3行要約
- CBDシーシャは、大麻草に含まれるCBDを加えたシーシャの呼び名で、酔いを起こすTHCとは別の成分です。ただし中身は商品ごとに違います。
- 日本では、製品に含まれるΔ9-THCが国の基準を超えると「麻薬」の扱いになります。客が自分で測ることはできないため、成分表示と分析結果を店や販売元に聞くのが確かな手段です。
- 吸うとどうなるかは、シーシャの形では調べた研究が見つかっていません。効果は断定できず、シーシャ自体の健康リスクも別にあります。
CBDシーシャって何?
CBDシーシャは、CBD(カンナビジオール)を加えて楽しむシーシャのことです。CBDは大麻草に含まれる多数の成分(カンナビノイド)のひとつで、酔い(精神作用)を起こす成分として知られるTHC(テトラヒドロカンナビノール)とは別の物質です(CBD、THC)。
呼び名が指す中身は、一つではありません。国内の解説(CLOUD、2023年)は、作り方を二つに分けています。製造の段階でCBDを混ぜたフレーバーを使う方法と、ふつうのフレーバーにCBDオイルを数滴足す方法です。用語辞典のCBDシーシャでは、CBDオイルを加える、またはCBDを含む製品を加熱するもの、と整理しています。
ふつうのシーシャと何が違う?
違いはCBDが入っているかどうかで、道具や吸い方はふつうのシーシャと同じ枠に収まります。たばこ葉のフレーバーにCBDオイルを足したものは、たばこ葉由来のニコチンも含みます。ニコチンを含まないハーバルシーシャやニコチンフリーのベースにCBDを足した場合は、別の話です。どちらなのかは商品ごとに異なり、一括りにはできません。ニコチンなしの製品の考え方は、ノンニコチンのシーシャにあります。
| 項目 | ふつうのシーシャ | CBDシーシャ |
|---|---|---|
| 加えるもの | なし | CBD(フレーバーに配合、またはオイルを追加) |
| ベース | たばこ葉、またはハーブ系 | 商品により、たばこ葉もハーブ系もありうる |
| 大麻(THC)との関係 | 無関係 | 原料は大麻草。製品中のΔ9-THC量が法的な分かれ目 |
大麻とCBDは何が違う?
一般に「大麻」で問題になる酔いの作用はTHCによるものです。CBDは、WHOの審査で精神作用が認められなかった成分です。WHOの薬物依存専門委員会は2018年6月の会合で、CBDは精神作用がなく、乱用や依存の可能性もないと判断しました。そのうえで、純粋なCBDの製剤を国際管理の対象にしないよう勧告しています。
ただ、WHOが述べたのは「純粋なCBD」についてです。大麻草から作る以上、製品にTHCが混じる可能性は残ります。神奈川県衛生研究所の解説は、CBD製品からTHCが検出された例が複数報告されていると述べています。
日本の規制は?客でも罪になる?
基準以下の製品なら罪にはなりません。ただ、基準を超えるΔ9-THCを含む製品は「麻薬」にあたり、客として吸っても施用罪の対象になります。日本では、製品に含まれるΔ9-THCの量で「麻薬」かどうかが決まります。厚生労働省によると、令和6年(2024年)12月12日に改正法の一部が施行され、国が定めた基準(残留限度値)を超えるΔ9-THCを含む製品は「麻薬」に該当します。基準以下の製品は、麻薬としての規制の対象になりません。あわせて、大麻等の不正な施用(使うこと)にも、麻薬及び向精神薬取締法の禁止規定と罰則(施用罪)が適用されます。
つまり、基準を守った製品を使うのと、基準を超えた製品を使うのとでは、扱いが分かれます。ただし客には、目の前のシーシャの中身を測る手段がありません。だから「この商品のΔ9-THCは基準以下か」「分析結果を見せてもらえるか」を店や販売元に聞くことが、いちばん確かな確認になります。個別の製品が基準に合っているかどうかは、この記事からは判断できません。基準の考え方はTHC残留基準値、法改正の全体像は改正大麻取締法・大麻使用罪で整理しています。
20歳未満は入店できません。身分証や例外の話は何歳から?身分証は必要?にまとめています。
具体的な基準値(残留限度値)は、厚生労働省の施行案内で確認できます。主に製造や販売をする側が使う数字なので、客が覚える必要はありません。
吸うと何が起きる?分かっていることと、いないこと
CBDシーシャで何が起きるかを直接調べた研究は、見つかっていません。参考になるのは、別の形でCBDを摂った研究です。
- 米国の実験室研究(2020年)では、大麻をたまにしか使わない健康な成人18人に、CBD100mgを気化して吸ってもらいました。1回の量での結果で、THCに特徴的なパラノイア(強い不安感や疑い)の増加は見られず、思考や運動の能力の低下も観察されませんでした。一方で、気化したCBDは「薬の効果が好ましい」などの自己評価を、偽薬(効果のない薬)より高くしました。CBDを吸っても何も感じないわけではない、ということです。
- 2024年のレビューは、CBDを摂った人に、食欲の変化、胃腸の不快感、疲労、肝臓の数値(肝酵素)の上昇が報告されているとまとめています。著者自身が「リスクを評価するものではない」と断っており、動物のデータは純粋なCBDとは異なりうるとも述べています。
分かっていないのは、リラックスや睡眠への効果がシーシャで得られるかどうか、長期の影響、そして吸引時の肺への影響です。国内の解説にはストレス緩和や睡眠の質向上を挙げるものもありますが、それを裏づける研究は確認できていません。CBDを足しても、シーシャの煙や炭に伴う一酸化炭素などのリスクがなくなる根拠はありません(シーシャの健康リスクを科学的に整理する、炭については炭のやけど・火災・CO)。
選ぶときに気をつけたいことは?
「CBDなら大麻と同じ」「CBDなら無害」は、どちらも言い切れません。CBDそのものは大麻ではありませんが、製品のTHC量はまちまちになりえます。店や販売元に聞きたいのは、次の三つです。
- 成分表示に、CBD以外に何が書かれているか
- THCの量が分かる分析結果を見せてもらえるか
- ベースにたばこ葉(ニコチン)が含まれるか
基準は今後どうなる?
2024年12月の施行で、製品中のTHC量を軸にした基準が国から示されました。今後の運用や基準は、厚生労働省の発表で更新されうるものです。CBDの研究は、運動後の回復に関するレビューでも取り上げました。
つらい症状や持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、CBDシーシャを試す前に主治医に相談してください。妊娠中の人は、妊娠・喘息・持病とシーシャも読んでみてください。この記事は医療上の助言ではありません。


