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標本カード

小売定価

こうりていかRetail Price Control

規制・制度シーシャ本館標本番号: retail-price-control
定義

小売定価とは、たばこ事業法にもとづいて品目ごとに定められ、財務大臣の認可を受けた小売価格のことです。小売販売業者は、この価格でしか製造たばこを売れません。値引きも上乗せもできないため、全国どこでも同じ値段になります。水たばこ用のフレーバーもこの制度の対象です。

そもそも、どんな言葉?

小売定価は、財務大臣の認可を受けた、たばこの小売価格です。メーカーや輸入者が品目ごとに「この値段で売る」と決め、国の認可を受けます。

一般の商品の「希望小売価格」とは別物です。希望小売価格は目安で、店は自由に値引きできます。小売定価は法律で守る義務があり、店が上げ下げすることはできません。

シーシャ界隈には「国内認可」という通称があります。この小売定価の認可を受けた状態のことです(認可フレーバー)。店に定価で売る義務を課すこの仕組みは、たばこ定価販売制度と呼ばれます。

定価は誰が、どう決めるの?

定価を決めて申請する側は、店とは別です。日本たばこ産業(JT)と、特定販売業者の2者が担います。特定販売業者は、財務省に登録された輸入元などのことです。

この2者が、品目ごとに1つの小売定価を定めます。製造場から出す時、または輸入する時までに、財務大臣の認可を受けます(たばこ事業法第33条第1項)。申請に手数料はかかりません(財務省の案内)。

審査では、その価格が消費者の利益を不当に害しないかが見られます。特定販売業者の場合は、輸入価格に照らして不当に低くないかも見られます(第34条第1項)。どちらにも当たらなければ、大臣は認可しなければならないと定められています。特定販売業者の定価には、安すぎないかという下限側のチェックもあるわけです。

認可された定価は、官報で公告されます(第35条、施行規則第34条)。財務省の「製造たばこの小売定価の認可」のページでは、認可日ごとのPDFも見られます。

定価を変えるときも、あらためて認可が必要です。実施の時期を定めて、あらかじめ申請します(第33条第2項)。

お店には何が義務づけられる?

義務を負うのは、売る側の小売販売業者です。認可された小売定価でなければ、製造たばこを売ってはいけません(第36条第1項)。また、営業所で売る製造たばこは、品目ごとに小売定価を掲示しなければなりません(第37条)。

例外は財務省令で決まっています。たとえば、小売販売業者どうしが臨時の在庫補充のために売る場合です。仕入れ先に売り戻す場合や、消費税の免除を受けて売る場合もあります(法第36条第1項ただし書き、施行規則第35条)。店が独自の判断で値引きしてよい、という定めはありません。

財務省のFAQは、景品についてこう説明しています。購入を条件に、店が自分の負担で景品などを付けることは、実質的な値引きになるおそれがあるとして、自粛が求められています。

ネットオークションについても説明があります。定価以外の価格で売れば同法違反になり、サイト運営者に削除を要請して是正を図る、とのことです(景品、ネットオークション)。

違反した小売販売業者は、許可の取り消しや、1か月以内の営業停止を命じられることがあります(第31条)。30万円以下の罰金の対象にもなります(第49条)。

なぜ値引きできない制度なの?

財務省の審議会で、事務局は制度の目的をこう説明しています。「零細たばこ店を廉売競争から保護し、消費者が不便なく製造たばこを購入できる環境を維持すること」です(たばこ事業等分科会 令和6年3月19日)。専売の時代の定価制度をすぐに廃止すると、大量販売による安売り競争で小さな店が廃業に追い込まれるおそれがある、という考え方です。

台帳で見る、シーシャ用フレーバーの定価

シーシャデックスは、財務省が公表した認可PDFをもとに、フレーバーごとの定価と変更の記録を台帳にまとめています(2026年10月21日の認可まで)。収録している3,228銘柄を集計すると、次のことが見えてきます。2023年4月より前の記録は、財務省PDFの保存コピーが出典です。

容量が大きいほど、1グラムあたりは安くなります。50g入りの中央値は35円/g、250gは33円/g、500gは31円/g、1kgは25円/gです。大きい容量のほうが割安になりやすい傾向です。

