距離基準と取扱高基準を満たしているものとみなされます。
このほかにも、廃業した店の跡地での基準の緩和や、大きな団地・駅の周辺の扱いなどがあります。許可から5年以上たった一般小売販売業が廃業した場合は、抽選の決まりもあります。跡地や周辺で、廃業の翌日から30日以内に、基準を満たす申請が2つ以上あるときです(近畿財務局のFAQ)。
取扱高の基準は、予定営業所の月間の取扱予定高が、一定の本数に届いているかを見るものです。一般の原則は、月間4万本です(施行規則第21条)。「本」は、たばこの数量を数える単位です。
予定高は、次のように計算します。まず、予定営業所を中心に半径1,000メートルの円を描き、その中の既存の営業所と、予定営業所を線で結びます。それぞれの垂直二等分線で区切った区域のうち、半径500メートルの円に入る、予定営業所に近い側が、供給見込区域です。
この区域の世帯数に、1世帯あたり月400本をかけると、予定高が出ます。たとえば、区域内の世帯が100世帯なら、100×400で4万本です。ちょうど基準に届く計算です。
川や鉄道、崖などで行き来しにくい地域は、区域に入れません。工場や事務所、レジャー施設などがある場合は、従業員数や利用者数をもとに、本数を足す決まりもあります。
取扱要領には、特定小売販売業から一般小売販売業へ変える申請(営業所が移転しない場合)も出てきます。この場合は、取扱予定高を、変更前の特定小売販売業の販売実績で出せます。
財務省は、2013年の資料で、許可制度の趣旨を説明しています。許可には、既存のたばこ小売店との間に一定の距離が必要です。距離は、25メートルから300メートルの範囲で、地域に応じて決まります。趣旨は、小売店の大幅な増加や乱立で、過度な販売競争が起きるのを避けることです(財務省の資料)。
同じ資料は、たばこ小売販売にあたって、違法な販売を防ぎ、過度な販売競争を避けることが必要だとも書いています。WHOのたばこ規制枠組条約が、違法なたばこ取引を防ぐため、流通の管理と許可制度を定めていることにも触れています。
近畿財務局のFAQは、葉巻や水たばこの販売にも、小売販売業許可が必要と答えています。許可の区分が一般か特定かは、売る場所で決まります。
飲食店の中にたばこの売場を設ける場合は、特定小売販売業になりえます。通路に面した売場は、同じ飲食店の中でも一般です。取扱要領が見ているのは、施設の種類と、売場の位置です。お店が実際にどちらに当たるかは、財務局が判断します。
近隣の店の許可種別は、所在地を伝えれば回答すると、近畿財務局のFAQが案内しています。店内で吸える区分の話は、喫煙目的施設の項にあります。フレーバーの定価の話は、小売定価です。
一般小売販売業とは何ですか?
たばこ小売販売業許可の区分のひとつで、特定小売販売業以外のすべてです。取扱要領が、そう定義しています。営業所ごとに財務大臣の許可を受け、距離基準と取扱高基準の審査があります。
一般と特定は、何がちがいますか?
特定は、劇場・旅館・飲食店などの施設の中の売場で、距離基準を満たしているものとみなされます。取扱高の基準も、一般の月4万本に対し、月3万本です。一般は、距離と取扱高の両方を審査されます。
飲食店のたばこ売場は、一般と特定のどちらですか?
飲食店の中の売場は、特定になりえます。ただし、一般の人が通る通路に面した売場は、一般です。どちらに当たるかは、施設の種類と、売場の位置で決まるので、財務局かJTに確かめてください。
一般小売販売業の許可には、いくらかかりますか?
申請の手数料はかかりません。許可を受けると、登録免許税が15,000円かかります。標準処理期間は、申請書を受理した月の末日から2か月以内です(財務省)。
距離基準は、何メートルですか?
予定営業所の区分によって、25メートルから300メートルの範囲で決まります。既存の営業所が休業店や低調店の場合や、往復4車線以上の道路を隔てる場合など、測らないこともあります。
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