ヒートマネジメントデバイス
ひいとまねじめんとでばいすHeat Management Device / HMD
ヒートマネジメントデバイス(HMD)は、シーシャ用の器具です。ボウルの上に載せて炭を収め、炭とタバコ葉の距離や空気の通り道で、熱の伝わり方を調整します。アルミホイルに代わる火力管理の道具で、Kaloud Lotusをはじめ多くのメーカーから発売されています。「ヒートマネジメント」「HMS」とも呼ばれます。
HMDは、ヒートマネジメントデバイスの略です。炭を入れてボウルに載せ、ボウルに届く熱を調整する器具の総称です。海外のショップやレビューでは、この言い方が一般的です。
日本の通販やメディアでは、「ヒートマネジメント」という短い呼び方もよく見ます。意味はHMDと同じです。
ややこしいのが「HMS」(ヒートマネジメントシステム)です。日本のメディアには、HMSをHMDと同じ意味の総称として使う例があります。一方で、ドイツのSteamulationの製品名にも「HMS」が入っています。こちらは1つの製品を指す別の言葉です。スチームレーションの項に書いています。「HMS」と書かれていたら、総称なのか製品名なのかを文脈で見分けてください。
「ロータス」はKaloud社の製品名です。HMDの代表格として広まったので、同じ形のものを「ロータス系」「ロータス型」と呼ぶこともあります。ロータスの項に詳しく書いています。
蓋のようにボウルへかぶせるタイプは、ターキッシュリッドと呼ばれます。HMDの一種として扱われます。
シーシャは、炭の熱でフレーバーを温めて、出てきた煙を吸う道具です。熱が強すぎると葉が焦げます。弱すぎると煙が出ません。
この熱の強さを決めるのが、炭とタバコ葉のあいだの距離と、空気の通り道です。
アルミホイル方式では、ボウルにホイルを張って穴を開け、その上に炭を直接置きます。熱はホイルを通して葉へ届きます。ホイルは炭と葉を隔てる役目で、穴の数や大きさが空気の通り道になります。この仕組みはWikipedia英語版にも載っています。
HMDは、炭を器具の中に収め、器具ごとボウルの縁に載せます。炭は葉の真上ではなく、器具の金属の上にあります。だから葉とのあいだに、一定の隙間と金属の層ができます。
Kaloudは、HMDをこう説明しています。ホイルの代わりに炭を葉の上方に保ち、熱を細かく調整できる道具で、セッションが長持ちして味もきれいに保てる、というものです(Kaloud)。
熱が伝わる道は、金属を通るものと、炭で温められた空気の2本立てです。
ロータス型について、CLOUDはこう説明しています。空気は下の隙間から入って器具の中を通り、熱くなって上の隙間から抜けます。持ち手のついた蓋を閉じると、熱がこもって葉へ届く熱が増えます。開けると下がります。器具の底の凹凸は、炭と底面が密着して空気が通らなくなり、火が消えるのを防ぐ工夫だそうです(CLOUD)。
どちらが上という話ではありません。調整の仕方が違います。
- 火力の調整は、ホイルなら穴の数と大きさ、炭の数や置き方でします。HMDは、蓋や通気口の開け閉め、炭の位置や高さでします。
- 準備の手間は、ホイルのほうがかかります。張って穴を開ける作業がいるからです。HMDは載せるだけで使える形が多く、手順が少なくなります。ホイルの穴あけには、剣山のような道具もあります。
- 炭と葉の距離も違います。ホイルは炭が葉の近くにあるので、炭の置き方が焦げやすさに直結します。HMDは器具で距離が決まります。同じ詰め方なら、毎回の条件がそろいやすくなります。
- ボウルとの相性もあります。ホイルはどんな形のボウルにも張れます。HMDは、口径や形に合うものを選ぶ必要があります。
- ホイルと併用する型もあります。CLOUDは、ターキッシュリッドとアマボーストを、ボウルにアルミを被せたうえで使う器具として紹介しています(CLOUD)。HMDを使うからホイルが要らない、とは限りません。
- 炭を内部に収めて、蓋の開け閉めで熱を調整するのが、ロータス型(密閉型)です。密閉型は、炭を入れた部分を蓋で閉じられる型のことです。
- ボウルにかぶせる筒状の蓋がターキッシュリッド型で、炭が落ちにくく、炭と葉の距離が一定になります。CLOUDは、口径の小さいボウル向きとしています。
- フタの開き具合で熱を調整する可動フタ型もあります。プロヴォストがその例です。
- 炭の高さを段階的に変えられる高さ調整型もあります。例はスチームレーションのHMSです。
素材は、主にアルミとステンレスです。金属ごとの熱の伝わり方の違いは、熱伝導率の項目にまとめています。
Kaloud公式サイトのLotusの表示価格は米ドルで、2026年10月25日に確認しました。Lotus I+はアルミ製が60ドル、Lotus IIはアルミ製が45ドルでステンレス製が90ドルです。Lotus IIIはアルミ製が80ドル、ステンレス製が100ドルで、この日は売り切れ表示でした。2024年発表のLotus I+3は、ステンレス製が80ドルでした。為替や販売ページの変更で、価格は変わります。
年が公表されているものだけ並べます。年は発売か発表の年、国は公表されている拠点です。
