20歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。シーシャは適度に楽しみましょう。
標本カード

シーシャ

しーしゃShisha

店・文化シーシャ本館標本番号: shisha
定義

シーシャとは、炭の熱で温めたたばこの煙を、水を入れた容器にくぐらせてからホースで吸う喫煙具のことです。その吸い方や、使うたばこ(フレーバー)の呼び名としても使います。語源はペルシア語の「ガラス」で、エジプトのアラビア語から広まりました。英語圏の「フーカー」、トルコ語系の「ナルギレ」、日本語の「水たばこ」は、ほぼ同じものの呼び名です。

シーシャ・フーカー・水たばこの呼び名

「シーシャ」は、日本語では少なくとも3つの意味で使われます。器具そのもの、その器具で吸うこと、そして中に詰めるたばこ(フレーバー)です。お店は「シーシャバー」と呼ばれます(シーシャバー)。同じものに、国や言語ごとの名前がいくつもあります。

「シーシャ」という語は、エジプトのアラビア語の「シーシャ」が英語などに入ったものです。オスマン・トルコ語を経て、元をたどるとペルシア語の「ガラス」に行き着きます。エジプト、スーダン、アラビア半島、ドイツ語圏、ケニアなどで使われる呼び名です。

インド亜大陸と英語圏で使われるのが、フーカー(Hookah)です。ヒンドゥスターニー語の「フッカー」から入り、さらにさかのぼるとアラビア語の「壺・入れ物」になります。アメリカのCDCやFDAの解説は、この語を使っています。CDCは疾病対策センター、FDAは食品医薬品局のことです。英語版Wikipediaによると、「hookah」が英語に広まった背景には、イギリス領インドの時代に多くのイギリス人がこの器具に触れたことがあるそうです。

トルコ、ギリシャ、バルカン半島、イスラエルなどでは、ナルギレ(Narghile)と呼びます。トルコ語の「ナルギレ」が元です。そのまた元はペルシア語でココナッツを意味する語で、さらにサンスクリット語の「ココナッツ」にさかのぼるとされます。初期の水入れにココナッツの殻を使った名残、という説明もあります。

水たばこや水パイプは、中身をそのまま説明した日本語の呼び方です。税関の資料には「水パイプたばこ」、国税庁の通達には「水パイプで喫煙するための製造たばこ」という書き方が出てきます。

地域ごとの別名と語源

アルギレ(argileh)は、レバノン、シリア、パレスチナ、ヨルダン、クウェート、イラクなどの呼び名です。

イランあたりのペルシア語圏の呼び名は、ガリヤーン(ghalyan)です。語源は説が割れています。英語版Wikipediaは、アラビア語で「パイプ」を意味する語が形を変えたもの、と説明しています。日本語版Wikipediaでは、ペルシア語の「沸騰」「泡立ち」が由来です。

ロシア語圏では、カリヤン(кальян / kalyan)と言います。Wiktionaryによると、ペルシア語の「qalyān」から入りました。

フランス語圏のチチャ(chicha)は、シーシャと同じ語根の言葉です。エジプト・アラビア語の「シーシャ」が、トルコ語を経て入りました。

ほかに、ドイツ語のヴァッサーファイフェや、英語の古い口語のハブルバブルもあります。

名前はばらばらでも、元の意味には共通点があります。研究者のまとめによると、これらの呼び名の多くは水を入れる容器を指す言葉です。ガラス、壺、ココナッツの殻と、素材はちがいます。それでも「水の器」が道具の名前になり、やがて吸うこと全体の名前になった、と読むと覚えやすくなります。

WHOが挙げる呼び名とウォーターパイプ

WHOの資料は、各地の水パイプにいくつもの名前を挙げています。Hookah、Narghile または Narghila、Argileh、Shisha または Sheesha、Hubble-bubble または Hubbly-bubbly、Goza といった名前です。税関の解説も、narguile・argila・boury・gouza・hookah・shisha・hubble-bubble を、どれも同じ水パイプの別名として並べています。

日本語版Wikipediaによると、ハブリー・バブリー(Hubbly-bubbly)は、煙が水をくぐるときの「ブクブク」という音が由来の、英語圏の呼び方です。ゴーザは、同じ日本語版Wikipediaで、エジプトやスーダンで使われる持ち運びしやすい簡易式の器具と説明されています。

これらをまとめて指す中立的な言葉が、「ウォーターパイプ(waterpipe)」です。研究や規制の文書では、WHOなどがこの語に統一しています(ウォーターパイプ)。

