喫煙年齢制限
きつえんねんれいせいげんMinimum Smoking Age
喫煙年齢制限は、「たばこは20歳になってから」という日本のルールです。シーシャのたばこ葉にも当てはまります。根拠は、明治33年(1900年)に制定された「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」です。2022年に成年年齢が18歳になっても、喫煙は20歳のままです。本人を罰する規定はありませんが、吸ってよいわけではありません。罰金は売る側(会社を含む)に、科料は18歳未満の子を止めない親権者などにあります。
シーシャのたばこ葉を含め、たばこは20歳から。2022年に成年年齢が18歳になったあとも、18歳・19歳は吸えません。
吸った本人を罰する規定はありません。ただ、それは吸ってよいという意味ではありません。罰や責任は、売る人(会社を含む)と、18歳未満の子の保護者などに向けて定められています。
葉を使わない製品でも、製造たばこ代用品に当たるものは、健康増進法の受動喫煙の防止の規定では「たばこ」に含まれます。20歳未満は、喫煙目的室に入れません(第28条第1号・第35条第7項)。くわしくはノンニコチンと改正健康増進法に書いてあります。
要点は、下の「くわしく知りたい人向け」の手前まで読めば足ります。条文の一つ一つの説明、歴史、年齢確認の考え方は、その後ろにあります。
「喫煙年齢制限」は法律の名前ではなく、「何歳からたばこを吸ってよいか」を決めたルールの呼び方です。
中心にあるのは、明治33年(1900年)に作られた二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律です。正式には明治三十三年法律第三十三号で、全6か条の短い法律が今も現役です。似た言葉を先に区別しておきます。
- 二十歳未満とは、20歳の誕生日を迎える前の人のことです。この法律が喫煙を禁じている相手です。
- 民法で成年(大人)になる前の人は、未成年と呼ばれます。2022年4月からは18歳未満です。
- 民法が「大人」と定める年齢が、成年年齢です。2022年4月1日から18歳になりました。
吸った本人は、喫煙を禁止されています。ただ、本人を罰する刑罰の規定はありません。あるのは、吸うために持っていたたばこと器具の没収です(第2条)。罰がなくても、吸うことは禁止のままです。
保護者には、科料の規定があります(第3条)。対象は、事情を知りながら止めなかった未成年者の親権者などです。ここでの未成年者は18歳未満です。18歳・19歳の人については、止める義務を負う親権者や監督者がいなくなっています(警察庁通達)。ただ、18歳・19歳も吸ってはいけません。第1条の禁止と、売る側の責任はそのままです。
売る人には、年齢確認などの措置が求められます(第4条)。二十歳未満の者が自分で使うと知りながら売れば、罰金です。会社や事業主も罰せられます(第5条・第6条)。罰金になる条件は、条文に「知りて」と書かれています。
お店(施設の管理者)には、売ることとは別の決まりもあります。健康増進法が、喫煙目的室に二十歳未満の者を立ち入らせてはならないと定めています(第35条第7項)。厚生労働省は、喫煙が目的でなくても、従業員でも、立ち入らせられないと説明しています。
日本の制度は、吸った子どもを罰しません。「売らない・入れない・止める」側に責任を置く作りです。
法務省のQ&Aは、成年年齢が18歳に下がっても、お酒とたばこの年齢制限は20歳のまま維持されると明記しています。競馬・競輪などの公営競技も同じです。
揃えなかった理由は、政府の答弁書(平成30年7月24日)が説明しています。飲酒・喫煙の禁止は、健康被害の防止と非行の防止の観点から定められたものです。選挙権年齢や民法の成年年齢とは趣旨が異なるため、必ずしも一致させる必要はない、という説明です。
実際に変わった点が1つあります。警察庁の通達は、18歳・19歳の喫煙を止める義務を負う親権者や監督者はいなくなる、と書いています。第3条が未成年者についての決まりだからです。ただし、18歳・19歳に対しても、第1条の禁止と売る側の責任(第4条・第5条)はそのままです。
- 「18歳で成人だから、シーシャもお酒も18歳から」は誤りです。民法の成年年齢と、喫煙・飲酒の年齢は、決める理由が別です。
- 「法律名が変わったから、中身も変わった」も誤りです。変わったのは題名と言葉の整理で、20歳の線は動いていません。
- 「本人が罰せられないなら問題ない」も誤りです。刑罰がないだけで、第1条の禁止は有効です。店は売れず、入れません。
- 身分証を求められるのは、制度の仕組みだからです。持ち物や使える身分証は、法律と年齢のガイドと、「シーシャは違法?何歳から?」で紹介しています。
- 同伴でも入れません。喫煙目的室には、同行者の二十歳未満の人も入れないからです。仕組みは喫煙目的施設と改正健康増進法で解説しています。
- 店を開く人は、たばこを売るのにたばこ小売販売業許可などが要ります。売る人の年齢確認(第4条)は、シーシャバーの運営に直結します。
ここまで読めば、基本は足ります。 ここから先は、条文の番号・金額・経緯・根拠など、くわしい話です。
条文は文語(カタカナ交じり)で書かれています。今の言葉に直して、順に紹介します。
- 第1条は、二十歳未満の者がたばこを吸うことを禁じています。
- 違反したとき、吸うために持っているたばこと器具は、行政の処分で没収されます(第2条)。刑罰ではなく、行政の処分です。
- 第3条では、未成年者の親権者(親など)が、事情を知りながら喫煙を止めなかったときに科料が科されます。親に代わって監督する人も同じです。科料は、千円以上一万円未満の刑罰です(刑法第17条)。
- たばこや器具を売る人は、二十歳未満の者の喫煙を防ぐため、年齢の確認その他の必要な措置を講じることとされています(第4条)。
