ココナッツ炭
ここなっつずみCoconut Charcoal
ココナッツ炭は、ヤシの実の殻を炭にして粉にし、でんぷんで固めて成形したシーシャ用の炭です。着火剤は含まず、火をおこすのに電気コンロなどで10〜15分ほど(Kaloudの目安)かかります。そのかわり、においが出にくい炭です。燃焼時間は製品や大きさで違い、メーカー表示では45〜90分ほどの例があります。
- 買う前に、サイズと形が手持ちのボウルやHMDに合うかを確かめます。原料の表示(ヤシ殻・でんぷん・水など)も見ます。それから、火をおこす道具(電気コンロやチャコールバーナー)が自宅にあるか、お使いの機器の説明書で炭に使えるかも確認します。
- 時間の目安は、火をおこすのにKaloudの目安で10〜15分、使える温度まで15〜20分です。燃焼時間は出典により45〜90分です(製品表示・メーカー案内、大きさや銘柄で変わる)。
- 一酸化炭素は出ます。 ココナッツ炭でも、炭を燃やす以上は換気が前提です。東京都の発表では、約10平方メートルの閉め切った空間で水たばこを使うと、濃度が約300ppmまで上がりました。
ココナッツ炭は、ヤシ殻(ココナッツの実の硬い殻)から作った炭です。シーシャ用に形を整えてあります。「ココ炭」「ココナッツチャコール」とも呼ばれます。
天然炭(着火剤なし)は、火を近づけるだけでは着けられず、電気コンロやチャコールバーナーで熱して火をおこす炭の総称です。ココナッツ炭はこの仲間で、ほかにオガ炭などがあります(天然炭・オガ炭)。
クイックライト炭は、着火剤が入っていて、火を近づけるとすぐ着く炭です。ココナッツ炭とは別の種類です(クイックライト炭)。
キューブやフラットは素材の名前ではなく炭の「形」の呼び名で、同じココナッツ炭に形違いがあります。
原料はヤシの実の殻です。炭メーカーの解説によると、殻を窯で蒸し焼き(炭化)にして、細かい粒に砕きます。同じ解説では、そこに結着剤を混ぜて押し出し機で固め、切り分けて乾燥させるとされています。結着剤は、タピオカなどのでんぷんです。
Al Fakherの製品表示では、原料は「ココナッツの殻、でんぷん、水」で、インドネシア製です。人工の結着剤は使っていないそうです。インドネシアの炭メーカーの解説には、でんぷんは全体のうち数パーセントほどで、多すぎるとにおいが出て早く燃えると書かれています。どちらもメーカー側の説明で、第三者の試験結果ではありません。
メーカーの解説によると、炭化が足りない殻や、でんぷんに十分に熱が入らなかった製品は、点火したときにいやなにおいが出やすいとされています。国内の業界サイトCLOUDも、ココナッツ炭にも品質のばらつきがあり、異臭のするロットに当たった経験があると書いています。
「ココナッツ炭だから必ず無臭」というわけではありません。作りの良いものが無臭に近い、と考えるのが実際に近い言い方です。
同じココナッツ炭でも、形で使い勝手が変わります。
- キューブは立方体で、一辺25mmが最も一般的な大きさとされています(Al Fakherのキューブは25mm×25mm×25mmと表示)。ゆっくり燃えて安定しやすい反面、置く面積が大きくて火力も強く、細かい調整は難しいと言われます(キューブ炭)。
- フラットは、キューブを平たくした形です。メーカーの解説では、キューブより燃料が少なく、早く温まって早く燃え尽きるため、炭を替える間隔は短くなりがちだとされています(フラット炭)。
どの形が良いかは、使うボウルと熱の管理器具(HMD)で変わります。形が違っても、原料と火のおこし方の考え方は同じです。
数字は、炭の大きさ・密度・銘柄・空気の流れで変わります。
- 国内の業界サイトCLOUDでは、最高品質のココナッツ炭は約1.5時間燃えるとされています(一例)。
- Al Fakherのキューブ(25mm角)は、製品表示で「少なくとも90分」です。
- Kaloud(HMDメーカー)は、目安を1個あたり45〜90分としています。大きさ・密度・銘柄・空気の流れで変わると断っています。
- クイックライト炭は、Three Kingsが着火後「ほぼ1時間」燃えると案内しています。Kaloudは20〜40分としています。
燃焼時間は、製品やサイズによって短い場合も長い場合もあります。「1.5時間」は、その最長の例です。お店で1台の途中に炭を替えるのは、炭が燃え尽きるのを待たず熱を保つためです。炭1個の持ち時間より短い間隔で替えます(炭替え、時間制)。
- 着火の早さがまず違います。クイックライト炭は、ライターで着けて20〜30秒ほどで着火すると、Three Kingsは案内しています。ココナッツ炭は、電気コンロなどで熱して火をおこすのに、Kaloudの目安で10〜15分かかります。使える温度までは15〜20分ほどです。Al Fakherも、電気のチャコールバーナーで十分に熱するよう案内しています(チャコールバーナー)。
- 燃え方は、Kaloudが灰の違いで比べています。ココナッツ炭の灰は「少なく、締まった灰」、クイックライト炭の灰は「多く、ほろほろした灰」と書いています。
- においについて、Kaloudによると、クイックライト炭では着火剤の残りが最初の数口に出ることがあり、ココナッツ炭は無臭に近いそうです。ただしクイックライト炭にも、においがないとうたう製品があります(Three Kingsは自社の炭を無臭・無味と案内)。メーカーの自己申告どうしなので、製品ごとに確かめる必要があります。
