3行要約
- 本館シーシャでは、ロシアで通販サイトの一斉ブロック制度が本格運用に入る一方、パキスタン・イスラマバードでは高裁の「合法店には手を出すな」という命令と地区行政の「全面禁止」方針が真っ向から食い違う事態になりました。
- 事業面では、水タバコブランドODUMANの国内代理店fAir Japanが仏QUASARの独占代理店にもなったほか、Al Fakher親会社のAIR GlobalがNasdaq上場後初の決算で増収も最終赤字を計上しました。
- 別館では、大麻事業ライセンスの州民優遇制度を違憲だとする連邦最高裁への上告と、医療大麻による10年間のオピオイド使用量89.8%減少を示す長期研究の2件が並びました。
今週の動き
シーシャの規制面では、対照的な2つの動きがありました。ロシアでは2026年9月1日から、シーシャ・タバコ製品の通信販売を案内する違反サイトを一斉にブロックする制度が本格運用に入り、公共交通機関の停留所での小売販売も原則禁止になりました。2027年3月からはライセンス制度の導入も予定されています。一方、パキスタンの首都イスラマバードでは、高等裁判所(IHC)が9月12日、合法営業のシーシャ店への強制的措置を禁じる命令を出したにもかかわらず、その直前の審理を受けて地区行政がNOC保有店も含む全店の完全禁止を発表しており、命令と現場対応が食い違ったまま次回審理(10月13日)を迎えます。
事業面では、水タバコブランドODUMANの国内代理店を務めるfAir Japanが、フランス発のシーシャブランドQUASARについても国内独占代理店として取り扱いを開始したと報じられました。QUASAR製品は代理店契約以前から国内の複数通販店で扱われており、窓口の一本化が今後の流通にどう影響するか注目されます。また、Al Fakherの親会社AIR Global Plc(Nasdaq: AIIR)は上場後初となる2026年上半期決算を発表し、売上高は前年同期比3.7%増の2億690万ドルとなった一方、出荷量自体は9.0%減少しており、増収は主に価格改定によるものでした。ホルムズ海峡の混乱によるサプライチェーンコストやSPAC上場関連費用が重なり、最終損益は8,180万ドルの赤字となっています。
別館では、大麻・葉巻それぞれで注目すべき動きがありました。米国では、ミシガン州在住の起業家が、ワシントン州とサクラメント市の大麻事業ライセンス制度が州民を優遇し州外居住者を排除しているのは違憲だとして、連邦最高裁に上告を申し立てました。巡回区裁判所の判断はすでに割れており、統一判断が必要だと主張しています。医療分野では、慢性腰痛患者1,000人を10年間追跡した観察研究で、医療大麻を使った患者のオピオイド使用量が平均89.8%減少し、痛みのスコアも84.2%低下したことが分かりました。葉巻業界では、Cigar Journalの読者投票制「Cigar Trophy Awards 2026」の受賞結果が発表され、産地別のベストブランド・ベストシガーに加え、ドミニカの名門メーカー、ホルヘ・パドロン氏が功労賞に選ばれました。
編集部の所感
今週は、シーシャという同じ嗜好品をめぐって、ロシアの「販売経路を締め付ける」規制とパキスタンの「店舗の営業可否そのものが宙に浮く」規制という、性格の異なる2つの規制圧力が同時に観測されました。特にイスラマバードのケースは、規制の中身以前に「誰が何を根拠に規制するか」という手続き面でこじれており、規則が固まるまで現場の店舗が判断に迷う状態が続きそうです。事業面では、Al Fakherの決算が示すように、地政学リスク(ホルムズ海峡)が実際の出荷量に直接跳ね返る構図が改めて確認できました。国内代理店の一本化(QUASAR)のような静かな動きも、供給網の変化として引き続き注視したいと思います。