シーシャとフーカーの使われ方

国によって違います。海外の人と話すなら、アメリカやロシアの人には「hookah」、ドイツやアラブ圏の人には「shisha」が通じやすいと考えておくと迷いません。

国内のシーシャ専門メディアCLOUDがGoogleトレンドで調べた記事(2021年掲載)では、地域によって優勢な語がちがいます。カナダ、ヨーロッパ、北アフリカ、東・東南アジア、オーストラリアでは、「Shisha」がより使われているとされています。南アメリカ、ロシア、アメリカ、南アフリカの一部では、「Hookah」のほうが多い、という結果です。ドイツでは「Shisha」が圧倒的に優勢です。この記事自身も、結果は「現状と異なる場合もある」と断っています。

日本での呼ばれ方

日本のお店では、「シーシャ」が最も通じる呼び名です。「水タバコ」は説明的な総称で、「フーカー」「ナルギレ」は海外由来の言葉として使われます。

日本語版Wikipediaには、シーシャのほか「水煙管(すいえんかん)」「水ギセル」「水パイプ」という呼び名も出ています。国内のシーシャ専門メディアSuKuも、日本では水タバコのことをシーシャと呼ぶのが一般的だと書いています。

シーシャという呼び方が根づいた理由について、CLOUDは推測を書いています。初期に日本へ水タバコを広めた人たちが、シーシャと呼ぶ地域から文化を輸入したからかもしれない、というものです。

似ているけれど、別のもの

ここまでに出てきた「水たばこ」「フーカー」「ナルギレ」などは、どれも水を通す従来型の器具のことです。電子シーシャは、炭を使いません。リキッドを電気で温めて蒸気を出す器具で、持ち運べるポケット型のほか、水を入れたボトルの上に本体を載せる型もあります。名前に「シーシャ」とついていても、炭で温める従来のシーシャとは別の器具です(電子シーシャ)。

ノンニコチン・ハーバルは、器具は同じでも、中身にたばこ葉を使わないタイプです。税関の分類でも、たばこを含む水パイプ用の製品と、含まない製品は別の区分に分けられています(ノンニコチン/ハーバルシーシャ)。

紙巻たばこ・加熱式たばこも、シーシャとは別です。国税庁の通達は、加熱式たばこの定義から「水パイプで喫煙するための製造たばこ」をわざわざ除いています。水パイプ用は加熱式たばこではありません。

煙が口に届くまで

器具の上のボウルにたばこを入れます。その上に置いた炭の熱で、間接的に温めるわけです。出てきた煙は、器具の中の管を通って水の入った容器へ下り、泡になって水をくぐります。そのあと、ホースを通って口に届きます。

WHOの解説では、基本の部品は5つです。たばこを入れるボウル、つなぎの管、水の入った土台、ホース、吸い口です。FDAも、炭または電気で熱した空気がたばこを通り、水の入った容器を通ると説明しています。

日本のシーシャの部品名でいえば、おおむね、たばこを入れるのがボウルです。つなぎの管にあたるのがステム(アップステム・ダウンステム)で、水の入った土台にあたるのがボトルです。あとはホースと、吸い口に当たります。

紙巻たばこのように火をつけて燃やすのではなく、温めて煙を出すところが、シーシャの特徴です。パーツの名前や組み立てのようすは、「シーシャとは何か」のガイドを見ると順に分かります。

歴史や語源は、どこまで分かっている?

起源ははっきりしていません。WHOの解説も「起源はやや不明」としています。WHOによると、インドや中国を通る交易路が、アジア・中東・アフリカへ広めたそうです。

インドの医師の話が伝わっています。ある歴史上の説明では、ムガル帝国のアクバル帝(在位1556〜1605年)の時代に、インドの医師ハキーム・アブル・ファトフが水パイプを考案したとされています。ただし、確定した定説ではありません。

フレーバー入りは、新しい流れです。19世紀末から20世紀前半の中東では、年配の男性が、無香料で刺激の強い「アジャミ」というたばこを吸うのが主でした。若い人へ広がったきっかけは、1990年代初めに登場した、甘く香りをつけたたばこです。いま主流の糖蜜漬けのフレーバーは、そのころからの流れです(マアッスル)。

水はフィルターにならない

いちばん多い誤解が、「煙が水をくぐるから、体にやさしい(有害物質が取れる)」という見方です。CDCは「フーカーの水は煙をろ過しない」と説明しています。FDAの説明でも、水は煙から有害な化学物質を取り除きません。水は煙の通り道になり、口当たりをやわらげます。でも、有害な成分を取り除くフィルターではありません。口当たりのまろやかさと、体に入る成分の量は別の話です。