温度について、ドイツの販売店mozeshishaの解説では、ココナッツ炭は650〜750℃ほどに達するとされています(空気の量や燃えた時間で変わる)。これは炭そのものの温度で、フレーバーに伝わる熱とは別です。実際の熱はホイルやHMDで調整します。
灰については、Al Fakherが製品表示で「灰分2〜3%」と書いています。灰分とは、燃やしたあとに残る灰の重さの割合です。これもメーカーの表示値で、測り方は示されていません。炭の表面が白〜灰色の灰におおわれると、ふつうは火が回って使える状態になり、そこからさらに燃え進むと弱っていく、というのが目安です。
よくある誤解は、「ココナッツ炭は自然素材だから体に害がない」「クイックライト炭よりも安全」というものです。米国のCDC(疾病予防管理センター)は、シーシャで熱源に使う炭が、高い濃度の一酸化炭素を出しうると説明しています。一酸化炭素は無色・無臭で、気づかないうちに中毒になる気体です。
東京都の試験(2025年3月発表)では、約10平方メートルの閉め切った空間で水たばこを使うと、一酸化炭素の濃度が約300ppmまで上がりました。ppmは、空気100万個のうちの個数を表す単位です。東京都は、300ppm程度では1〜2時間で頭痛や吐き気が出る可能性があり、周囲の人にも同じ危険がある、と述べています。
この発表には、炭の種類の記載がありません。炭を燃やす以上、種類に関わらず換気が前提になります。体調に異変を感じたらすぐに使用を中止し、換気扇や窓・扉で空気を入れ替えます。
詳しい数字と対策は、一酸化炭素とシーシャの健康基礎知識にまとめています。
- 「ココナッツ炭は必ず無臭」 という誤解があります。作りが良ければ無臭に近いものの、品質にばらつきがあります。炭化や結着の不足でにおいが出る製品もあります。
- 「ココナッツ炭なら一酸化炭素は出ない」 も誤解です。炭を燃やす限り出ます。CDCも、炭が発生源だと説明しています。
- 原料の表示も見ておきましょう。「ココナッツ殻・でんぷん・水」のように原料が書かれていて、化学的な結着剤などの表示がないものを選ぶ手がかりになります。
- 手持ちのボウルやHMDに合うサイズと形かは、先に確認します。
- 家で使うなら、電気コンロやチャコールバーナーで、黒い部分が残らないよう全体を赤くします。半焼けはにおいの原因になります。IHやガスのコンロが使えるかは、お使いの機器の説明書で確認してください(炭の扱いは炭替えも参照)。
- やけどと火事にも気をつけます。東京都は、燃焼した炭や周辺部分は高温になるためやけどに注意し、本体がぐらついて倒れると炭が落下して火災になるおそれがある、としています。トングで確実に扱い、安定した場所で使います。
ココナッツ炭とは何ですか。
ヤシの実の殻を炭にして粉にし、でんぷんなどで固めて成形した、シーシャ用の炭です。着火剤が入っていないので、電気コンロなどで10〜15分ほど熱して火をおこして使います(Kaloudの目安)。
ココナッツ炭は何分くらい燃えますか。
製品や大きさで違います。Al Fakherのキューブ25mmは「少なくとも90分」の表示です。Kaloudは45〜90分(大きさや銘柄で変わる)と案内しています。国内の業界サイトCLOUDによると、最高品質のものでおよそ1.5時間です。
クイックライト炭とは何が違いますか。
いちばんの違いは着火剤の有無です。クイックライト炭はライターで数十秒で着火し、ほぼ1時間燃えるとThree Kingsは案内しています。ココナッツ炭は火をおこすのに時間がかかりますが、においが出にくく、灰も締まっている、とKaloudは比べています。
キューブとフラットはどちらが長持ちしますか。
メーカーの解説では、キューブのほうが燃料が多くゆっくり燃え、フラットは早く温まりますが燃え尽きるのも早いとされています。
ココナッツ炭は一酸化炭素が出ませんか。
炭を燃やす以上、出ます。CDCも、シーシャの炭が高い濃度の一酸化炭素を出しうると説明しています。炭の種類にかかわらず、換気が必要です。
この語に関連するサイト内のページです。
- 炭と熱管理の科学 — なぜ同じフレーバーでも店によって味が違うのか2026-07-18
- Al Fakher「Al Fakher Cube Coconut Hookah Charcoal」(Hookah.com掲載の製品表示:原料・サイズ・燃焼時間・灰分)
- Kaloud「Charcoal for Hookah」(形状・燃焼時間・クイックライトとの比較)
- Three Kings「Charcoal」(クイックライト炭の着火時間・燃焼時間)
- charcoal.pro「Coconut Charcoal Briquette Factory」(インドネシアの炭メーカーによる製法の解説)
- CLOUD SHISHA MEDIA「ココナッツ炭のメリット」
- CLOUD SHISHA MEDIA「シーシャに使う炭の種類とおすすめの炭について」
- 米国CDC「Hookahs」(炭が一酸化炭素の発生源になること)
- 東京都「水たばこ(シーシャ)一酸化炭素中毒の危険」(2025年3月報道発表:約10平方メートルで約300ppm・注意事項)
- CLOUD「シーシャではココナッツ炭を使うべき理由3選」
- mozeshisha(ドイツの販売店)「What temperature reaches hookah charcoal?」(ココナッツ炭は650〜750℃)