同じ容量でも、ブランドで定価は大きく違います。100gの箱・缶なら、3,500円前後のブランドもあれば、4,400円のブランドも、さらに高いブランドもあります。円/gにすると、前者は35円/g前後、後者は44円/gです。たとえば100gの規格だけで中央値を比べると、Azureが35円/g、DarksideとTangiersが44円/gです。Al Fakherには100gの規格がありません。容量が違う規格を混ぜた比較は避けてください。ブランドごとの順位は円/gランキングで見られます。

同じブランドは、味が違っても同じ定価になりやすいです。たとえば、Al Fakherの50gはすべて1,550円、Samuraiの100gはすべて4,000円です。定価は味ではなく、ブランドと規格で決まる傾向があります。

定価は変わります。2026年10月21日までの台帳では、価格が変わった記録が579件あります。そのうち495件が値上げ、84件が値下げです。たとえばTangiersは、2025年11月5日付の変更認可で、250gを8,500円から10,000円に改めました。逆に、2026年10月21日付では、Serbetliの50g箱が2,000円から1,500円になった例もあります。

認可日と実施日は別です。Al Fakherの50g箱は、2024年10月16日に変更認可され、1,350円から1,550円になりました。台帳に記録されている実施日は2024年11月1日です。認可の日付と、店頭で新しい定価になる日付はずれることがあります。

お店のシーシャ代とは、別の話

小売定価が決めているのは、製造たばこの品目ごとの価格です。台帳に出てくるのは、「50g箱」「250g缶」「100gパウチ」のような、グラム数のついた商品の単位です。

お店で吸うときのシーシャ代やチャージ料、オプション料金は、この一覧に載っていません。箱の定価や円/gの数字から、お店の料金を割り出すことはできません。円/gは、フレーバーの箱や缶そのものの値段を、ブランドどうしで比べるための数字です。

お店がお客さんにシーシャとして提供する場合に、小売定価のルールがどう当てはまるのか。ここで引いた条文や公的資料では、示されていません。気になる場合は、財務省や税関の窓口に確認してください。

よくある誤解

「定価が高い=品質が高い」ではありません。審査で見られるのは、消費者の利益を不当に害しないか、輸入価格に照らして不当に低くないか、です。味や品質の優劣は、評価の対象外です。

「ときどきセールで安くなる」ことはありません。定価より安い販売は、法律上できません。安い価格を見かけたときは、規格(グラム数)や内容量が同じかを確かめてください。

「一覧に載っていない=定価がない」ではありません。財務省のページに載っているのは、2023年4月10日の認可分以降です。古い認可は載っていません。

自分で調べるには?
よくある質問

小売定価とは何ですか?

たばこ事業法にもとづいて、品目ごとに定められ、財務大臣の認可を受けた小売価格です。小売販売業者は、この価格でなければ製造たばこを売ってはいけません(第36条第1項)。水たばこ用のフレーバーも対象です。

シーシャのフレーバーは、お店によって値段が違いますか?

認可を受けた銘柄は、小売販売業者が同じ定価で売る決まりです。違うのはブランドや規格(グラム数)です。同じ品目で同じ規格なら、店ごとの値引きはできません。価格が違って見えるときは、規格や内容量が同じかを確かめてください。

店でシーシャを吸う料金も、小売定価で決まっていますか?

小売定価が決まるのは、製造たばこの品目(箱・缶などの商品)ごとの価格です。財務省の認可一覧に載っているのも、グラム数つきの商品の定価です。お店で吸うときの料金は載っていません。

小売定価は税込みですか?

はい。たばこ事業法施行規則第35条第6号に「小売定価に含まれる消費税額及び地方消費税額」とあり、定価に消費税が含まれることが前提になっています。つまり定価は消費税を含んだ価格です。たばこ税も価格に含まれています(たばこ税)。

定価は変わることがありますか?

あります。定価を変えるには、実施の時期を決めて、財務大臣の認可(変更認可)を受ける必要があります(第33条第2項)。財務省の一覧に「変更認可」と書かれた日付が並ぶのは、そのためです。

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採集記録(出典)

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