CDCは、フーカーを使う人は1回の喫煙(1セッション)で、紙巻たばこ1本に比べて、一酸化炭素に9倍近く、ニコチンに1.7倍さらされることがある、という数字を出しています。これは「1回の利用」と「紙巻たばこ1本」を比べた目安の数字です。吸い方によって同じになるとは限りません。CDCは、たばこ葉を使わない「ハーバル」でも、煙には一酸化炭素などの有害な成分が含まれるとしています。

この誤解は、起源の話と一緒に語られてきました。WHOの解説に紹介された説明では、前述の医師は「煙をまず少量の水にくぐらせれば無害になる」と考えたとされています。水を通せば安心という見方は、いまに始まった話ではなく、道具の来歴とともに伝わってきたものです。健康面の詳しい整理は、健康リスクの基礎知識と科学的な整理にあります。

日本での扱い

たばこ葉を使ったシーシャは、日本の法律の上でたばこです。たばこ葉を使わないタイプ(ノンニコチン・ハーバル)は中身が別なので、ノンニコチンとハーバルシーシャの項目で扱っています。

まず、たばこ事業法の「製造たばこ」です。第2条の定義では、葉たばこを原料の全部または一部とし、喫煙用などにできる状態に作られたものが製造たばこです。たばこ葉を使ったシーシャ用のたばこは、これに当たります(たばこ事業法)。

税の区分は「パイプたばこ」です。国税庁の通達では、紙巻・葉巻・刻み・加熱式以外の、パイプ用に作られた製造たばこがパイプたばこです。財務省の小売定価の認可一覧でも、シーシャ用フレーバーはこの区分に並びます(パイプたばこ/認可フレーバー)。

もうひとつ、たばこ葉を使うシーシャは20歳からです。「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」の第1条では、20歳未満が煙草を喫することが禁じられています。煙草または器具を売る側は、年齢確認などの措置を求められます(第4条)。2022年に成年年齢が18歳になっても、この20歳は変わっていません(喫煙年齢制限)。

年齢のルールは法律と年齢のガイド、制度の全体は日本の法制度を完全ガイドにまとまっています。お店で吸える理由は、喫煙目的施設の項目で分かります。

次に見るところ
よくある質問

シーシャと水たばこ、フーカーは同じものですか?

ほぼ同じ種類の器具とたばこを指す、別の呼び名です。シーシャは日本で定着している名前で、フーカー(Hookah)は英語圏、ナルギレはトルコ語系の呼び名です。水たばこは日本語での説明的な言い方で、WHOなどは「ウォーターパイプ」でまとめています。

「シーシャ」の語源は何ですか?

エジプトのアラビア語の「シーシャ」が元です。オスマン・トルコ語を経て、さかのぼるとペルシア語の「ガラス」を意味する語になります。

水を通すとフィルターになって、体に害は少ないのですか?

なりません。CDCは水が煙をろ過しないと説明しています。FDAの説明でも、水は煙から有害な化学物質を取り除きません。CDCは、1回の利用で、紙巻たばこ1本に比べて一酸化炭素に9倍近くさらされることがあるとも説明しています。

ウォーターパイプ(waterpipe)とは何ですか?

WHOが国際的に使う中立的な総称です。hookah、shisha、narghile などの呼び名を一つにまとめて指す言葉として、研究や規制の文書で使われています。

ナルギレは電子タバコのことですか?

いいえ、ナルギレは水たばこの呼び名のひとつで、トルコやバルカン半島などで使われます。電子タバコや電子シーシャは、炭を使う水たばことは別の器具です。

シーシャとフーカーは、どちらが正しい呼び方ですか?

どちらも正しい呼び方です。シーシャはアラブ圏やドイツ語圏、フーカー(Hookah)は英語圏で多く使われます。日本のお店ではシーシャが一般的です。

シーシャは何歳から吸えますか?

たばこ葉を使うシーシャは20歳からです。「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」の第1条が、20歳未満の喫煙を禁じています。成年年齢が18歳になった後も、たばこの年齢は20歳のままです。

シーシャは法律上たばこですか?

はい。たばこ葉を原料にしたシーシャ用のたばこは、たばこ事業法の「製造たばこ」に当たります。税の区分ではパイプたばこです。たばこ葉を使わないタイプは中身が別になります。そのため、ノンニコチンとハーバルシーシャの項目で説明しています。

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採集記録(出典)

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