3行要約
- ノンニコチンのシーシャは、たばこ葉の代わりにサトウキビの葉・フルーツ・茶葉・鉱物の粒などを使います。ニコチンはありませんが、リスクがゼロになるわけではありません。
- 2012年の実験では、一酸化炭素や煙の粒子の量はたばこ入りと差がありませんでした。差が出たのはニコチンだけです。炭で温める点は同じで、一酸化炭素の問題は残ります。
- 店舗DB(掲載2,319店、閉業・休業・状況不明を含む)では、公式サイトなどで対応を確認できた店が170店。確認できていない店も多いので、行く前に店に聞くのが確実です。
20歳未満は入店できません。身分証や例外の話は何歳から?身分証は必要?にまとめています。妊娠中や持病がある場合は、ノンニコチンでも影響がないと確かめた研究は見つかっていません。分かっていることと分かっていないことは、妊娠中・喘息・持病でシーシャは?にまとめています。
ノンニコチンのシーシャとは?
ノンニコチンのシーシャは、たばこ葉を原料にせず、ニコチンを含まないフレーバーを使って楽しむシーシャです。業界メディアのCLOUDは、原料としてサトウキビの葉、フルーツ、茶葉、ハイビスカスティーの葉、スチームストーンを挙げています。
スチームストーンは、グリセリンを含ませた鉱物の粒です。洗って繰り返し使えるのが特徴だとされます(詳しくは用語辞典のスチームストーン)。たばこ葉を使わないフレーバー全般は、ハーバルシーシャやニコチンフリーとも呼ばれます。呼び方は店やメーカーでゆれます。メニューの言葉だけでは、中身は決まりません。
| 原料の系統 | 例(CLOUDが挙げるもの) | 補足 |
|---|---|---|
| サトウキビの葉 | Hydro Herbal、Soex、Sophies | 煙が濃く、立ち上がりが速いとされる |
| フルーツ | DeCloud、旬(SHUN) | 喉に引っかかる感覚が少ないとされる |
| 茶葉 | 国内ブランドもある | 香ばしさが後半まで残るとされる |
| スチームストーン | Shiazo など | 鉱物の粒にグリセリンを含ませたもの |
使い方は、通常のシーシャのフレーバーを入れる場所に、これらを入れるだけです。SHISHA CAFE JAPANは、ニコチンの量を調整するために、たばこ葉のフレーバーと混ぜて使う場合もあると説明しています。混ぜたなら、ニコチンが入っていることになります。
店では何を確かめる?
まずメニューに「ノンニコチン」「ハーバル」「ニコチンフリー」などの記載があるかを見ます。そのうえで、注文の前にスタッフに聞くのが確実です。聞くことは3つです。
- たばこ葉を使っていないフレーバーか
- ニコチン入りのフレーバーと混ぜていないか
- ボウル(フレーバーを入れる器)やホースは、ニコチン入りのものと分けて使っているか
SHISHA CAFE JAPANは、ニコチンが苦手と伝えると、濃さやブレンドを調整してもらえることがあると案内しています。ただ、店ごとに対応は違います。行く前に公式サイトやSNSで確認すると安心です。初めての来店の流れは、はじめてシーシャバーに行く日のガイドにまとめています。
ニコチンゼロなら安全?
ニコチンがなくなっても、シーシャの害がなくなるわけではありません。2012年の実験(Shihadehほか)では、31人の吸い方を再現した機械で、たばこ入りとたばこ葉不使用のフレーバーを比べました。数字は1回の使用あたりの平均値です。
| 測ったもの | たばこ入り | たばこ葉不使用 | 結果 |
|---|---|---|---|
| ニコチン | 1.04 mg | 測定できず | 差あり |
| 一酸化炭素(炭から出る有毒ガス) | 155 mg | 159 mg | 差なし |
| タール(煙の粒子の成分) | 464 mg | 513 mg | 差なし |
| ベンゾ[a]ピレン(発がん性が疑われる物質の一つ) | 51.8 ng | 66.1 ng | 差なし |
「差なし」は、統計的に見分けられる差が出なかったという意味です。著者らは、「ハーブ系は健康的な代替品」という宣伝は、この結果と食い違うと書いています。
2019年の別の実験(Perraudほか)でも、一酸化炭素は主に炭から出ること、水を通しても気体の成分はあまり取り除かれないこと、吸い始めの10分に極めて小さい粒子が多く出ることが報告されました。この実験に使われたニコチンを含まないハーブ系の製品では、揮発しやすい成分が他の製品より多めに検出されました。
一方で、これらの実験が示していないことも多くあります。どちらも実験室の機械による測定で、実際に吸った人の病気のなりやすさを調べたものではありません。調べた製品の数も限られ、すべてのノンニコチン製品に当てはまるとは言えません。ニコチンが少ないぶん依存が起こりにくいのか、長く続けたときの影響はどうか、も分かっていません。一酸化炭素の仕組みは、一酸化炭素とシーシャの健康リスクを科学的に整理した記事にまとめてあります。
ニコチンを避けたい人がよく心配する「ニコクラ(ニコチンによる気分の悪さ)」も、ノンニコチンなら起きない、とは言えません。炭の一酸化炭素でも似た症状が出うるからです。気分が悪くなったときの動き方は、ニコクラの対処の記事を見てください。つらい症状がある、持病がある、妊娠中という場合は、主治医に相談してから決めましょう。
日本の法律では、どう扱われる?
ニコチンの有無は、法律上の扱いを決める条件に入っていません。たばこ事業法第2条は「製造たばこ」を、「葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたもの」と定めています。たばこ葉を使う製品は、ニコチンを減らしてあっても、この文言に当たると読めます。
サトウキビの葉やフルーツ、茶葉など、たばこ葉を使わない製品は、この定義の外にあります。ただし第38条は、製造たばこ以外のもので喫煙用に供されるもの(麻薬や医薬品などを除く)を「製造たばこ代用品」とし、製造たばことみなして法を適用するとしています。受動喫煙対策の健康増進法も、第28条で「たばこ」に製造たばこ代用品を含めています。ノンニコチンの葉やリキッドがこの代用品に当たるかは、個別の製品ごとの判断になります。当局の公的な見解は公表されていないため、断定はできません。
炭を使わない電子式の「ポケットシーシャ」の扱いは、電子シーシャの3種類の整理のほか、規制の空白の記事と業界の自主規制の記事にあります。シーシャ全体の法制度は、「シーシャは違法?何歳から?」を読んでください。
対応している店はどれくらい?
シーシャデックスの店舗DB(掲載2,319店、閉業・休業・状況不明を含む。2026年10月25日時点)のうち、ノンニコチンに対応していると確認できたのは170店です。いずれも店の公式サイトなど、店側の情報で確かめたものです。
DBに記録しているのは「対応している」場合だけです。残りは「対応していない」のではなく、「確認できていない」店です。実際に吸える店はこれより多い可能性が高いので、数字は目安として見てください。
これから、どうなる?
ニコチンを含まないフレーバーは、国内でも紹介が続いています。CLOUDも2021年6月に、特徴と代表ブランドの解説記事を公開しました。一方で、ポケットシーシャを巡る報道(2026年7月)をきっかけに、ニコチンのない製品を法律がどう扱うのかが、改めて問われています。ノンニコチンの扱いについて当局の見解が出るかどうかが、今後の焦点です。
健康面の基本は、健康リスクの基礎知識にまとめています。
この記事は医学的助言ではなく、診断や治療の代わりにもなりません。