- 第5条では、二十歳未満の者に、自分で使うものだと知りながらたばこや器具を売った人は、50万円以下の罰金です。
- 会社や事業主も、第6条で同じ刑を受けます。従業員などが仕事のなかで第5条の違反をしたときは、本人に加えて罰せられます。
条文は「煙草」と書くだけで、紙巻き・加熱式・水たばこを分けていません。シーシャのフレーバーも、たばこ事業法ではパイプたばこの区分のたばこです。制度の仕組みは他のたばこと同じです(たばこ事業法)。
国立国会図書館の日本法令索引によると、もとになった法律案の名前は「幼者喫煙禁止法案」でした。第14回帝国議会に、衆議院議員の根本正ら5人が提出しました(明治32年12月6日)。
衆議院で名前が「未成年者喫煙禁止法案」に改められ、明治33年2月19日に成立しました。公布は3月7日、施行は4月1日です。政府ではなく議員が出した、議員立法でした。
当初は5か条でした。いまの第4条(売る人の年齢確認)は、平成13年(2001年)12月12日公布・施行の改正で付け加えられました。平成13年法律第152号です。もとの第4条・第5条は、第5条・第6条に繰り下がりました。
2022年4月1日には、民法の成年年齢が18歳になるのに合わせて、題名が「未成年者喫煙禁止法」から現在のものに変わりました。「満二十年ニ至ラサル者」という書き方も、「二十歳未満ノ者」に改められました。言葉の整理で、禁止の範囲は変わっていません(警察庁通達)。
第4条は「年齢の確認その他の必要な措置を講じる」と書くだけで、方法は条文にありません。例を示しているのは行政文書です。
平成14年(2002年)に警察庁・厚生労働省・財務省が出した要請文は、年齢確認をこう説明しています。「未成年者と思われる者に対して、口頭で年齢を確認するほか、運転免許証や身分証明書など年齢が分かるものの提示を求めること」です。
つまり、法律が求めているのは「売らない・入れない」という結果です。確認の方法は、現場に任されています。要請文は法律そのものではなく、関係省庁からのお願いです。
成年年齢の引き下げのあと、財務省と警察庁は、民法の成年年齢は18歳でもたばこは20歳だと知らせるポスターを作りました。小売販売業者には、店頭に掲示するよう呼びかけています。
シーシャは何歳から吸えますか?
20歳からです。二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律で、20歳未満の喫煙は禁止されています。2022年に民法の成年年齢が18歳になりましたが、お酒やたばこの年齢制限は20歳のまま維持されています(法務省の民法改正Q&A)。
二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律とは何ですか?
明治33年(1900年)に作られた、全6か条の法律です。20歳未満の者の喫煙を禁じています。二十歳未満の者に自分で使うと知りながらたばこを売った人に、50万円以下の罰金を科すなどの決まりもあります。旧名は「未成年者喫煙禁止法」で、2022年4月1日に現在の題名に変わりました。
18歳でも喫煙が禁止なのはなぜですか?
飲酒・喫煙の禁止は、健康被害の防止と非行の防止のために定められたものだからです。民法の成年年齢とは趣旨が異なるため、必ずしも一致させなくてよいというのが政府の説明です(平成30年7月24日の答弁書)。
二十歳未満が吸うと、本人は罰せられますか?
この法律に、本人を罰する刑罰の規定はありません。あるのは、吸うために持っているたばこと器具を行政の処分で没収する規定です(第2条)。罰則がなくても、吸うことは禁止のままです。罰則の中心は、売った人と、止めなかった親権者などにあります。二十歳未満の者に自分で使うと知りながら売った人は、50万円以下の罰金になります。会社や事業主も同じ扱いです。止めなかった側では、事情を知りながら未成年者(18歳未満)の喫煙を止めなかった親権者などが対象です。
年齢確認は、どんな方法でするのですか?
法律は方法を定めていません。国の要請文(平成14年)は、未成年者と思われる人に口頭で年齢を確認することを例に挙げています。運転免許証や身分証明書など、年齢が分かるものの提示を求めることも、例に挙げています。
この語に関連するサイト内のページです。
- シーシャ店は外国人も入れる?年齢確認と英語の注文例2026-10-25
- シーシャは違法?日本の法制度の全体像2026-07-18
- e-Gov法令検索「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」(明治三十三年法律第三十三号)
- 警察庁「民法の一部を改正する法律による未成年者喫煙禁止法等の一部改正について(通達)」(平成30年6月20日)
- 法務省「民法(成年年齢関係)改正Q&A」
- 衆議院「成年年齢の十八歳への引き下げ等に関する質問に対する答弁書」(平成30年7月24日)
- 国立国会図書館 日本法令索引「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」
- 衆議院 制定法律情報「未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律」(平成13年法律第152号)
- 財務省・警察庁・厚生労働省「未成年者喫煙防止対策の取組みについて(要請)」(平成14年2月18日)
- 財務省「二十歳未満の者の喫煙防止ポスターの掲載について」
- e-Gov法令検索「刑法」第15条・第17条
- e-Gov法令検索「健康増進法」第35条
- 厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」喫煙を主目的とする施設
- シーシャは違法?日本の法制度の全体像