- 2012年に、Kaloudが最初のLotus HMDを発売しました(Kaloud公式)。Kaloudは、自社のLotusがHMDの分野を作ったとしています。ShishaScienceの一覧でも、年が記された最も古いモデルはLotus Iです。
- 2015年には、Apple on TopのProvost(初代)が出ました。MIGのRazorも、同じ2015年とされています(ShishaScience)。
- カナダのShishabucksは、Stratus HMDを2016年にv1、2017年にv2として出しました。
- 2018年に出たのは、Provost II、Meduse(チェコ)のHotWave、Starbuzz(米国)のNARです。
- 2019年には、ドイツのSteamulationが高さを調整できるHMSを発売しました。Lotus IIも、同じ年に出ています。
- 2020年代のKaloudは、2021年にGeneration IIIを出しました。2024年はLotus I+3で、Lotusシリーズの次の進化として発表されています。2025年にはKaloud 2.0 Generationを発表しました(Kaloud公式)。
日本では、CLOUDがHMSの記事で「2013年ごろに登場」と書いています。国内で広まった時期と、メーカーが公表した発売年には、少しずれがあります。
- 「HMDを使えば焦げない」は、勘違いです。炭と葉の距離が一定になりやすいだけです。葉を詰めすぎて器具の底に触れたり、炭を多く置いたりすれば焦げます。焦げの項も参考になります。CLOUDも、ロータスは葉を盛りすぎると下部に触れて焦げつくことがあると注意しています。
- 「HMDを使えば体に安全」も、勘違いです。炭を燃やして熱を作る点は、ホイルでもHMDでも変わりません。CDCは、水たばこの炭が高濃度の一酸化炭素を出すと説明しています(CDC)。換気と一酸化炭素の話は、一酸化炭素の項にあります。
- 「HMSはSteamulationのことだけ」というのも、半分だけ合っています。製品名としてはそのとおりです。ただ、日本のメディアでは総称としても使われます。
- 「ロータスとHMDは同じ言葉」でもありません。ロータスは1つのブランドの製品名です。HMDは、その仲間を含む総称です。
- ボウルに合うかどうかは、先に確かめたいところです。Kaloudは、LotusはSamsarisボウルと、一般的なボウルの多くに使えるとしています。ターキッシュリッドは、口径(ボウルの口の直径)の小さいボウル向きといわれます。自分のボウルの口径と対応を、買う前に確認してください。
- 器具の内側に入る炭の個数と大きさは、製品ごとに違います。キューブ炭(角形の固形炭)かフラット炭(平たい形の炭)か、どちらを使うのかは器具の説明で確かめましょう。
- 蒸らしは、器具を載せて炭の熱をなじませ、煙が出始めるまで待つ工程です。
- お店で吸うだけなら、器具を持つ必要はありません。自宅で作る場合の器具選びは、家シーシャのマニュアルでも扱っています。
シーシャデックスの器具ブランド一覧(2026年10月24日更新分)には、HMDを扱うブランドが24件あります。うち19件は、日本の通販店で取り扱いを確認しました。
たとえば、Kaloud、Apple on Top、Steamulation、Shishabucks、Starbuzz、Alpha Hookah、Conceptic Design、Na Graniなどがあります。Kaloudの公式サイトはこちらです。日本で買えるかどうかは、ブランドごとに違います。
ヒートマネジメントデバイス(HMD)とは何ですか?
ボウルの上に載せて炭を収め、炭とタバコ葉の距離や空気の通り道で熱の伝わり方を調整する、シーシャ用の器具です。アルミホイルの代わりに、または一緒に使う火力管理の道具です。
HMDとHMSは同じものですか?
日本のメディアでは、HMS(ヒートマネジメントシステム)をHMDと同じ総称として使う例があります。ただ、Steamulationの製品名にも「HMS」が入っていて、こちらは1つの製品のことです。どちらの意味かは、文脈で判断してください。
HMDとアルミホイルは何が違いますか?
熱の調整の仕方が違います。ホイルは、穴の数や炭の置き方で調整します。HMDは、蓋や通気口、炭の位置や高さで調整します。HMDは載せるだけで使える形が多く、ホイルはどんなボウルにも張れます。ターキッシュリッドのように、ホイルと併用する型もあります。
HMDを使えばフレーバーは焦げませんか?
焦げにくくはなりますが、ゼロにはなりません。葉を詰めすぎて器具の底に触れたり、炭が多すぎたりすれば焦げます。器具ごとの使い方に合わせて、詰め方と炭の数を調整してください。
HMDを使うと一酸化炭素は減りますか?
炭を燃やす点は、HMDでもホイルでも変わりません。CDCは、水たばこの炭が高濃度の一酸化炭素を出すと説明しています。HMDの有無にかかわらず、換気をよくしてください。気分が悪くなったら、すぐに吸うのをやめてください。
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